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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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今日は大学で卒業式があり、とても華やかです。しかしそれとは裏腹に私の心はどんよりしており、かつ怒りに満ちています。なぜなら、先週以降、コンゴ東部からいやーなニュースが入ってきているからです。

現在コンゴ東部では、コンゴ政府軍が対FDLR(ルワンダ反政府勢力ー1994年のルワンダ虐殺の首謀者が中心につくった組織)掃討作戦を新たに行なっているのですが、これがどうもFDLRではなく、市民をターゲットしているようです。下記の記事を参照してください(フランス語)。

http://www.lepotentiel.com/afficher_article.php?id_edition=&id_article=121727



市民を追い出すのは、軍人による天然資源へのアクセスのためでしょうか。先日twitterでも流したある記事によると、コンゴ東部・北キブ州にあるビルンガ国立公園には石油があるようで、イギリスの企業がその調査をすることになりました。もし石油の存在が確認されたら、ますますこの地域は無人・無動物(マウンテン・ゴリラも含む)になるかもしれません。

この掃討作戦は2009年1月に本格的に始まりました。ルワンダ政府にとって脅威の存在ではないFDLRを、なぜルワンダ政府軍がこの時点でわざわざ越境して、国交関係がなかったコンゴ政府軍と組んで対FDLR掃討作戦をする必要があったのか。著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』には、政治的、そして経済的理由(=ルワンダ政府による、コンゴの天然資源のアクセス)と書きましたが、実は他にも理由があったことに先週気が付きました。

1996-7年のコンゴ戦争の際に、ルワンダ政府軍やコンゴ反政府勢力(ルワンダやウガンダが支援)が市民や難民に対して「虐殺」に値する行為を行ったという内容の国連報告書Mapping Reportが、2010年10月に公表されました。この報告書は「虐殺」という単語を使用したために、世界(日本を除く。。何とも情けない。。)で大きな話題になりました。ルワンダ虐殺以降、急スピードで復興・開発に力を入れ、ルワンダは「アフリカのサクセス・ストーリー」と称賛されるようになったのですが、この報告書はそのイメージに打撃を打ったことになります。

この調査チームは2008後半から2009年前半にコンゴ全国に滞在したのですが、1996年の「虐殺行為」の目撃者、あるいは国連チームに既に証言をした人を消す必要があったらしく、2009年1月に始まった表向き対FDLR掃討作戦は、実は証人を殺害するためだったらしいのです。市民が「軍人対象の掃討作戦にまぎれて」、犠牲になっていたのではなく、最初からターゲットにされていたのです。

そして恐ろしいことに、その市民殺害の掃討作戦を、国連「平和」維持活動隊(PKO)が裏で支援していたのです。2009年から今まで。当然その国連「平和」維持活動には我々の税金も使われています。ですから、我々も間接的にその市民殺害にかかわっていることになりそうです。

上記を聞いて、気が狂うのは私だけでないはずです。いったい何のための国連PKOなのか。「平和」構築とは何なのか。今コンゴ東部の元同僚や知人と連絡し、何とかそれを止めようとしています。日本や他の地域にいる皆さんも、知恵をぜひ貸して下さい。
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昨夜のTBSドラマ「運命の人」(最終回)に感動・興奮し、涙涙なしでは観ることができませんでした。コンゴ民主共和国(コンゴ)東部等の現場や現地の犠牲者を思い出してしまい、それが新たに私にコンゴとルワンダの(紛争)権力と闘う勇気とモチベーションを与えてくれました。
 
ドラマ最終回は舞台が沖縄で、学びが多くありました。まず最大の学び(再確認)は、現地の人の痛みを理解することの重要性です。日本政府を相手に、長年東京で沖縄問題について闘ってきた弓成(元)記者が、権威に負けてしまい、心身ともにぼろぼろになり、沖縄に向かいました。そこで生活する中、初めて沖縄県民の傷の深さと直面し、「自分は沖縄県民のことを知らずに、(東京で)記事を書き続けてきた」と反省したのです。
 
私は10年間以上現場で働き、紛争や政治の犠牲者である難民や国内避難民の支援や保護に携わってきましたが、その経験があったからこそ、現在啓蒙や研究活動に力を入れることができると思っています。だから弓成記者が言ったセリフはよく理解できるのです。現場を訪れずに(あるいは訪問しても数分だけ現地の人と会話を交わし、それで自己満足する)、現地の状況に関して執筆できる人がいますが、私に想像力が欠けているのかあるいは見るまで関心が高まらないのか、現場の雰囲気やにおい、人々の表情を知らないまま、そして現地の人の話を直接聞かないまま、啓蒙・研究活動をすることは無理でしょう。当然のごとく、長年の現場経験があるから現状を把握しているとは言えませんし(現場と言っても、人によっては、自宅―事務所―ゴルフ場だけ回っている人もおり、現地の生活を知らない)、現場に行きたくてもいろんな事情で行けない人もいるので、現場行きが必修だと言いませんが、機会があれば行ってもらいたいものです。また私はUNHCR 職員という「外部者」として関わってきたので、現地の者(内部者)の深い痛みは理解していないでしょうし、一生理解できないかもしれません。それでも理解しようと努力はしたと自負しています。
 
私の専門分野である平和構築に関して、「その第一歩は、他人の痛みを知ることから始まる」とある韓国人歴史学者が言っていましたが、私もそれに強く同感します。現在大学で関わっているグローバル人材育成も、世間で言われている、コミュニケーション能力・リーダーシップ・問題解決力だけでなく、まさしく「他者(特に社会的に、また政治的に弱い立場の人の痛み)を理解する」能力が必要です。沖縄問題だけでなく、原発・放射能問題、紛争、貧困、環境問題や、日本政府や国際社会で働く頭でっかちのエリート層を見ていると、つくづくそう感じます。他者の痛みを理解するためには、座学だけでなく、ボランテイアや社会経験等が必要となり、その機会を増やそうと現在努めています。
 
最後にドラマで出てきた米軍兵士によるレイプの被害者は、「世界のレイプの中心地」と呼ばれているコンゴ東部の性的暴力の被害者のことを思い出させてしまい、同様に、傲慢な態度の米軍と人道支援機関の姿も重ねて見てしまいました。コンゴ東部は人道支援機関が数多くあるのですが、地方政府の役人がいないところで人道支援機関だけで集まって現地の人道問題について議論し、重要事項を決定していました。その光景はまるで「植民地」や「帝国」のようで、自分たちの国であるかのようなふるまいでした(詳細は著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』の第9章を参照)。これは開発の分野でも同様でしょう。
 
TBSの皆さん、このような大大大ヒット作を作成し、本当にありがとうございました。これをきっかけに、弓成記者のような勇敢で正義にあふれる人間が増えること、そして日本のメデイアが国民のために情報公開することを願っています。

昨日(3月14日)コンゴの武装勢力元指導者、トマス・ルバンガ(Thomas Lubanga)被告に有罪評決が下されました。1999-2003年のコンゴ大戦の際に、15歳未満の子どもを戦闘要員として徴集し、利用した罪が問われていました。国際刑事裁判所(ICC)で公判が行われたのは2002年設立以来初めてでしたので、アフリカの人権問題をほとんど触れない日本のメディアもさすがに報道しました。
 
http://news.infoseek.co.jp/article/afpbb_2865206
 
大変喜ばしいことですが、10年間で一人しか評決されていないことを考えると、これから戦争犯罪人が何人評決されるのかと心配です!その前にそもそも逮捕されるのかという基本的な問題もあります。上記のルバンガ被告は単なる「プチ戦争犯罪人」であり、彼以上の戦争犯罪の責任者は多数いるのです。その一人がボスコ・ンタガンダで、このプログでも数回紹介しましたが、彼がルワンダのカガメ大統領と連結しているとNew York Timesに明記されています。ただしその関わり方に関する詳細は書かれていませんが。。。
 
http://kristof.blogs.nytimes.com/2012/03/14/bosco-2012-while-we-hunt-kony-another-indicted-war-criminal-lives-a-life-of-leisure/
 
当然のことですが、プチ戦争犯罪人一人を評決してもコンゴと周辺国に戦争の責任者や戦争の構造が残っている限り、状況は全然変化しないどころか、ネットワークが時間と共にグローバル化し、悪化することもあります。Global Peace Index 2011によると、平和でない国のランキングに ソマリア、イラク、スーダン、アフガニスタン、北朝鮮に次いで、コンゴは6番目にランキングされています。
 
http://www.visionofhumanity.org/wp-content/uploads/2011/05/2011-Fact-Sheet.pdf
 
国際社会の間では、コンゴは一応「正式に」戦争は終わっていることになっているのですが、現地ではそうではありません。持続的な平和と安定をもたらすために、皆さん、引き続きいろんな知恵の共有をお願いします。
ウガンダ反政府軍のLRA(神の抵抗軍)のリーダー・コニー(Joseph Kony)を逮捕といった”Kony 2012”のムーブメントが数日前から世界に広がっているのをご存知でしょうか。アンジェーリナ・ジョリなどのスターも応援しています。下記の動画をご参照ください。
 
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=xyiMDKr2lsM
 
LRAは子供兵の徴兵したり、子供たちの顔の一部を切断するので有名です。以前ウガンダ北部で活動していましたが、2007年ごろからコンゴ北東部や中央アフリカにも展開し、2008年のクリスマスにもChristmas massacreと呼ばれた、市民に対する殺害を行っています。もちろんそのような行為は現在も続いています。
 
LRAの逮捕は重要ですし、このキャンペーンを始めたInvisible Childrenの皆様には大変感謝しています。しかしこの動画で残念なのは、単に「コニーは悪者だ!捕まえろ!」といったメッセージしかなく、なぜコニーが紛争を続けているのかに関しては何の説明もされていないことです。当然のことですが、紛争を始めるのも長期化(ウガンダの場合20年以上も!)するのも何かの理由があるからであり、ウガンダの場合はgrievance(ウガンダ北部が南部や西部に比べると開発が進まず排除されているという不満等)の要因が強いと言われています。ですから例えコニーが逮捕されたとしても、「南北格差の問題」が続く限り、コニーの代行者が生まれる可能性があります。
 
また注意しなければならないのは、ウガンダにおける悪者はコニー一人だけではなく、ウガンダ政府軍も相当の悪行為に関与していることです。そして大湖地域(ウガンダ、コンゴ民主共和国、ルワンダ、ブルンジ)における大勢の戦争犯も同時に逮捕しなければ、この地域には平和と安定は絶対にきません。その戦争犯の中には政府の高官や政府軍もおり、国連報告書にも彼らの汚名が着せられたり、国際刑事裁判所(ICC)によって指名手配されていますが、ほとんど進展がありません。国際機関などがどこまで政治的意思があるのか、正直疑問です。
 
2月のルワンダ・フィールドワークの際に、ルワンダ国立大学のCenter for Conflict Management(CCM)で1994年のルワンダ虐殺に関する興味深い話を聞きました。大学機関は直接虐殺に加担していないものの、学長や副学長が個人レベルで学生を虐殺に動員したとか(その副学長は現在カナダに亡命中)。本大学は、1994年前に存在していた唯一の国立大学で、政治家やエリートがかなり卒業しています。もし大学が「正しい教育」をしていたなら、虐殺を予防できたか、あるいは少なくとも被害を最小限に留めることができたかもしれないとのことでした。虐殺後は、二度と虐殺や紛争を再燃しないことが大学の役割や課題として挙げられるようになり、本CCMが設立されたとのことです。
 
ルワンダ虐殺ではメディア(ラジオ)が市民を動員していたことはよく知られている話ですが、大学の役割に関して聞いたこともなかったので、大学の教員としてショッキングな話でした。

今日東日本大震災の1周年を迎え、日本全国だけでなく、世界各地で追悼式やイベントが行われています。これを機会に、将来の日本や世界を背負う若い世代に「正しい教育」をする大学の役割に関して、もっと考えるべきでしょう。単に学生が知識を蓄えたり、学生が上(先生や上司)から言われたことをコツコツこなすだけでなく、学生がいろんな問題(戦争、虐殺、原発や環境等)に関して、論理的にかつ批判的に考え議論し、行動することが必要となります。

現在大学の秋入学の話に集中していますが、もっと教育の質や学習方法について議論すべきで、それは私が尊敬する教員らの学生に対する誠実で真剣な態度から証明できます。指導教員によって学生の成長ぶりが全然変わり、教員の責任や影響力の重さを改めて痛感しました。自身の研究テーマでもある紛争予防のためにも、私も人材育成を通して少しでも貢献できれば嬉しいです。

中国のアフリカ進出が数年前から話題になっていますが、それはビジネスだけでなく、最近はメデイア(テレビのCCTV)の分野においてもそうです。今までBBC, Radio France Internationalなどに依存していた現地の人たちが、これから違った視点から世界の情報収集することになるのです(Jeune Afrique, 2012年2月12-18日号)。
 
確かに中国のアフリカ進出に関しては、人権侵害や環境破壊の問題などが伴い、場所によってはあまり歓迎されていません。そもそもアフリカ進出はいろんな背景があり(人口の増加で住む土地が中国にない、雇用がない、あるいは自由がない、アフリカの資源を狙って等)、選択肢がないまま行っており、アフリカのために考えて働いている人は実際に少数でしょう。また中国政府が行っている援助は質が問題となっている場合もあります(特にインフラ)。それでも中国のスピードとハンガリー精神(いい意味での)には見習う必要があるかもしれません。
 
日本の開発機関はそれに比べて本当に遅い。。。計画を立ててから案件が終わるまで数年かかるのはざらです。人権や環境などの配慮をしているため慎重になるのはわかるのですが、遠い日本からアフリカに数回派遣団を送って(再)確認するなら、現状をよく知っている現地NGOを活用した方が効率的です。それを言うと、「現地にはいい人材がいないから」と言われるのですが、とんでもない、いい人材は必ずいます!
 
日本の若者よ、中国のマネをせよと言いませんし、アフリカのみが進出する場所ではありませんが、世界の人々の痛みを理解し、世界の視野に活躍する人になってください。日本人(特に外交官)は以前3S(sleep,smile,silent)と呼ばれ、国際会議ではまさに意見を述べないことで悪評を受けていましたが(注意:よく英語ができないからという理由(=口実)を使う人がいるのですが、日本語でさえ論理的に意見を述べることができない人もいるので、この言い訳は通じない)、これからspeedに加えて、strategic, strict, speak upの3Sでアイデア・政策で勝負しましょう!もちろん私自身も心身ともに(まだ)若者なので、これは自分に対するメッセージでもあります。
著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』の初版から1年半以上経ち、今月二刷が発行されます。初版のものを校正し(間違った、あるいは誤解を招きやすい情報が多少入っていました。読者のみなさん、申し訳ございませんでした)、本の帯には国際人権NGO・ヒューマンライツウォッチ日本代表の土井香苗さんの推薦を頂きました。香苗さん、ありがとうございます!またこれを機に、さまざまな形で本の支援をしてくださった創成社や家族、友人や同僚にもお礼を申し上げます。

初版を読んだ学生や友人は、必ずと言っていいほど「ジャマイカ人の彼氏との出会いが面白かった」という感想から始めます。この本はタイトルから見てもわかるようにコンゴのことが書かれていて、ジャマイカ人の彼のことは数行しかないのですが、皆の関心事が恋愛に集中するのは世界共通ですね。。。実は初版では勇気がなくて彼とのやりとりの一部しか書けなかったのですが、二刷では少し新しい情報を付け加えました。とても恥ずかしいのですが、国際理解や人種差別との闘いに役立つかもしれませんので、もし関心があれば、ぜひ読んでみてください!

ルワンダのフィールドワーク(宇都宮大学生と他大学生計8人を引率)から2月25日に帰国し、内容の濃いルワンダの滞在について書きたいと思いつつ、大学内外の細かい作業に追われ、なかなかブログを書く暇がありませんでした。今週末予定の講演の準備があるので、詳細は今度書くとして、ここではどうしても若者に伝えたいことがあります。

ルワンダでは私が引率者ということもあり、いろんなところで交渉しなければならなかったのですが、その度に学生から「先生の交渉力すごい」「そんなことも交渉していいんですか」と驚かれました。私にとって特別なことではなく普通のことだったので、その驚きでこちらの方がショックを受けてしまいました。交渉の事例を3つ挙げましょう。

①郊外に行った際に一緒に来てくれた旅行会社のガイドが、現地人のガイド料を新たに請求してくるので、「こちらはガイド料は前もって支払いしたので、そちらで処理してください」とお願いした。

② あるレストランで学生数名がオーダーした野菜スープが水のようだったので苦情を言うと、スープらしいものに換えてくれた(最初の店員は「これがうちのスープの味だから」と取り扱ってくれなかったが、マネージャーに再びクレームを言うと、理解しすぐに取り換えてくれた)

③あるNGOとの面会の際に貧困地帯があると言ったので、「もし明日時間があればそこにガイドしていただけませんか」とお願いすると、了解して下さった。

②に関しては、数名の学生が「私だったらあそこまで言わず、友人と文句だけ言っていた」と言っていたのですが、お金を払っている客として親切心でレストラン側に問題があることを伝えただけです。それによって、将来レストランは二度と同じミスを犯さないように努力することでしょう。③は確かにずうずうしいお願いかもしれませんが(しかも相手は初対面の人)、せっかく遠い日本からいろんなことを学びに来ているのに、この機会を逃したら損です!しかも貧困問題に関心がある学生もいたので、その人のためにもお願いしました。また、そのNGOとしても深刻な問題を他者に見せることで、他者から助言がもらえるかもしれなく、解決策につながるかもしれません。

結局、学生は私が「関西人」だから交渉に慣れているという結論につなげたのですが、本当にそうなのでしょうか。よくよく自分の人生をふりかえると、交渉しなければならない状況が、仕事(難民の保護)や私生活(自分の安全のために、また途上国での買い物の際に値切りをする)でよくあったから、自然と交渉することを学んだかと思います。現在、平和ボケしてしまった日本では、交渉をしなくても生けていけるかもしれませんが、外国の危険・不安定地域では、交渉力=サバイバル力につながりますので、皆さん、ぜひ普段の生活において、ハンガリー精神を持ちながら交渉することを心がけましょう。
3週間続いたJICAのアフリカ仏語圏平和構築研修が2月3日に終わりました。「歴史」(将来に向かうために歴史を見直す重要性)、「人々」(犠牲者や市民の痛みを知る重要性)、「行政」(平和構築における行政の重要な役割)の3つのコンセプトを基にした本研修の内容づくりには3年前から関わっています。アフリカ紛争(後)の国々(ブルンジ、コンゴ民主共和国、ジブチ、チャド、中央アフリカ共和国)の司法や治安関連の政府役人に日本の戦後復興の教訓を学んでもらい、それぞれの国の平和構築に役立ってもらおうというものです。3週間のプログラムののうち、今回私は1/3しか参加できなかったのですが、感想を簡単に書きたいと思います。
 
  • 参加者11人の内、2人(女性)がチャドの「平和と和解を求めるモニタリング委員会」というNGOに属しています。本研修への市民社会出身の参加者は初めてだったのですが、行政の人と違って大変パワフルで厳しく、議論もぐんぐんリードしてくれました。例えば、ジブチの行政官が「ジブチでは暑いこともあり、午後は仕事しない。本研修は朝から晩まで講義が詰まっていて疲れた。午後は休ませてくれたらよかったのに」と愚痴ると、チャド人女性が「何言っているの、緊張感の中で仕事をしないと!チャドだって暑いけど、私たちは働いているわ!」とびしっと叱ってくれ、ファシリテーターの私としては大変心強い思いでした。こういう時、外国人の私が介入するより、アフリカ人同士が注意しあう方が効果的です。やはり最終的に頼りになるのは、市民社会、しかも女性!これは日本も同じですね。 
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  • アフリカ人同士の議論というと、JICA研究所のコンゴ人研究員による日本の勤勉や団結力や教育熱心さなどのフリートーキングをしてもらったのも良かった点です。この研究員は、大変まじめで責任感の強い性格の持ち主。日本人が日本のいいところを話しても、「日本では機能しても、アフリカはどうせだめだ。。」とAfripessimism(アフリカ悲観的)になるアフリカ諸国の人が多いのですが、日本のことをよく知っているアフリカ諸国の人(しかも講師が、経済的に発展している南ア等の人ではばく、失敗国家(失礼!)のコンゴ人だから、さらに効き目があった)が話すとかなり説得力がありました。研修生も多少Afroptimismになったと思います。
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  • もちろん日本のいいところだけでなく、負の遺産や課題も研修生に見せました。見学した「女たちの戦争と平和のミュジアム」は慰安婦問題を取り扱っており、日本が被害者だけでなく加害者であったことを説明しています。研修生から「自国(コンゴ)では性的暴力が続き、世界のレイプ中心地と呼ばれている。慰安婦と同様なことが起きている」「戦争がなくても、性暴力はアフリカでは日常的に起きている。我々の手で何とかしなくては!」「アフリカでは負の遺産の歴史を消そうとする傾向があるが、ここのように博物館を建て証言を集め、次の世代に伝えないと」といった活発な意見交換がされました。またこのような日本の恥である問題をオープンに見せたことに関して、研修生数人から感謝されました。日本の強みや成功例だけを見せると、他に何か隠しているのではないかと疑うからです。実際にある研修生が自国の問題を触れなかったら、「貴国が多くの問題を抱えているのは知っている。かっこつけてどうするんだ」と他の研修生から苦情がありました。個人レベル、あるいは国家レベルで信頼関係を築くには、やはり負の遺産を含む過去や現在の問題ときちんと直面し、誠実になることから始まりますね。今の日本政府も経済や技術力だけに頼らずに、歴史と向き合って対処してもらいたいものです。 
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  • 弁護士の伊藤真氏による憲法の講義も評判がよく、あるオブサーバー(日本人)のコメント「人間の安全保障の講義より憲法の方がずっと理解しやすい」が印象的でした。私も実はこのあいまいな「人間の安全保障」の概要は理解していなく、それよりも憲法9条を日本政府の外交柱として取り上げてた方が日本人・外国人にとってどんなに効果的でわかりやすいことだろうかと思っています。
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  • 最後に、羽根拓也氏(アクテイブ・ラーニング(株)社長)による能動的学習法と、船田クラ―センさやか先生(東京外大)による紛争転換(トランセンド)のワークショップは大変人気があり、母国でさっそく実施したいと言う研修生がほとんどでした。やはり参加型形式は一方的な講義と違って、開脳・活性化するきっかけにもなるので、いつも評判がいいですね。私も大学ではなるべくそうするように心がけています。話はそれますが、一般の就職セミナーは大学卒業直後の短期的な出口の話しかせず、かつ講義が多いのですが、逆なこと(参加型を通して、長期的に人生の目標や価値観を見直す)をすれば、学生の生きる・働く意欲が高まると思うのですが。。。話は戻って、今後の紛争転換の課題は、上記のチャド人がお願いしたように、独裁者や武装勢力といった権力者とどう闘うか、また野党と与党間といった政治的なコンフリクトの転換法ですね。うーん、これはさやか先生も私も現在現実に直面しており、お互いに勉強中。Trial and errorを重ねて、将来チャドやコンゴでぜひ活用したいものです。
 
JICAの関係者、そして研修生の皆さん、お世話になりました。そしてお疲れ様でした。本研修が少しでもアフリカの平和構築の努力に役立つことを願っています。
この数週間、コンゴの選挙関係の小論文で忙しくしていたので、ブログをごぶさたしていました。先ほどやっと提出し、ほっとしています。
 
ところで、今ルワンダ関連で話題になっているニュースは、17日にルワンダ軍の高官4人が自宅軟禁されたことです。ルワンダ政府がコンゴの天然資源を搾取しており、それらを「ルワンダ産」と偽っているという内容の国連報告書が昨年12月に公表されたのですが、その搾取に上記の4人が関与しているのではないかと言われています。
国連報告書は下記からダウンロードできます。
 
http://crimeblog.dallasnews.com/UN%20Report_Long%20Version.pdf
 
ちなみにルワンダ政府による天然資源の搾取は、新しい情報ではなく、2001年から公表されている国連報告書にほぼ毎年のように書かれています。既に10年も!その間特に大きな動きはなく、国際社会はほとんど黙認状態です。コンゴ東部では天然資源の労働者は過酷な環境で働き(当然亡くなる人も多い)、天然資源地に住む市民は強制的に移動させられ、女性は性的暴力の被害になり(コンゴはrape capital in the worldと呼ばれている!)、。。。考えるだけで落ち込むやら、怒りがムラムラするやら。。。そのために私は闘っていますが、無力を感じます。でもあきらめてはいけない!
 
ところで、上記や過去の国連報告書は内容が濃く大変読み応えがあるので、関心がある人はぜひ読んでください。上記のものは392ページあり、そのうち天然資源の搾取に関する写真、手紙や地図など付録が180も!天然資源の搾取や紛争の研究をしている学生に最適です。国連を美化している日本の政治家も、日本人の国連職員を増員することばかり考えずに、こういう報告書を読み、コンゴやルワンダへの政策(援助を含む)を分析・再検討していただきたいものです!
「民主化」の動き(と願いたい)に向かっているビルマのアン・サン・スーチーさんに、世界の政治家が面会している報道が毎日のように流れています。

実はルワンダにも、「アン・サン・スーチーさんのルワンダ版」がいます。同じく野党党首のビクトワール・インガリベさんなのですが、「スーチーさんルワンダ版」という呼び方はすでにwikipediaにも出ています。

2010年の大統領選挙に出馬するため、インガリべさんは2年前の今日1月16日、16年ぶりにルワンダに帰国し、虐殺記念館でタブーとされている発言をしたのです。

「虐殺では、ツチだけでなくフツの被害者もいる(そもそも1994年は「ツチに対する虐殺」とされ、本記念館では、ツチの被害者しか言及していない)。ツチとフツ間の和解が必要だ」

それから彼女はルワンダ政府に睨まれてしまい、選挙に出馬できず、2010年10月から現在にいたって刑務所にいるのです。 (念のために、私は特にインガリべさんのサポーターではなく、情報を共有しているだけ)

今日16日はアメリカにおいて、Martin Luther Kingの祝日でもあります。(ついでに言うと、11年前コンゴでは、カビラ前大統領(現大統領の父親)が暗殺された日でもある)カビラ前大統領はともかく、今日はインガリべさんやキング牧師など、自由解放と非暴力と闘ってきた人々を考えさせられる貴重な日です。私も彼らに見習ってもっとパワフルにならないとね!

今朝のフランスのニュースを聞いていたら、フランスの裁判官2人が率いる調査チームによると、1994年のルワンダ虐殺が始まった前日に起きた大統領機の撃墜事件の責任者はフツの過激派であるとのことです。

実は2006年に、フランスの別の裁判官による報告書が公表され、それにはルワンダ現政権(撃墜事件が起きた当時は反政府勢力)が関与していたと明記されておりました。その報告書がきっかけで、ルワンダはフランスとの国交関係を断絶し、昨年正常化しましたが、撃墜事件に関しては両国が直接触れ合うことを避けていました。

この最新調査に関しては謎が多いのですが(カガメ大統領の元側近者を含むルワンダの亡命者の多くが、現政権が責任者であると訴えている)、いろんな情報を収集・分析してから、またブログに載せますね。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

1月7-9日まで開催された国際キャリア合宿セミナー(宇都宮大学等主催)では、私は講師として参加し、その準備で忙しくしていたために、このブログを書くのも10日ぶりとなりました。
前回の国際キャリア合宿セミナーに引き続き、今回も「開発と人権」の分科会を担当したのですが、今回はもっと人権、権力文化、不処罰文化に重点を置きました。参加者が大変まじめで、聞き手にわかりやすいまとまった発表をし、私も心の底から嬉しく思いました。
人権というと、多くの人は難しい問題として引いてしまうのですが、我々は身近な問題としてとらえる必要があるでしょう。この人権侵害による不処罰文化が続いているからこそ、紛争(後)国の平和構築が実現できなく、だからこそ紛争が再燃するというのが私の主張です。今年も引き続き、人権をテーマに様々な研究や行動にかかわりたいと思っていますので、ご協力をよろしくお願いします。

話は変わって、昨年11月に実施されたコンゴの選挙と人権侵害のペーパーを現在書いています。発表する機会があれば、このブログに載せたいと思っています。
2011年は皆さんにとってどのような年でしたか?
 
私にとって、権力、人権、開発や法の正義などを(改めて)学んだ年でした。開発と人権の講義やワークショップが開催できたこと、元ICTR(国際ルワンダ戦犯法廷)職員の日本に招へいできたこと(日本ではICTRに関する情報があまりにも少なすぎる!)、学会でコンゴやルワンダの不処罰の問題を発表できたことは、自分や周りにとって大きなプラスになりました(と願いたいものです)。また、アラブの春の影響力(ロシアやアメリカにも飛び火するなんて、本当に驚きです!)や、仕事で出会った世界のいろんな人権活動家から勇気、刺激や希望をもらった年でもありました。
 
アラブの春で、経済格差(開発がエリートや政治家にしか届いていない)、差別、独裁といった問題が表にでましたが、福島の放射能も同様に、報道の自由、政府や東電の権力等といった問題が浮き彫りになりました。これらに関してもっと研究し、伝えないといけないと痛感。今年、日本人はいい意味でも悪い意味でも平和ボケしていますが、特に若者は世界の時事問題にもっと危機感を持ち、そして健康的な議論をしてほしい。そして権力者に対して、もっと怒りをあらわにしてほしいものです。
 
来年は、アラブの春がサブサハラ・アフリカや他の諸国にも飛び火するのでしょうか。特にコンゴやルワンダには。。。
(ところで、コンゴでは携帯電話のSMSの使用が12月3日以降中止されていたのですが、29日から再開されました。といっても、人権活動家や野党党首は今でも使用が禁止されているのですが。。。野党党首・「自分が選ばれた大統領だ」と主張しているチセケデイ氏は相変わらず自宅で軟禁状態ですし、野党に近い警察や活動家は蒸発するなど、緊張感が続いています)
 
来年も(そして一生)、権力と闘い続けることとなるでしょうが、今年以上に権力や人権の問題を強調したいものです。開発や人権が「権力の乱用」とつながっていること、そして難民は単に「人道支援の対象者」や「かわいそうな人」だけではなく、「母国で生活権(そして時折には国籍やパスポートも)を奪われた人権侵害の被害者」であること等。
来年世界の人権がもっと尊重され、積極的な平和がより実現されますように。皆さん、いい年をお迎えください。
 
この1週間ある調査で東京を離れ、ネットへのアクセスが十分届かなかった場所に行っていたこともあり、ブログを書くことができませんでした。コンゴの現状を簡単にまとめてみたいと思います。
 
1.カビラ大統領の就任式が20日に行われ、大統領で出席したのはジンバブウェのムガベ氏のみで、他は外務大臣や在コンゴの大使が国の代表として出席しました。しかも後者の場合は、欠席すれば国外追放される可能性があるため、外交関係のために出席したらしいんですね。アメリカのカーター・センターやヨーロッパ統合の選挙監視団、そしてクリントン国務長官が本選挙は信用性に欠けていると指摘したのに、矛盾した態度ですね!
 
2.現職カビラ氏に敗れたチセケディ元首相は「選挙に不正があった、自分が選ばれた大統領だ」と主張し、23日、キンシャサの自宅で独自に大統領就任を「宣誓」しました。チセケディ氏は当初、首都の競技場で「就任式」を行う予定だったのですが、治安部隊が野党支持者らに催涙ガスを発砲したり、戦車を配置するなどして競技場への立ち入りを阻止したため、急遽会場を変更したのです。大統領選をめぐっては野党支持者と治安部隊の衝突が続き、ヒューマンライツウォッチによると、選挙後、死者最低24人が出ています。
 
3.混乱状態が続くコンゴでは、携帯電話のSMSの使用が12月3日以降、政府の命令で中止されています。選挙関係だけでなく、年末年始関連のメールを家族などに送れず、表現の自由が奪われた市民の不満はますます高まっています。
 
4.一番腹立たしいのは、この異常な状況に対して、コンゴにいる世界最大のPKOや国際刑事裁判所(ICC)が何も対処していないことです。カビラ大統領下の治安部隊が市民を殺害しているにもかかわらず、PKOはなぜ阻止できないのでしょうか。また、選挙前にチセケディ氏が「自分が大統領だ」と述べただけで、ICCは「暴力は許さない」と強硬な態度を示していたのですが、現在死傷者がでても何の表明を出していません。まるでカビラ大統領を支持しているかのように。。。(もちろん支持しているから、出来ないのでしょうが!)国際機関よ、もっと中立的に、そして厳しく「ムチ」を使ってください!
もともと12月6日に大統領選挙の結果が発表される予定になっていたのですが、それが延び延びになり、やっと9日に発表されました。選挙委員会によると、カビラ現大統領が48.95%大統領選挙で再選され、有力野党党首のチセケディ氏(78歳)は32.33%であったと。しかしチセケデイ氏は、選挙監視委員会の発表は「コンゴ人に対する挑発的言動」だとし、各地の開票所でオブサーブした同党の支持者によると、自分が54%の票で勝ち取り、カビラ現大統領は26%だけだと主張しています。1年前の大統領選挙でコートジボワールでは、当時のバグボ大統領が選挙の敗北を認めないまま、「1か国、2人の大統領」という異常状態が数か月続いていたのですが、同様なことがコンゴで生まれるのでしょうか。
 
そのコートジボワールの選挙が、コンゴの大統領選挙に悪影響を与えてしまいました。憲法によると、過半数をしめる候補者が出なかった場合、上位2名の候補者で決選投票をしなくてはなりません。このような2回投票はlegitimacyのためであり、前回(2006年)のコンゴ選挙でも、またフランスでも行われています。今年1月にカビラ政権は国会で特に議論しないまま、「予算不足のため」に決選投票の廃止を決定したのですが、本音はチセケディ氏という有力候補者、かつ市民の人気者が出馬し、カビラ大統領が自分の地位を守るためだったという見解が強いのです。
 
コンゴで最初に博士号(法学)をとり、モブツ大統領と長年闘い(繰り返し逮捕されたことも)、コンゴ人の政治家の中でまだ「クリーン」と言われているチセケデイ氏は、政治家では珍しく一夫一婦を保ち、コンゴで51年続く独裁主義の問題と非暴力でもって解決しようとしています。身体は元気なようですが、年配なので、選挙に出馬するのは今回が最後になるかもしれません。78年間の人生の内、3分の2はコンゴの腐った政治と闘ってきたかと思うと、本当に脱帽したい想いです。彼に次ぐいいリーダーが登場するのでしょうか。また登場したとしても、国をいい方向に変えることができるのでしょうか。残念ですが、これはコンゴ人というより、大国の政治的意思によるかと思います。
 
(11日)今朝の時点で、首都キンシャサはゴーストタウンになり、選挙の結果に不満を持つ野党支持者による暴動で、4-6人亡くなったとのことです。野党支持者は「カビラはルワンダ人、我々はコンゴ人のリーダーが欲しいのだ!」と叫んでいます。今後のコンゴはdemoCRAZYが続くかと思うと、自分の無力感も含めて腹が立ちます。
 
日本のメデイアがコンゴの選挙についてほとんど報道しないので、また選挙情報をお送りします。
今日コンゴの大統領選挙の結果が発表されます。すでに国内外では混乱状態で、首都キンシャサからコンゴ共和国の首都ブラザビルに約3000人が渡ったり、フランス航空がキンシャサ入りの飛行機を今週キャンセルしたり、キンシャサ市内のホテルが空っぽになったり、ダイヤモンドの発掘先で有名なムブジマイでは夜間外出禁止令がでたり、南アのヨハネスブルグでもコンゴ人によるデモに対して警察が発射しています。

2006年の選挙中や選挙後も同様なことが起きていましたが、それは首都キンシャサでとどまっていました。今回は有力候補者で人気者のチセケディ氏(78)が出馬しているため(前回は不正が多すぎて出馬しなかったと言うが、今回も不正が報道されている)、彼が選挙に負けたら、全国で暴動が起きると言われています。経済学者のPaul Collierが貧困国における選挙はdemocracyではなく、demoCRAZYをもたらすと言っていましたが、本当にその通りです!

コンゴは、1960年の「独立」後(未だに独立していないという説も。。。これは他のアフリカ諸国にも共通することだが)51年間にわたって独裁政権が続き、第2次世界大戦後、最悪の紛争地になり(今でも東部は紛争は続いています)、スーダンに次いでアフリカで2番目に多い国内避難民数をだし、今年の人間開発の報告書でもコンゴが世界最下位にランクされ(1996-2003年の戦争中でさえ、最下位になることはなかった!)、まさしく悪循環が繰り返しています。一体どれすればいいのか、皆さん、知恵をください!
12月1日にウガンダの首都カンパラで、ルワンダ人ジャーナリストが殺害されました。彼はルワンダ現政権に批判的で、周辺の友人にも「自分の命は危ない」と言っていたそうです。

彼の葬式が3日にあったのですが、何とたったの20分で終わったとか。ルワンダ現政権に睨まれている人々が葬列し、治安のために長居できなかったんですね。こんなあわただしい、そして寂しい人生のお別れをしなくてはならず、死にきれない気持ちでしょうね。家族の方に、お悔やみ申し上げます。

2010年4月以降、ルワンダ政権に脅迫を受け国外亡命したジャーナリストは計6人です。その他に、女性ジャーナリスト2人が受刑中です。その他に、政治的な理由で亡命しているルワンダ人の数は多く、亡命先で恐怖の中で生活しています。正義と真実を追求するために、非暴力で闘っている彼らにいつも励まされているのですが、このようなスポットの当たらない人々にもっと注目し、彼らがルワンダに安心して帰国できるように、何が出来るのか考え、行動をしなくてはならないことを痛感しています。国連難民高等弁務官事務所の職員として(休職中)、そしてルワンダに持続的な平和と安定が来ることを願っているルワンダの友人として。
コンゴの大統領選挙が11月28日に始まってから、バタバタと忙しく、ブログを書く暇がなかったのですが、ここで選挙に関することをまとめて書きます。
 
6日に選挙結果が発表されるのですが、現在大混乱状態で、その後暴動が起こることが予想されます。既にコンゴから隣国のコンゴ共和国(ブラザビル)に「難民」が渡っているというニュースも。。。私はコンゴと周辺国で通算10年間、難民の保護と支援に関わり、コンゴ国内各地と周辺国全9か国に人の大移動を常に見てきたので、この選挙でまた難民が発生するのかと思うと頭痛がする思いです。
 
報道されている選挙関連の不正と人権侵害等のいくつかを紹介すると、
  •  ヒューマンライツウォッチによると、11月26日―28日の間に起きた暴動で少なくとも18人が殺害され(ほとんどのケースが、カビラ政権の守衛が野党の支持者に向けたもの)、100人が重傷を負った。 
  • コンゴ北東部において、ウガンダ反政府勢力のLRAが投票に行ったコンゴ人3人を殺害した。
  •  投票所によっては、28日の投票開始の時点で、既に投票箱が「(投票用紙で)詰まっていた」り、投票用紙等が不足したり、有権者リストに名前がなく投票ができず。 
  • 「ニセ」の投票所も数か所あった。
  • 大統領の各候補者11人の選挙キャンペーンの放送時間に偏りがあった。カビラ大統領の放送時間は全体の86%に比べて、他の候補者は7%、3%、1%等。
 
。。。と書き出すと、この「不正リスト」にきりがありません。。。あと不正ではありませんが、28日が投票日であるのにかもかかわらず、同日に投票用紙などの資料が飛行機で投票所に輸送されたり、予定していた投票日(28日)が結局3日間かかったり、また2006年の大統領選挙では女性4人の候補者がいたが、今回はゼロ。議員選挙においても、女性の候補者は12%のみで、2006年の選挙と比べて低下しました。
 
このような状況なのにもかかわらず、African Union(AU), Southern African Development Community (SADC), Economic Community of the Central African States (ECCAS), International Conference on the Great Lakes Region (ICGLR), Common Market for Eastern and Southern Africa (COMESA)の監視団は「コンゴ人の意志や高い投票率に感謝している」という共同声明をだしたんですね。Carter Centerの監視団も「平和的な投票」と褒めたたえました。呆れますね!European Unionの監視団の声明は、かなりの辛口で批判していました。すばらしい!
 
また時間を見つけて書きます。
宇都宮大学等などが主催する「国際キャリア開発プログラムの特論合宿セミナー」(2012年1月7-9日)の参加者を現在募集中で、締め切り日は12月6日です。 日本ポリグル(株)会長の小田兼利氏やフリージャーナリストの大津司郎氏など魅力的な講師が来られます(私も講師の一人です)。また、全国からの意識の高い若者(参加者)と出会ういい機会ですので、この機会をお見逃しなく応募してください。 応募は下記まで。 ■国際キャリア開発特論 http://www.kokusai.utsunomiya-u.ac.jp/career-program/
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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