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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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ウガンダ専門家である小川真吾さんが『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』という著書を出版しました。おめでとうございます!もっと早くこのブログで紹介したかったのですが、バタバタしていて、その時間がありませんでした。私の著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』も参考文献として活用してくださって、ありがとうございます。

http://www.terra-r.jp/contents/?blogid=12&catid=48&itemid=287

ウガンダと言えば、3月以降アメリカのNGO・Invisible Childrenが製作した”Kony 2012”の動画で有名になった武装勢力LRAのリーダーKonyの国です。、対Konyの掃討作戦という名目上、アメリカ政府はウガンダの石油や周辺国の天然資源を狙っているのではないかと疑われています。ウガンダの北にある南スーダンでも、やはり石油をめぐって現在、スーダンと武力紛争が続いています。小川さんの本は、これらの国々の戦争の背景を扱っているので、まさにタイムリーで、学びたい人はぜひ読んでくださいね!もちろん日本とも無関係ではないことです。
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著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』の初版から1年半以上経ち、今月二刷が発行されます。初版のものを校正し(間違った、あるいは誤解を招きやすい情報が多少入っていました。読者のみなさん、申し訳ございませんでした)、本の帯には国際人権NGO・ヒューマンライツウォッチ日本代表の土井香苗さんの推薦を頂きました。香苗さん、ありがとうございます!またこれを機に、さまざまな形で本の支援をしてくださった創成社や家族、友人や同僚にもお礼を申し上げます。

初版を読んだ学生や友人は、必ずと言っていいほど「ジャマイカ人の彼氏との出会いが面白かった」という感想から始めます。この本はタイトルから見てもわかるようにコンゴのことが書かれていて、ジャマイカ人の彼のことは数行しかないのですが、皆の関心事が恋愛に集中するのは世界共通ですね。。。実は初版では勇気がなくて彼とのやりとりの一部しか書けなかったのですが、二刷では少し新しい情報を付け加えました。とても恥ずかしいのですが、国際理解や人種差別との闘いに役立つかもしれませんので、もし関心があれば、ぜひ読んでみてください!

ここんところバタバタしていて、ブログに載せるのが遅くなりましたが、私の本が6月に出版されましたので、お知らせします。これは修論を更新したもので、題名は 

“A Critical Analysis of South Africa’s Peacemaking: How can another deadly conflict in the African Great Lakes region be prevented in the future?”

一応アマゾンでも紹介されました。
http://www.amazon.co.jp/Critical-Analysis-South-African-Peacemaking/dp/3844396489

1990年代から平和構築が注目されていますが、平和構築の前のステップで、かつ平和構築の基礎である平和創造(調停など)を強化することによって、平和構築の安定性が高まります。コンゴにおける南アの平和創造は失敗に終わりましたが、その教訓を生かして、将来紛争を妨げることができるように南アの平和創造を分析をしました。平和創造、平和構築、紛争予防・解決、アフリカ(特に南部アフリカ)の歴史・政治などに関心がある方に読んでいただけたら嬉しいです。
友人の木山啓子さん(特定NGOジェンの理事・事務局長)の著書「誰かのためなら人はがんばれる」の出版講演会に参加しました。2005年エイボン女性功績賞受賞、日経ウーマン誌ウーマン・オブ・ザ・イアー2006年大賞という栄誉な賞を受賞していますが、彼女いわく「何にも考えずに大学に入って、卒業し」「昔は、目標を立てて、それを目指して努力したことがない」「自己否定のかたまりに悩んでいた」ようで、その「フツ―」さに魅力を感じます。その一方で、彼女の士気は大変高く、彼女が以前「私の人生のミッションは、地球上にいるすべての等しい尊い人々が幸せになろうとする努力を支えること!」と言うのを聞いた時、心の底から「かっこいー」としびれました。私も同じ人道支援者として現地で働き、大勢の優秀な人たちに出会いましたが、彼女のようなはっきりとした信念を持った人はほとんどいなく、新鮮に見えたからです。

それにしても、「誰かのためなら人はがんばれる」は本当にその通りだと思います。私がコンゴのことに熱心なのも、やはりコンゴの現状をより多くの人に知ってもらい、少しでも状況を改善したいという気持ちがあるからで、単に「自分の経歴のために」という(軽々しい)理由であれば、出来ないし、長続きはしないでしょうね。

啓子さん、改めて出版おめでとうございます。学生に刺激を与えるためにも、ぜひ宇都宮大学に来てください! また、世界の人々の幸せのために、共にベストを尽くしましょうね!
現在2013年実施予定のTICAD V(アフリカ開発会議)の準備が始まっているようです。私は過去のTICADが実施された時、ずっと国外にいて特にフォローをしていなかったので(TICAD IVJICAで勤務をしていた時のみ、少々フォローしていたが)、その会議内容や事業に関しては特にコメントはできませんが、ここでhumble suggestion(謙虚な提言)をしたいと思います。それは故服部正也氏の遺稿「援助する国 される国:アフリカが成長するために」(中央公論新社、2001年)に書かれている教訓を読み、それを実行することです。
 
服部氏は元ルワンダ中央銀行総裁や元世界銀行副総裁で、本を読む限りアフリカの問題を真剣に考え、また飾り気がなく草の根的であり、個人的に親近感がわきました。
 
この遺稿には下記のようなことが書かれています(目次から一部抜粋)
国際公務員の資質が問題
国際機関の仕事の粗雑さ、不真面目さ、無責任
(アフリカ人を知るためには)アフリカ人の立場になって考えること、先進国から来た人の思い込み、アフリカ人への偏見
(アフリカ発展のための経済学)統計の落とし穴、あてにならない統計
(発展の鍵―「良い政治」)良い政治の基本は国民の信頼、
(日本の援助を考える)日本がよりより援助をするためには、アフリカ飢餓援助、自立心損なう過度の慈善、自立心育成が問題解決の道、日本の復興、発展の教訓をアフリカに
 
国際機関に勤めていた私にとって(現在も休職中ですが)、またアフリカに関わっている人にとって、大変耳の痛いことが書かれています!上記の国際機関の仕事の粗雑さやアフリカ人への偏見だけでなく、「援助に関係する人は、warm heart but cool head (心は暖かく、だが頭は冷静)でなければならないが、どうもwarm heart and hot headの人が多い」とも。自分もかつて(今も?)そうだったと反省。。。この本ともっと早く出会っていたらよかったのにと悔やんでいます。
 
また「こちらは援助しているから感謝されているはずだという思い込みも、アフリカ人との生産的対話を妨げるものである。。。。感謝は善意と金で買えるものではなく、先方が困っている時に適切に支援をし、成果を上げて初めて得られるものなのである」と。
これはまさに通りで、私もよく講演などで伝えています。例を挙げると、軍人が支配している地域に、難民などの市民に援助物資を配給しても、軍人が略奪するだけで逆に軍事化を促進することになります。物資を送った側は、大抵「いいことをした」と自己満足するのですが、受ける側は迷惑がれることもあるのです。また我々の日常生活で友情や愛を金では買えないことはわかっていることですが、それが援助の世界になると、通用すると勘違いしている人がいるようです。
 
最後に援助に関して、「度を超えた慈善は悪(必要の限度を超えて行えばかえって害がある)」であり、「戦後の日本での食糧援助は最小限にとどめられたし、その日本における運営も日本人の手によって行われたので、日本の実情に即することができた。さらに重要なことは、この食糧は無料で配給されなかったこと、そしてこれに合わせて、食糧の増産政策が価格機構を通じて行われた」と書いています。
 
よく日本の戦後復興の成功の理由に、「アメリカからの食糧援助のおかげもある、だから我々も他国に援助しないと」という結論に達するのですが、単に援助をすればいいという事実より、援助の内容や方法について伝えないといけないと思います。「タダほど怖いものはない」は、長期的な(人道)支援に応用するのではないでしょうか。
 
それにしても、こんな立派な方が10年以上前に早々と他界してしまい、本当に本当に残念です。私たち後輩にできることは、大先輩から教訓を学んで、それを実行することです!
その一環として、21619日に実施される国際キャリア合宿セミナーでは「援助と人権保障」について深く考えて、関係者に提言したいと思います。まだ参加者募集しています。http://www.kokusai.utsunomiya-u.ac.jp/career-program/activity/2010special.html#003
お知らせが遅くなりましたが、フランス人のジャーナリストPierre Peanの著書“Carnages. Les guerres secrètes des grandes puissances en Afrique”(直訳すると「殺戮:権力者によるアフリカでの機密の戦争」が年末に出版されました。
 
まだ本を読んでいませんが、著者が1994年にルワンダで起きた虐殺を「第1次虐殺」と呼び、1996-1997年にコンゴで起きた「虐殺」を「第2次虐殺」と呼んでいるところが興味深いです。ちなみに一般的に、後者を「第1次コンゴ戦争」と呼んでおり、そこで起きた行為を「虐殺に値する」と国連報告書などは書いています。私も著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』では、かぎかっこ付きで「虐殺」と書きました。まあ、そもそも虐殺、民族浄化や殺戮の定義がはっきりしていないので、区別しにくいのですが。
その第1次虐殺中に起きたアメリカ(そしてルワンダとウガンダ)とフランス間のコンフリクト、そしてこの地域におけるイスラエルの役割についても、著者は描いています。面白そーな本!しかしフランス語で600ページなので、相当心の準備をしないと!
 
それにしてもこの大大湖地域(Greater  Great Lakes regionの悲惨さが改めて確認させられます。ルワンダでの200万人の死、コンゴ東部での600万人のコンゴ人・ルワンダ人の死(これは1996年以降の数です)、多数のスーダン人の死、ウガンダ人の犠牲者、50万人のアンゴラ人の死、避難民、4人の大統領(ブルンジ人2人、コンゴ人1人、ルワンダ人1人)や数名の大臣の死、性的暴力の犠牲になった何万人の女性、恥知らずの略奪など。こんなひどい地域は世界を見てもそうないでしょう。だからこそ皆さんにこの地域について関心を持っていただき、解決法の知恵を共有していただきたいと思っています。
 
ルワンダやコンゴについて書きたいことはたくさんあるのですが、最近「暴露」報告書を次から次へと読んでいるせいか、目が疲れています。ということで、今日はちょっと一休みをし、来週出版される「アフリカから学ぶ」の本について知らせたいと思います。かわいい表紙だと思いませんか?

アフリカから学ぶ
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641049864

私も「人道支援と平和構築の知恵~難民・避難民の視点で考える」という章を書きました。人道支援と平和構築に関する本はたくさん出版されていますが、どちらかと言うと、国連、NGO、援助者の視点で書いたものが圧倒的なので(もし間違っていたらごめんなさいね)、支援される側の視点で書いたこの章は読む価値はあるかなと自分で勝手に思っています。

編集者は峯 陽一 (同志社大学教授),武内 進一 (JICA研究所上席研究員),笹岡 雄一 (JICA研究所上席研究員)というアフリカ研究において、超有名人ばかりです。しかし、本は学術的ではなく、若者にアフリカに関心を持つように読みやすく書かれています。ぜひ読んでくださいね。

ということで目を休ませるために、これから寝よっと。おやすみなさい。
遅くなりましたが、『アフリカ学入門~ポップカルチャーから政治経済まで』(明石書店)が7月5日に出版されましたので、お知らせします。「アフリカで働く~アフリカx国連職員」という章では、私のインタビューも載っています。



「高校生・大学生用にアフリカに関する教科書がないので、自分で作った」舩田クラーセンさヤかさん(編集)の行動力には脱帽します。彼女は学者として、またはアクテイビスト(activist)として活躍し、私はいつも刺激されています。

ところでこのアクテイリビストという言葉ですが、先日映画監督のマイケル・ムーアさんのDemocracy Now!のインタビューを聞いていて、「自分はアクテイビストだと言われているが、民主的な社会では、皆がアクテイビストであるべき」と答えていたのが印象的でした。確かに!

アクテイビストと言うと、特別な人が特別な行動を取っている人という印象を受けますが、エコ、食の安全保障、教育など日常生活に欠かせない活動をしている人たちも、それぞれアクテイビストなんですね。これらが「特別」でなく「当たり前」としてとられるようになれば、どんなに素敵でしょう。

話は本書に戻りますが、アフリカってどんな大陸?アフリカをもっと知りたいという人にぜひお勧めします。さやかさんはアフリカの全体図を入れたつもりなのしょうが、人権問題も入れたらもっとよかったのにと思っています。日本にはアフリカの人権を専門とする人が実はいないんですね(もちろん少年兵やジェンダー等の問題の研究家はいるが)。

ということで、私がそのアクテイビストとして、原稿を書くことにしました!といいつつ、「言うは易く、行うは難し」、データ(例えば、人権活動家やジャーナリストの暗殺者数など)かなかなか収集できないので、どのようなものが書けるかわかりませんが。。。。もしいい参考文献があれば、教えてくださいね。
 今月7日、優れた報道に贈る日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞に、毎日新聞東京本社外信部の白戸圭一記者の著書「ルポ 資源大陸アフリカ-暴力が結ぶ貧困と繁栄」(東洋経済新報社)が選ばれました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100707-00000054-mai-soci

同じ「アフリカ仲間」として、今回の受賞を大変嬉しく思っています。本書には、コンゴ東部の資源を巡る紛争に関してもよく書かれています。まだ読まれていない方は是非読んでください!また、白戸さんは書くだけでなく、話すのも大変上手なので、白戸さんの講演にも足を運んでくださいね。

ということで、これからもアフリカ関係の本が出版され、それがどんどん社会で認められることを願っています。(ところで現在、紀伊国屋の新宿店で「アフリカフェア」が開催されているそうです。来週ぜひ見に行かなくては!)
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HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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