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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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昨日からどんよりとした、イヤーな気分が続いています。話題となったワシントンポストの記事に、アメリカ軍がアフリカに展開すると書いてあったからです。これは決して新しいことではなく、2008年にブッシュ政権によりAfrican Command が設置されましたし、昨年10月にはアメリカ軍兵士100人が反政府勢力の掃討作戦のためにウガンダに派遣されました。これからもっと軍が増大するのかと思うと、頭痛が、、、
 
この記事と同時に、オバマ大統領が「サブサハラアフリカへの新しい戦略」というペーパーを公表しました。内容は、民主化の支援、安全保障、経済成長、ビジネス機会の増大で、特に新しくものではありません。結局、アメリカが考える戦略は、テロ戦争のために、アメリカ軍を中東からアフリカに移転させ、天然資源を確保することなのでは?実際に、ウガンダでも、反政府勢力を倒すことより、結局石油の確保が目的だとされています。軍の介入で犠牲になるのが、いつものごとく一般市民。国連が重視している(はずの)市民の保護とは、矛盾した行為です。日本政府の外交柱である「人間の安全保障」(human security)どころか、human insecurityが生じることになります。来年TICAD(東京アフリカ開発会議)を開催する日本の外務省は、「アフリカは紛争が減り、ビジネスの機会が増え、希望がある」とPRしていますが、これからアメリカ軍によるhuman insecurityが起きることを予期しているのでしょうか。アメリカと同盟国ならば、アメリカ軍の展開を止めるように日本政府はアメリカ政府と交渉することもできると思うのですが!それが真の「トモダチ」ですよね?
 
上記に関する記事は↓
 
Washington Post: “U.S. expands secret intelligence operations in Africa” June 14
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-expands-secret-intelligence-operations-in-africa/2012/06/13/gJQAHyvAbV_story.html
 
Jeuneafrique:  Barack Obama, "L'Afrique est plus importante que jamais"
http://www.jeuneafrique.com/Article/ARTJAWEB20120615110234/#.T9szkkMAYMk.twitter
 
“U.S. Fights Its 'War on Terror' in Africa” June 15
http://allafrica.com/view/group/main/main/id/00017422.html
 
“Africa: Continent and the War On Terror” June 15
http://allafrica.com/stories/201206150818.html
 
Kenya: Has Kenya's Golden Boy Still Got Game? June 14
http://allafrica.com/stories/201206141132.html
 
BBC: US President Barack Obama unveils US Africa strategy, June 14
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-18448612
 
U.S Strategy toward Sub-Saharan Africa
http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/docs/africa_strategy_2.pdf
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昨日(5月21日)のDemocracy now!は素晴らしかった!NATOサミットがあるシカゴで、イラクやアフガン等での退役軍人がデモに参加した後に、スピーチをし、戦争メダルをNATOサミットの会議場の方に投げ捨てました。

皆のスピーチの内容が興味深かったです。「このメダルは、正義、民主主義、希望の印として軍務の後にもらったが、実際はNATOリーダーの失敗を意味する」「我々の敵は、7000マイル離れたところにいない。我々の周辺にいる、政治家、CEO、銀行などである。」「アメリカ軍がアフガンなどで害を与えてしまって、本当に申し訳ない」「戦争はイラクの人々を解放するためと言われたが、結局解放されたのはoil field」皆それぞれ、戦争を始めた政府が許せないという気持ちで怒りに満ちていました。彼らは、現地の市民同様、戦争の恐ろしさや意味がないことを一番よく知っています。

一般のメデイアでは観ることができないので、ぜひ観てください。
http://www.democracynow.org/ (9:04~)
やはりというべきか、Kony 2012のviral videoを作成して一躍有名になったInvisible ChildrenというNGOは、ウガンダ政府とアメリカ政府と連携していたんですね。下記のウィーキーリークスをお読みください。

http://blackstarnews.com/news/135/ARTICLE/8090/2012-04-08.html


このKony 2012をめぐって様々な批評があり、その中でも下記の批評"Accountability, not awareness"は的確な指摘をしていると思います。

http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2012/04/201247943869166.html
 
このKony 2012が公表されてから、さまざまな疑問がありました。

LRAの問題は過去26年間続いているのに、なぜ現在(2012年)問題視するのか。なぜLRAという武装勢力だけがターゲットされているのか(アフリカで問題になっている武装勢力(政府軍も含む)はLRAだけではない)?またなぜこのKony 2012がこれだけ有名になったのか?

LRAは以前ウガンダ北部とスーダン南部にいましたが、2006年からコンゴ、そして中央アフリカ共和国に展開しています。スーダン、コンゴと中央アフリカ共和国の共通点は?そう、天然資源が豊富なことです。加えて、数年前にウガンダとコンゴの国境にあるアルバート湖等で石油が発見されたこともあり、アメリカ政府にとってほっとけない地域であります。1カ国だけでなく、クロスボーダーで活動している武装勢力は他にありますが、上記のような戦略的な地域で活動しているのは私が知る限りLRAだけなので、LRAを口実に使っているのでしょう。

対LRAの掃討作戦のために(名目上、しかし目的は石油)、オバマ大統領は昨年10月米軍100人をウガンダに派遣し、彼のライバルから批判を受けました。選挙キャンペーンを行っている今、市民の支援が必要としているため、対LRA軍事作戦を促進しているInvisible Childrenを戦略的に活用した可能性があります。

そもそも人道的な目的があるはずのNGOがKonyだけを悪者扱いし、アメリカ軍が介入しないと、ウガンダの子供を救うことができない、また軍事介入が平和に貢献するという間違ったメッセージをアメリカ人の若者に出しているところが怪しい。過去の教訓を見ても、軍事介入によって子供を含む文民は必ず殺されています。人道支援者として、本当に怒りを感じます。このようなプロパガンダに振りまわされることのないよう、皆さん気をつけて下さい。
最近どこのニュースも、「世界を変えた日」等のフレーズを使いながら、9・11の10周年に関する特集を組んでいます。確かに国際関係や外交などの観点から、世界を変えたことは事実でしょうが、まるでアメリカが中心に世界が動き(まあ実際にそうなのだが)、アメリカ(人)だけが犠牲者であったような印象を与え、9・11への注目度をあまり歓迎できません。第2次世界大戦後、最大の犠牲者数を生んだのはコンゴ紛争で(540万人以上)、現在でも続いているにもかかわらず、その事態の重大さはほとんど報道されていませんし、他にも(意図的に)忘れられた戦争や虐殺はこの世界にいくつかあります。
 
最近縁があって、アジアの政情にも注目しているのですが、ビルマや北朝鮮といった、コンゴより国際社会の注目度が低い国があることを再確認しています。コンゴは人権侵害国で独裁政権が続いているとはいえ(32年間のモブツ政権より、現在のカビラ政権の方が悪質という話も)、PKOや人権団体を受けているだけでも、コンゴはまだましなのかも?(もちろん、現地住民への性的暴力が絶えないという問題、またPKOの存在で治安が本当に改善しているのかという疑問がありますが。。。)ビルマや北朝鮮では、そのような団体が活動すること自体、考えられないことです。
 
ということで、9・11を機会に、世界の他の犠牲者についても考え、どうすれば紛争やテロを非暴力でなくすことができるのかを真剣に考えてみましょう。
829日でハリケーン「カトリーナ」災害から5年が過ぎ、30日のDemocracy Now!でその特集がありました。最新のドキュメンタリー作品「Big Uneasy」(大きな不安)のハリー・シェアラー監督は、ニューオリンズ州の崩壊は自然災害ではなく、人災(unnatural disaster)であったと語っています。怠けていた都市計画がきちんとされていたら、大惨事は防ぐことか可能であったのではないかと議論されているからです。

私は
2005年の8月南スーダンのマラカルというテレビのない町に6か月長期出張していたので、カトリーナのニュースは聞いていたものの、ブッシュ大統領の対応が大変遅かった以外、詳細については知りませんでした。しかし今日地元活動家の話を聞いて、「これってもしかしてアフリカの出来事?」という錯覚に堕ち、ショックを受けました。

援助物資が数日間被災地に届かない(世界一発展して、いろんな手段があるはずの国でこんなことはありえない!)、食糧が届いても倉庫に置きっぱなしですぐに配布されず、お腹すいた住民が食糧の略奪を始めたら、「犯罪が起きた!治安のために軍を送れ!」と騒ぐメデイア。現地に派遣された軍が住民を「おとなしくするため」銃で殴ったり、撃ったり。結局「アメリカのアフリカ」であるニューオリンズ州[何とコンゴからの奴隷が多いとのこと]は、エリートのワシントンからいつも見捨てられていたのですね。

昨日のブログで「勝者がいつも歴史を語る。。。少なくとも最初は。。」はについて書きましたが、戦争の歴史だけでなく、このような
unnatural disaster(戦争や虐殺のような人災man-made disasterでなく、自然災害だが政治的意思があれば避けられたという意味での人災)についても同じことが言えますね。もっともっと被災者や敗者の人に耳を傾けなくて、社会改革をしなくては!その問題意識を持つために、このDN!を観ることをお勧します。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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