忍者ブログ
コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10]  [11
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今日3月8日は「国際女性の日」で、今年100周年を迎えます。アフリカに滞在していた時、それにまつわる行事があるため大きなニュースになるのですが、日本ではほとんど報道されません。なぜなのでしょう。単に男尊女卑の社会だからでしょうか。知っている人がいれば教えてください!
 
西アフリカにあるブルキナファソの前サンカラ大統領(198387)は毎年この日には、妻の代わりに夫が買い物をするように一般市民に訴えたそうです。食料の買い物も家計を握っているのはほとんど女性の役割なので、男性は市場に行くことによって食料の価格が分かってよかったとか。これは1年に1回の行事ですが、これ以外にも女性解放のために啓蒙活動、一夫多妻の禁止、避妊の促進、また女性に大臣のポストを提供しました。これは当時でも現在でもアフリカだけでなく、全世界の国々でも大変珍しいことです。
 
こんなに女性思いで、アフリカの一般市民から尊敬され、かつ「有言実行」な大統領だったのですが、残念ながら彼が残した優れた政策はあまり知られていません。なぜかと言うと、宗主国のフランスにとってサンカラ大統領は他のアフリカ大統領と違って「生意気」でかわいくなく、彼の政策がかえって悪影響を与えると思ったからでしょう。特に彼の思想で有名なのが外国の援助ですが、彼は大変否定的で、援助は被援助国のためというより、その国の構造を破壊し、人々を分断させ、人々に奴隷として生きることを続けさせるなど、逆効果だと考えていました。フランスがブルキナファソなど他の国々に援助をしているのは、ビジネス=利益になるからで、サンカラ大統領の存在はその邪魔になるため彼はフランスによって間接的に暗殺されたのです。
 
あーサンカラ大統領が今でも生きていたら、女性の社会的地位はもっと上がっていたかもしれない!そう思うと、本当に悔しい気持ちになります。私たちができることは、彼の政策をなるべく日常生活に応用すること。まず男性は女性を尊重し、大切にし、同等のパートナーとして扱うことから始めましょう。
PR
昨日[34]は嬉しい日でした。JICAのアフリカ仏語圏平和構築の研修の一環として、研修生(ブルンジ、コンゴ民主共和国、コートジボワール、ジブチ出身)と女たちの戦争と平和の資料館に行き、実のある議論ができたからです。この資料館は唯一慰安婦問題に特化し、その問題の記憶の拠点です。また世界で起きている性的暴力の不処罰の連鎖を断ち切る活動に関する情報もあります。
 
http://www.wam-peace.org/jp/index.php
 
日本政府が認識していない慰安婦問題を、同じ政府の役人である研修生と共有したことは、ある意味で「タブー」を破ったかもしれません。しかし、平和構築とは単にインフラの建築・整備や工業化することだけでなく、戦争加害者の処罰など司法的な問題を真剣に取り組むことによって初めて実現できることを研修生に理解してもらいたかったのです。人々の葛藤と直面しなければならないため、後者の方が前者よりかなり難解で複雑です。これは私が世界最悪の紛争地であるコンゴ東部に勤務した時に学んだ教訓であり、啓蒙の際に特に強調している点です。
 
研修生の反応は以下のとおり。
「慰安婦("comfort women")という言葉を聞いたのは初めてで、ショックを受けた」(女性の研修生)(注:英訳のcomfort womenは誤解を与えてしまうために、『性的奴隷(sexual slave)』と英訳されている)
「アフリカだけでなく、日本にも不処罰の問題があることが分かり、グローバルな問題として取り組まないといけない」
「真実を伝える被害者の勇気と強い意志を尊敬する」
(負の遺産も含む)真実を知る必要がある。それを次世代に伝えないと」
「日本政府の協力なしに、市民団体がこのような資料館を建てたことは立派」(現在のリビアのように、アフリカの多くの国々では、政府批判、あるいは政府の方針と異なった活動をすると抑制されるので、それが自由にできる日本はまだ人権が保障されていることを意味する)
 
また日本における女性観についても、話が盛り上がりました。女性の地位が一般的に低いのは日本もアフリカ諸国も同様ですが、日本において女性の国家議員や経営者の比率はアフリカの特定の国々より低い場合もあります。「アフリカは遅れている。我々が知識を教え、支援しないと」と偉そうに言う前に、我々も多くのことをアフリカ諸国から学ばなくてはね!
 
JICA研修生の見学は今回が初めてだったのですが、この資料館行きはそもそも私が提言して実現できました。資料館の訪問の効果について、あるアフリカ諸国の人に事前に相談すると「アフリカ諸国にとって、日本はあこがれの国、モデル国である。そんな資料館に行ったら、『日本でさえ不処罰に取り組まず、ここまで経済発展ができた。だから我々も放棄していいや』とますます不処罰問題に消極的になるだろう」と資料館行きについて強く勧めませんでした。その意見も理解できたのですが、議論の進め方によっては処罰の重要性を再確認できるという自信はありました。
 
実際に、ある研修生は以下のようなことを言ってくれました。
 
「経済発展など日本のいいところばかり見せられると、日本は何か隠しているのではないかと逆に疑ってしまう。今回日本の問題をオープンに見せてくれたおかげで、自国が抱えている問題を振り返るきっかけとなり、一緒に協力しながら取り組まないといけないことがわかった」
 
自分の短所や負の遺産を直接批判されると、改革派でない限り、傷ついて受けいれたがらないのですが、他人や他国の不正行為を見ることによって自分を正すと自分のプライドを傷つけられることはありません。ただコンゴのように汚職が日常化している国では、「ヨーロッパもやっているのだから、自分たちがやって何が悪い」と汚職を正当化してしまうところもあるのですが。。。
 
それはともかく、資料館で学んだことをどう母国で生かせるかが次の課題となります。そのために研修生だけでなく、私もフォローアップに力を入れなければ!
最近ブログをさぼってしまいました。大学の仕事、JICAの平和構築研修の仕事に加えて、私の著書『世界最悪の紛争「コンゴ」~平和以外に何でもある国』の増刷が決まり、その編集に追われています。この本のタイトルは大変いいと褒められるのですが、かなりマニアックな本で売れるかどうか定かでなかったので、何とも嬉しいニュースです。コンゴ紛争に関心を持って下さった皆様、ありがとうございました!
 
ところで、ブルンジ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチ出身のJICAの研修生との会話の中で、日本の安全保障について考えさせられます。リビア情勢について話していると、「あんな混乱状態を避けた日本は、戦争放棄といういい選択を取った。我々も見習わないと」と憲法9条を高く評価してくれました。今まで国の安全保証のために軍事力が必要だと信じていた研修生から、そのような声を聞くと研修のやりがいを感じます。しかし憲法9条の内容は誇りに持っていても、結局アメリカ軍(基地)を通して日本は間接的に戦争に関与していることになるので、その意味で憲法9条は矛盾しているのですよね。。。いつものことながら、理想と現実の間のギャップを感じます!
 
それにしても日本は本当に米軍基地が必要なのか、我々は真剣に考えないといけません。「(武力で)やられたら(武力で)やり返す」の繰り返しでは、悪循環が続くだけなので、一層のこと米軍基地をなくせばいいと個人的に思っています。皆様はどうお考えでしょうか。
 
また国際社会によるカダフィ氏に対する反応について、研修生とは呆れています。クリントン米国務長官が「カダフィ氏は今、遅滞なく去らねばならない」、またICCはカダフィ大佐側による人道犯罪に当たる可能性があるとしていますが、カダフィ氏以上に人道犯罪、あるいは虐殺行為に近い罪を犯してきたアメリカがそのように主張しても、正直説得力がありません。本当に傲慢な態度ですね!誠実に「有言実行」をしないと、信頼が得られないことを理解しているのでしょうか。国際社会では弱い立場にいるアフリカ諸国の人々とな国際情勢を話していると、本当に勉強になります。
今週から3週間アドバイサーとして、JICAのアフリカ仏語圏平和構築の研修に張り付いています。研修生の国籍はブルンジ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ジブチで7人参加しています。「歴史、行政、国民」の3つのコンセプトで日本の戦後復興の教訓をもとに、母国の平和構築に生かすというのが本研修の目的です。
 
今日午後、弁護士で、伊藤塾の塾長である伊藤真氏を講師として招聘し、「平和憲法と戦後民主主義」というテーマで、法則と規則の違い、法による統治、憲法の基本原理、憲法と法律の違い、平和主義、憲法9条が抱える問題などを話していただきました。
 
伊藤氏は20代の時、「憲法は弱者のためのもの」という憲法の意味が、わからなかったとのことです。なぜかというと、それは自分が強者で多数派にいたからで、弁護士として弱い立場の人と直接触れて、その意味が初めて理解できました。弱い立場の人のことを他人事のように考えるのではなく、彼らと会って、共感することが重要であると強調されていました。
確かに私も学生時代にジャマイカ人の彼と付き合って人種差別された話を聞いていなかったら、また難民の保護活動に関わっていなかったら、憲法の重要さが理解できなかったかもしれません。やはり経験って大事なんですね。
 
伊藤氏の講義を聞くまで、研修生は「日本は中国、アメリカ、ロシア、北朝鮮という軍事大国に囲まれ、いつ攻撃されてもおかしくない。ではなぜ軍隊を持たないのか。アメリカに頼るだけでいいのか。憲法9条を改正しなくていいのか」と9条にかなり疑問を持っていました。しかし伊藤氏の下記のコメントに、研修生の考えは変わったようです。
 
「日本が戦争放棄した理由の一つに、戦争で問題は解決しないことを知り、経済の力をつけて信頼関係を構築して、攻撃されない国を作ることに決めたから。現在多くの日本人が『何かが起きればアメリカが我々を守ってくれるだろう』と考えているが、『どうすれば戦争をなくすことができるだろうか』を考える必要があり。抑止力は武力だけではなく、外交、経済力、文化もある。軍事力を減らすことが重要だ。
中国は軍事力を増しているため、日本にとって脅威だという人が多い。それを言うのなら、アメリカの軍事力の方がもっと強く、日本にとってアメリカが脅威であるべき。第2次大戦後、アメリカは20ヵ国侵略してきたが、日本はアメリカのことを脅威と思っていない。多くの日本人はアメリカと良好な信頼関係を保っていると思っているが、それは幸せな誤解である。国民がどう感じるかが大事で、日本と中国間は市民レベルで良好な関係を保つことが重要である。日本が中国に対して軍事力を持つと、緊張感が生まれるだけ」 
 
現在「1か国、2人の大統領」がいる混乱状態のコートジボワールの参加者は、伊藤氏の講義に感銘を受けたらしく、憲法の定義(国家権力を制限して、国民の権利・自由(人権)を守るもの)に「なかなかいい定義だ」と褒めました。そして「日本を称賛したい。戦争を放棄するなんて、何て賢明な選択であったことか。我々の国は過去10年間戦争し続けている」と言ったのです。きっと戦争を馬鹿馬鹿しく思ったのでしょう。
 
これに対して伊藤氏は「このような憲法を持ち続けたのは、ある意味で奇跡である。こんな国がこの世の中に存在することしていることを知る必要がある。日本は西洋諸国のように軍事大国になった方がいいという議論があるが、この憲法9条を捨てるなんて、もったいない。日本は本当に外圧に弱い」同意です!やられたらリベンジするでは、悪循環が繰り返し、被害者が発生するだけです。これに関しては、いやというほどコンゴで直面しました。非暴力で、国民に優しいこの憲法を、我々はもっと誇りに持たないといけません!
 
別の研修生は「日米安保条約があるとはいえ、日本に米軍基地があることで、かえってテロが起きやすくなるのでは?テロの脅威を強化するのでは?」と質問しました。
確かにその通りです!9/11以降、アメリカ軍は日本の市民に対して武器を向けるようになったとか。こっちが構えると、相手はますます防衛のために武力を増し、それがリスクを招く要因となります。
 
この講義で研修生はかなり軍事力に関して考えさせられたようで、ぜひ平和憲法の思想を母国に持ち帰って、生かしてほしいですね。もちろん我々日本人も、日本国憲法を【再】検証し、日本は将来何をすべきかを積極的に議論する必要があります。
リビアの最高指導者・カダフィ大佐による市民への「虐殺」を、国連安保理などが強く非難していることに関して、2点驚いています。

1点目は、リビアの残虐行為は始まったばかりで、その行為の分析が十分にされないまま、報道者や市民があまりにも簡単に「虐殺」という重い言葉を使用していることです。1994年に起きたルワンダの虐殺の際、国連やアメリカ政府は「虐殺」を正式に使うのに数週間かかりましたし、2004年スーダンのダルフール地方で大量殺害が始まった時にも、アメリカ政府は当初「虐殺だ」と主張しましたが、他の政府や国連機関の長などは「民族浄化(ethnic cleansing)」と呼んでいました。当時私はUNHCR職員でダルフールに出張に行ったのですが、genocideが禁句だという雰意気があったので、”G word”と同僚と話していました。それほど大変デリケートな言葉なのです。リビアではこれだけ軽々しく虐殺が使用されるのは、相手が「国際社会の敵」であるカダフィ大佐だからでしょうか。

虐殺は民族浄化と違って、国際社会は必ず介入する義務があるため、この言葉の使用は大変慎重です。とはいっても、虐殺、民族浄化や大量殺害は簡単に区別できなく、虐殺だから介入する、それ以外はその必要がないという議論は筋が通っていないと思っています。

2点目は、なぜカダフィ大佐だけが非難のターゲットにされるのか、そしてなぜ彼と同様、あるいは彼以上に残酷な行為を自国内外で犯した人たちは非難されないのかということです。非難されるべき人は、ルワンダのカガメ大統領、コンゴのカビラ大統領、ウガンダのムセベニ大統領、エチオピアのメレス首相、またブッシュ、クリントン元大統領やブレイア首相など名前を挙げると、きりがありません。これを考え始めると、いつも呆れ、憤慨してしまいます。

このような「ダブル・スタンダード(二重基準)」は、上記だけでなく、戦争犯罪人を処罰するかしないか、援助が必要とする国に援助するかしないかの議論の際にも起きることです。外部介入のためのガイドラインがつくられている(or 既につくられた?)のですが、結局政治的意思によって、介入の仕方が変わるのですよね。。。このダブル・スタンダードの問題はどのように解決すべきか。あるいは、自然現象(human nature)としてあきらめるべきか。いい知恵がある人はぜひ教えてください!
現在リビアでは最高指導者のカダフィ大佐を倒そうと、民主化運動が続いています。ヒューマンライツウォッチによると、既に約300人が政権によって殺害されているとか。チューニジア、エジプトの民主化運動と違って、武力で市民を抑圧するなど暴力的であり、死傷者がどんどん増えるのではないかと心配です。

カダフィ大佐は42年間政権を握ってきた、アフリカ、いや世界を代表する独裁者として有名で、まさかこのように民衆が立ち上がるとは誰も想像しなかったでしょう。世界から悪名を受けていますが、国連総会での彼の演説に関して賞賛するものがあります。

カダフィ大佐は2009年9月の総会で初めて演説したのですが、1カ国15分の規定時間を大幅に超過し、1時間36分にわたって持論を繰り広げました。「安全保障理事会は『テロ理事会』と呼ぶべきだ」と国連憲章を投げ捨てたところが何回もニュースに流れていたのですが、その時実は彼は大変いい内容の演説をしたのです。

「ケネディ大統領、ルムンバ初代首相(コンゴ)、ハマショールド国連事務総長、キング牧師などの暗殺のファイルを、国連総会は開かなければならない。 」

よく言ってくれた!本当にその通りです!歴史の真相を知った上で和解ができ、それによって真の平和構築が実現できると信じる私にとっては、この演説は嬉しいものでした。こんな重要な演説ですが、彼が国際社会の「敵」であるために、当然のことながらユーチューブでしか動画が公開されていません。 
 
リビアでは現在反政府運動のニュースを国内に放映していなく、報道が規制されているとのことですが、上記のカダフィ大佐の演説から見てもわかるように、日本や他の国でもある意味でニュースは「検閲」されているのです!なので我々から積極的に、中立的な情報を探さなくてはなりません。
216日から19日までの34日間、全国の約70名の学生が参加した「国際キャリア合宿セミナー」が栃木県で開催されました(宇都宮大学などが主催)。20109月に行われた前回の合宿セミナーと比べると、学生のプレゼン力、質問力、議論力、人のまとめ力が急速に高まり、この半年ぶりの成長に感動しました。また招聘された10人の講師は、ジェンダー、平和学、環境、エイズのキャンペーン、開発援助、安全管理などの専門家で、若者育成に熱心な方ばかりであったことも、セミナーが成功したカギでありました。

「最近の若者は内向きで。。。」という悲観的な見方が一般的にありますが、この合宿の参加者は皆輝いて、将来の夢について真剣に話し合っていました。家族、教員や周辺の人からのあたたかい励ましなどによって、学生自身は自信がつき、前向きになるなど随分変わるものです。
 
私も講師として「援助と人権保障」という分科会をもち、以下のようなことを話しました。
 
1.      援助は実際に役に立つこともあるが、その反面、援助は権力国のビジネス、貧困の増加、依存の促進、軍事化の促進など悪用されることもある
2.      国益とは
3.      なぜ人権が重要なのか
4.      人道支援 vs 人権の保障
5.      アフリカ諸国は本当に民主化を果たしたのか
6.      開発 vs 民主化
7.      人権外交はなぜ難しく、なぜ嫌がれるのか
 
援助関係者にとっても難しい課題なのに、学部生にはさらに複雑で難解であったと思います。しかも上記に付け加えて、「日本政府は東京アフリカ開発会議(TICAD)で、独裁者であるアフリカ諸国の大統領を招聘している(我々の税金の無駄!)」「日本や国際社会の援助が、インドネシアのスハルト政権やルワンダのカガメ現政権による、「ダブル虐殺」に貢献した」(前者はインドネシア国内と東ティモールの併合中、後者は1994年ルワンダでの虐殺と1996年コンゴに侵入した際に)「日本がインドネシアの人権侵害を知りつつ、援助し続けたのは石油が目当てであったから」といったショッキングな事実も話したので、分科会の間に学生の表情が徐々に暗くなったことも。

それにもかかわらず、学生は「戦争犯罪人にアムネステイをあげて、戦争は終わらせるケースがあるが、それでいいのだろうか」などと積極的に議論しあい、
7時間の分科会の最後まで辛抱強く付き合ってくれました。本当に感謝、感謝です!
 
私がこの重いテーマを選んだのは、「援助する人ってかっこいい」「援助はいいことをしている」という純粋なイメージを学生に持って欲しくなかったからです。学生が社会に出る前に理想と現実のギャップを少しでも知ってもらい、早くからこのような問題に敏感になることによって、援助の在り方を真剣に考えてほしかった。
 
このテーマは自分の現場経験に基づいた問題意識からきており、この機会に学生と共有できて本当に嬉しかったです。私自身まだまだ学ばなくてはならない点があるのですが、これをきっかけに学生や周囲の人が援助と人権の関連性をもっと身近に感じ、学び続け、改善に結びつくことを願っています。
以下、バージル・ホーキンさんが送ってきた「ガボンでもデモが続く」を転送します。


「アフリカも世界の一部」第**30**号*

チュニジア 、エジプト の革命が他の北アフリカ・中東の国々に飛び火しているが、サハラ以南のアフリカでも、動きがある。特にガボン では今年1月から反政府デモが広がっている。

2009年、独裁者として42 年間もガボンの大統領を務めたオマール・ボンゴ氏が死亡し、その後の選挙でボンゴ氏の長男が当選し、ボンゴ家による支配が続いた。しかし、選挙当時から、野党は選挙結果に異議を唱えてきた。野党のオバム党首は自身こそが 2009 年の選挙で当選したと主張してきたが、チュニジア、エジプトでのデモを機に、自身が経営するテレビ局を通じて、大統領着任宣言を行い、内閣も発表した。これに対し、政府はオバム氏の政党の解散を決定し、そのテレビ局を放送中止とした。 オバム氏はガボンの国連の事務所に避難し、政府に対するデモを呼びかけた。以降、首都リーブルビルを中心に学生、野党の支援者などによるデモが繰り返されてきた。政府はデモの抑圧に踏み切り、多くの人が逮捕されている。

ガボンの経済は石油に頼っており(生産量ではアフリカで10位)、輸出による収入の8割も占めている。しかし、埋蔵量が少なくなり、1997 年のピークから生産量が減り続けている。石油による利益の多くは政府関係者が享受しており、一般国民は深刻な貧困問題を抱えている。 これまで米国政府はボンゴ家を支援してきた。クリントン国務長官はアリー・ボンゴ現大統領を「大事なパートナーだ」と述べた。しかし、米国上院の調査の結果が示すように、前、現大統領共に政権を通じて莫大な富を蓄えてきたことを米国は把握している。

さらに、ウィキリークスを通じて公表された米国の外交公電 によると、ボンゴ前大統領は中部アフリカ諸国銀行(BEAC )から大金を横領し、その一部はサルコジ大統領を含むフランスの政治家への政治献金に使われたという疑いもある。 サハラ以南のアフリカでは、北アフリカの革命の飛び火を懸念しているのはガボンだけではない。

今週、ウガンダ で選挙が行われる予定だが、1986年以降、大統領の座についている親米のムセベニ大統領はデモを警戒していることが報じられている。赤道ギニア の独裁政権もデモの発生を懸念し、メディアによるチュニジア・エジプトに関する報道を禁じた。

しかし、サハラ以南のアフリカでは北アフリカで見られている革命まで発展しない可能性が高いと専門家は語る。北アフリカよりも貧困が深刻で、抑圧的な政権も多いが、野党は弱くて、分裂しているケースが多い。また、大規模のデモが発生しても、国によっては治安部隊が武力で対抗する可能性が高く、それに対する国際社会からの沈黙が予想される。

日本のメディアは北アフリカの革命によるサハラ以南のアフリカへの影響を取り上げていない。朝日新聞は2009 年の選挙以来、ガボンの情勢を取り上げる記事をひとつも掲載していない。この問題も報道してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。*このリンク *から直接投稿してください。* (もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。
 
「北アフリカの革命はサハラ以南のアフリカにも影響を与えています。ボンゴ家の支配が44 年間も続いているガボンではデモが広がっており、野党の党首が国連の事務所に避難しています。この事情を報道してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に: ガボンの現状に関する記事 ガボンと米国に関する記事 サハラ以南のアフリカでのデモに関する分析 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページ をアクセス。 メールの配信を希望する方はこのアドレス にメールを。 過去の記事はこのページ からアクセス 「ステルス紛争」とは?このページ をアクセス。 

このメールは転送可です。「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!
明日[16]19日まで、栃木県の益子で県内を中心に全国から76人の学生が集まって、国際キャリア合宿セミナーを行う予定です。私は「援助と人権保障」というテーマで分科会を担当し、その準備のために、最近ブログもコンゴ・ウォッチもさぼってしまいました。。。現場での支援活動を通じて、この課題に問題意識は長年あったものの、ちゃんと勉強をしていなかったために、この機に様々な文献を読みまくっていました。
 
タイミングよく、現在北アフリカ・中東の民主化運動が起きているので、私の分科会でも取り上げる予定です。これをきっかけに、学生が(さらに)人権、民主主義、独裁、腐敗、援助の「のろい」の問題に関心を持ってくれれば、いいのですが!この合宿の参加者の多くは士気が高いので、いい議論ができ、また質のある提案が出ると期待しています。また魅力的な講師も何人か来られるので、新しい出会いができることを楽しみにしています。

分科会の結果に関しては、来週報告します!
エジプトのムバラク大統領がとうとう辞任し、211日は世界の人々にとって忘れられない日になりました!といっても、People’s Powerの偉大さを証明した一般市民にとって「勝者の日」であり、一方で自分の身に心配する独裁者にとっては「恐怖で敗者の日」であるという差はあるのですが。
 
世界のリーダーは、民主主義の歴史的瞬間であるとコメントしたリ、エジプト人の勇気を褒めたたえていましたが、日本政府をはじめ彼らは今までムバラク大統領を支援してきました。言い換えれば、世界のリーダーが「人権外交」をしなかったせいで、独裁政権が30年間も続いていたわけです。もちろんそれだけがエジプトの不安定要因ではないのですが、アメリカの軍事協力などの手厚い支援が腐敗の促進をし、国民を苦しめたことは否定できません。それが今回のデモでは、自分の無力さを実感した世界のリーダーたちはそれまでの負の過去がなかったかのように、また自分たちの誤りを認めたくないかのように、国民の勝利にフォーカスを当てています。本当に調子がよすぎる!
 
時間はかかりましたが、ムバラク大統領の辞任の決意を評価すべきでしょう。現在すっかりニュースから消えましたが、現在コートジボワールでは「1ヵ国に2人の大統領」(並行的政府(parallel administration)がいると異常な状態が昨年11月末から続いています。大統領選挙で負けたバグボ(前大統領)が投票の結果を認めず、自分で勝手に就任式を開いたりと大統領の地位から降りないのです。バグボ氏にも、ムバラク大統領の行為を見習ってほしいですね!
 
もともと昨年12月チューニジアで失業中の青年の自殺がきっかけで、チューニジアで民主化の動きが始まり、それがエジプトに飛び火し、ムバラク独裁政権が倒れました。エイズなどの感染症がグローバル化するのはもちろん困りますが、このような民主化の動きは世界に広がってほしいものです。次はエチオピア、ルワンダ、コンゴなどに移るのか?エジプトの市民だけでなく、このチューニジアの青年にノーベル平和賞を渡したい気分です。今までのノーベル賞は著名な方が受賞しましたが、世界に希望とパワーを与えた「無名な」市民にも渡すべきだと思いませんか?
エジプトがますます熱くなっています。反政府の市民がタハリール広場にテントを張って(難民・被災民の現場で勤務していたこともあり、難民・被災民キャンプのように見えてしまった。ただ私が知っている難民キャンプでは電気がなかったので、電気が光っているタハリール広場の光景は新鮮でした。。。)夜も熱気に包まれながらデモが続いています。このブログを書きながらムバラク大統領が辞任するのではないかというニュースが入っているのですが、本当にそうなれば、People’ Powerを信じている私にとって、こんなに嬉しいことはありません。
 
30年間溜まっていた市民のムバラク大統領への怒りが一気に爆発したのですが、市民がこれだけの団結力と士気の高さで闘うことができるのは、単にフェースブックなどのITツールだけでなく、市民の教育水準の高さのおかげとも言えるでしょう。ムバラク大統領は独裁者であったのにもかかわらず、他のアフリカ諸国の独裁者のように、市民の教育へのアクセスを妨げることはなかったと思います。チュニジアでも数週間国外追放されたベンアリが政権をとってから、教育水準が高くなりました。つまり大統領が市民の教育に力をいれたことで、大統領がその犠牲者になってしまったのです。
 
コンゴでは自分を守るために、大統領は市民になるべく教育の機会を与えないなど、全く反対の戦略を取っています。義務教育は無料と言いながらも、1か月1ドルの教育費が払えない避難民に勤務中(20078年)よく出会いました。モブツ元大統領時代には軍隊がいきなり大学に行き、大学を強制的に閉鎖させこともありました。その閉鎖期間は1年以上に及ぶこともあり、いくらやる気のある学生でも、希望を失うのもわかりますね。
 
エジプトの教訓を受けて、アフリカ諸国の独裁者はエジプトと同様なことが自国に起きらないように、ますます教育市民を弱体化するのではと恐れています。それを避けるためにも、アフリカ一般市民のエンパワーメントのために何ができることを、我々は考え実行しなくてはなりません。

カガメ大統領の元参謀長で、2004年にアメリカに亡命したルダシングワ氏が、ルワンダ現政権についてラジオでインタビューされています。

http://www.wbez.org/episode-segments/2011-02-07/exiled-chief-staff-rwandan-president-paul-kagame-takes-insider%E2%80%99s-look-re

現政権がこれまで国内外で殺害にかかわってきたのに、嘘をつき真相を隠してきて居心地が悪かったことなど、ルダシングワ氏はフランクに話しています。特に1996年ごろ、ルワンダがコンゴに侵攻した時に、カガメ副大統領(当時)は「コンゴに入っていない」と国際社会に言い張り、当時アメリカで大使を務めていたルダシングワ氏も真相を知りつつ、上司と同じことを言うしかなかったとのことです。

彼は、カガメ大統領の元側近の亡命者の4人組の一人で、昨年の9月に「ルワンダ・ブリーフィング」というレポートを公表しています。それには、①カガメ大統領が殺人者、②政治的空間の欠乏、そして③カガメ大統領の汚職への関与について書いています。

http://www.musabyimana.be/uploads/media/Rwanda_Briefing_August2010.pdf

インタビューの最後に、「このままだとルワンダはまた内戦に入るかも」と言っていますが、まさに私が心配していることと同じです。自分に政治的権力があればカガメ大統領、あるいはオバマ大統領と話をするのですが、、、誰かいいpeacemakerいませんか?
先週4日に、ルワンダ人女性のジャーナリスト2人にそれぞれ7年、17年の刑務所行きの判決が下りました。

http://en.rsf.org/rwanda-prosecutor-requests-33-and-12-06-01-2011,39232.html
 
彼女らは昨年の大統領選挙の前に、現政権にとって不都合のことを報道し、6カ月拘束されました。その後に、「国家の自由や安全を崩壊させた」ことで、有罪と宣告されたのですが、国内でも「やりすぎだ!」という非難の声があるそうです。

ルワンダやコンゴをはじめ戦争を経験した国々は、戦争犯罪人を処罰しないため、日常生活にまで「不処罰文化」が浸透され、国際社会から批判を浴びています。しかし、上記のジャーナリストのように反政府、あるいは政府の批判者の場合、反対にかなり「過激な処罰」を受けます。このダブル・スタンダードの「不・処罰」はショッキングなぐらい極端であり、我々は外圧を活用して、その両方を止めるように訴えるべきです。でないと、いずれはチュニジアやエジプトのようなデモ、あるいは1994年の虐殺のようなことが起きてもおかしくないでしょう。この2週間、世界のニュースがエジプトに集中していますが、同様に表現の自由がない国々にも注目すべきです。
一般的に怒ることは心身によくないとされています。勝間和代氏は「三毒追放」の「妬(ねた)まない・怒らない・愚痴らない」を訴えていますし、また、スリランカ初期仏教長老のスマナサ―ラ氏は「怒らないこと」という本を出版しています。
 
確かに小さいことに怒る必要はないのですが、南アの反アパルトヘイト運動といい、アメリカの公民権運動といい、怒りが高い問題意識、そして最終的に社会改革をもたらしました。私がコンゴやルワンダの人権侵害や紛争に関する啓蒙活動などに熱心なのも、人間の貪欲への怒りが大きな原動力となっているからです。単なる「かわいそう」という同情心だけでは、エネルギーはでてこないでしょう。ですから、時には怒ることは重要だと思います。
 
今のエジプトのデモを見ていて、なんて素敵なんだろう!と感動しています。インターネットのアクセスが切られていても、人々は自由と民主主義のために必死に闘っている。義務でなく、本当に自由に飢えているため。女性も子供も、家族連れで全員が叫んでいる。私がエジプト人であれば、自分たちのことを誇りに思っているでしょう。その一方、市民だけでなく外国人ジャーナリストも殴られるなど、暴力と犠牲者と混乱状態がエスカレートし、これからどうなるのか心配です。非暴力的な解決法が早く見つかってほしい!
 
エジプトについてコンゴ人の友人と話していると、「コンゴにもこんな日がいつか来てくれたら」と。本当にそう!近い将来その日が来ることを願っています!
いま仕事で人権外交について勉強しているのですが、英語の本は多少あるものの(human rights diplomacy)日本語の本がないことを発見しました!日本政府が特に積極的ではないので、当たり前と言えば当たり前なのですが。。。。何とも情けない。。。
 
毎日のようにエジプトのデモに関するニュースを耳にしますが、もっと早くから人権外交が行われていれば、デモによる犠牲者(現在死者が300人ほど)が出なかったのにと悔やんでいます。それ以外にも、観光ツアーが中止になったり、重要な文化財が破壊されたりと、デモは経済・文化・歴史面などにも大きなダメージを与えています。チュニジア、イエメン、エジプトのデモをきっかけに、我々は人権・民主主義の重要さについて改めて考えるべきだと思います。北アフリカ・中東の動きにこれからも注目をしましょう!
米国を公式訪問していた中国の胡錦濤国家主席が19日、オバマ大統領との会談中に中国側に人権尊重を促し、また記者会談でも中国での人権問題について質問があり、世界が注目をしました。
 
中国というと、いつも人権問題が話題になりますが、アメリカでも同様にひどく、それに関してはほとんど沈黙状態です。先週公表されたヒューマン・ライツ・ウォッチの世界報告書を読むと、アメリカには世界最大の投獄者がおり、その投獄者の割合も世界で一番高いとのこと。また農園での児童労働者の労働状況がひどく、性的暴力や殺虫剤中毒で子供たちは犠牲になっているとか。これはいわゆる途上国やアフリカ諸国でなく、アメリカで起きている話です!もちろん、「対テロ戦争を口実にした収容所での人権侵害」であるグアンタナモ米軍基地の問題も残っています。
 
中国へのバッシングの理由に、相手国が人権侵害国であっても中国は国益のために協力(援助ではない)をしていることが挙げられます(例えばスーダンへの協力も、石油が目当て)。でもこれって他の権力国もやっていることなのでは?もちろん皆がやっているからいいと言っているのではなく、自分(自国)の過ちを反省したり、ふりかえることなく、よく一方的に他国の非難だけをするな―といつも権力国の傲慢さに呆れます。
 
中国がアフリカ進出の理由を「ビジネスのため、国益のため、」とはっきりと正々堂々(?)と述べているのを聞いて、本音と建前がなく、ある意味で「透明性」を感じます。他のドナー国は援助の目的を「人権尊重や民主主義のため」と美しい言葉を並べるものの、裏では国益のことしか考えていない国が多数派です。残念ながら、現場で働いていた時、そのようなことをよく目に入り、何度失望したことか。。。。
ということで、我々は中国を違った視点で見る必要がありますね。
昨年のおおみそかの英紙Guardianに、「人権帝国主義をやめろ」というタイトルで、「人権は世界「普遍」と言いながら、西洋の概念を押しつけている」という内容の社説が注目されました。「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)はカガメ大統領を暴虐的だと呼ぶが、彼ほど素晴らしいリーダーはいない」と、ジャーナリストのStephen Kinzer称賛していたのです。
 
それから1カ月もしないうちに、同じジャーナリストが「カガメ大統領は投獄するのではなく、批評に耳を傾けよ」という社説(127日)を書いたのにはびっくりしました。http://www.guardian.co.uk/commentisfree/cifamerica/2011/jan/27/rwanda-freedom-of-speech
 
カガメ大統領の元側近4人が亡命先の国外にて、「テロリスト」グループをつくっている等で、一方的にこの4人に2024年の判決が下されたために、上記のメッセージが送られたのです。それにしてもKinzerが「カガメ大統領の独裁主義はルワンダの将来にリスクを与える」まで書くとは!彼は2008年に、A Thousand Hills: Rwanda’s Rebirth and the Man Who Dreamed it”という本を書き、大変カガメ大統領寄りとして知られていた人なのです
 
Kinzerの変わりようは何から来たのでしょうか。チュー二ジアやエジプトのデモからか。それとも、HRWの代表から批判の記事があったからか。
理由はわかりませんが、彼の考えがより庶民的に、そして世界普遍の人権や民主主義を尊重していることは喜ばしいことです。他の権力者もこのように柔軟であれば!HRWだけでなく、我々市民も啓蒙を続けなければなりません!
チュニジア、イェーメンに続いて、これらの国以上に、エジプトの緊迫したデモを世界が注視しています。それまで、重要な同盟国のエジプトを支持し、いいパートナーとしてムバラク大統領と仲良くしてアメリカが、デモが起きたとたんに、態度を変えています。今日のInternational Herald Tribuneでも、「ムバラク大統領は30年間も政権をとり、その間貧富の差が拡大し、民衆は疲れ果てている。エジプトは変革が必要」と訴えています。

ドナー国にとって都合がいい受益国が人権侵害を犯しても、ドナー国は何の関心を示さないだけでなく、チヤホヤするのですが、エジプトのように問題が起きると、人権や民主主義問題だ!と批判しはじめます。元モブツ大統領もそうでした。「人権外交」がコインの裏表に使われており、本当に調子がよすぎる!普段から人権外交を、正しく使っていただきたいものです。 

それにしても、デモやクーデターをきっかけに、国際社会がやっと失業、貧困、自由のなさなどに苦しんでいる民衆のフラストレーションが理解できるなんて、これらの問題があまりにも軽視されているか、あるいは「臭いものには蓋」がされている証拠ではないでしょうか。もっともっと弱い立場の人たちのことを考え、彼らの問題を解決すべきですね。このようなデモが、ルワンダ、コンゴ、エチオピア等にも近い将来飛び火するのか、気になります。
コンゴのジョセフ(J)・カビラ大統領が現職に就任してから、昨日26日で10年が経ちました。彼の「父」と言われるローラン(L)・カビラ大統領が10年前の116日に暗殺され、それまで無名であった「息子」のJ・カビラ氏がいきなり世界一番若い大統領[29歳]になったわけです。就任後、南アのムベキ大統領がカビラ大統領との面会のためにコンゴに飛んで行ったり、その翌日、ヨーロッパとアメリカへの外遊と外交に力を入れたりと、誰もがとびっくりしました。何しろ、L・カビラ大統領は外交や和平協定の実現に大変消極的というか、そもそも国連にも不信感があったのですが、「息子」は国連PKO軍の受け入れや和平協定に協力的と、「父」と全く反対の行動に出たからです。
 
当時、「J・カビラ大統領は若いのにやるね~!」と私と周りの人は言っていたのですが、その後、彼が単なる西欧諸国の「操り人形」、あるいは従順な「Yes man」であるということがわかりました。そもそも彼が大統領の地位に置かれたのも、当時のアメリカ大使の支援があったとか、L・カビラ大統領の暗殺を計画したのはアメリカ政府であるのではないかという噂が飛び交いました。
 
案の定、カビラ大統領の就任してからの10年は、特にいいことはなく、地域によっては状況は悪化しています。和平協定が何回も調印しながらも紛争の再燃、天然資源の不法搾取、性的暴力。。。と様々な問題が解決されていません。コンゴ人も「(独裁者で悪評だった)モブツ大統領よりカビラ大統領の方がひどい!前者は少なくともビジョンがあったが、カビラ大統領はそれもない」とがっかりしています。
 
上記の例から見てもわかるように、また今までのブログでしつこく書いているように、表面的な情報だけで国や地域の状況を決めつけることは大変危険なことです。裏で何が、そしてなぜ起きているのかという全体図を把握した上で、現状分析をする必要がありますね。
ヒューマンライツウォッチ(HRW)から24日に、2010年の報告書が公表されました。

http://www.hrw.org/en/news/2011/01/24/world-report-governments-soft-talking-abusers

アフリカ諸国に絞ると、EUなどの拠出国はコンゴやジンバブウェ、赤道ギニアなどの人権侵害国に甘いとのことです。特に名前が挙がっているのが、ルワンダのカガメ大統領とエチオピアのメレス首相で、西欧諸国はこの二人へのアプローチが、個人的な「対話」や「協力」など大変ソフトだと指摘しています。もちろん日本もそれらの拠出国の一つで、我々の貴重な税金がこのような人権侵害者に悪用されていることになります。我々は上記のような報告書を分析し、このようなところで「事業仕分け」をしなくてはなりませんね
<< 前のページ 次のページ >>
カレンダー
10 2017/11 12
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[10/08 バーバリー 激安]
[10/08 バーバリー]
[06/12 Nomura]
[05/13 backlink service]
[02/14 Duedymmettamn]
最新記事
(07/03)
(07/02)
(06/30)
(06/23)
(06/16)
(06/10)
(06/03)
(05/22)
(05/22)
(05/18)
(05/11)
(04/28)
(04/27)
(04/14)
(04/10)
(04/07)
(04/06)
(04/04)
(03/27)
(03/24)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
バーコード
ブログ内検索
P R
忍者ブログ [PR]