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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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1994年の今日4月6日に、ルワンダでは大統領専用機の撃墜事件があり、その数時間後に虐殺が始まった歴史的な日です。あれから18年が経ちましたが、ルワンダ虐殺がコンゴに与えた負の遺産(コンゴ戦争)はいまだに残っており、現在、民族対立を伴う緊張感が高まっています。
 
2002-3年のコンゴ北東部における児童兵の徴集若しくは編入又は敵対行為のための使用という戦争犯罪で、3月14日、ルバンガ被告人は国際刑事裁判所(ICC)によって有罪の判決が言い渡されました。2002年のICC発足以来,ICCが下した最初の判決でしたので、世界は「待ってました!」とばかりの大騒ぎ。ところが、その一方で、2002年ルバンガと共に活動してきたボスコ・ンタガンダ氏は2006年、ICCから逮捕状が出ているのにもかかわらず、この6年間コンゴ政府から守られながら優雅な生活を送ってきました。現在、そのンタガンダ氏をICCに引き渡せという国際的な圧力がコンゴ政府にかかっています。
 
そんな中、コンゴ東部の少数民族であるツチ・コミュニティー(上記のンタガンダ氏もツチ)が国連事務総長に下記の内容の手紙を送りました。
 
  • ツチはコンゴにおいて、差別されてきた少数民族であること
  • ンタガンダ氏はCNDP(ルワンダ政府が支援しているコンゴの元武装勢力。現在は表面上コンゴ政府軍に統合された)のメンバー全員にコンゴ政府軍に統合するように動員し、またコンゴの和平に貢献したこと
  • 2002年コンゴ北東部で起きたことは、(紛争ではなく)ツチに対する(現地ではヘマと言われる)「虐殺」であったこと。
  • このような対ツチへの悪行為は現在も続き、様々なアクターがンタガンダ氏をコンゴの軍人というよりツチとして注視していること;そして、
  • ンタガンダ氏が逮捕されると、コンゴ東部や大湖地域の状況が悪化すること
 
この手紙を読んで、落ち込んでしまいました。私は大湖地域の「平和構築」を現場でまた遠くから過去数年フォローしてきて、単なる「パッチワーク」であることをわかっていましたが、また紛争が再燃する可能性がでてきたようです。この(紛争や虐殺の)「犠牲者意識」(victimhood)問題はツチだけでなく、日本人も同様にあります。原爆の被害については話すのに、日本人が隣国でした加害者行為は忘れている、無視している、あるいはそもそもその加害者の意識がない。そしてその犠牲者意識が政治的なツールとして使われているから、紛争が続くんですね。もちろんイスラエル・パレスチナ問題もそう。本当にやりきれない気持ちで一杯です。そんな現状を研究者、実務家、政策立案者や学生はもっと知った上で、非暴力的なかつ持続的な問題解決策についてもっと激論すべきです。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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