コンゴとアフリカを考える
http://congonokongo.blog.shinobi.jp/
コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
ja
2012-07-03T09:29:57+09:00
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http://congonokongo.blog.shinobi.jp/%E5%A4%A7%E6%B9%96%E5%9C%B0%E5%9F%9F/%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8%EF%BC%9A%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B4%E6%9D%B1%E9%83%A8%E3%81%AB%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%8F%E8%A8%AD%E7%AB%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E6%AD%A6%E8%A3%85%E5%8B%A2%E5%8A%9Bm23%E3%82%92%E3%80%81%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%80%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%8C%E6%94%AF%E6%8F%B4
国連報告書:コンゴ東部に新しく設立された武装勢力M23を、ルワンダ政府が支援
6月30日twitterでも紹介しましたが、コンゴとルワンダ関係者の間で現在問題になっている国連報告書のannexです。
http://www.fdu-rwanda.com/wp-content/uploads/2012/06/Read-the-UN-Official-Report-Annex...
http://www.fdu-rwanda.com/wp-content/uploads/2012/06/Read-the-UN-Official-Report-Annex-here......pdf
その内容を簡潔に書くと、
コンゴ東部に新しく設立された武装勢力M23に、ルワンダ政府が武器や新兵を提供していること
ルワンダ政府は、ルワンダ人の若者(子供兵も含む)、武装した元兵士、そしてコンゴ難民を、ルワンダ国内でM23用にリクルートしていること
M23は直接的、そして間接的に、FDLR(ルワンダ反政府勢力:1994年の虐殺の首謀者を中心に築かれた)と同盟関係にあること
コンゴからルワンダに帰還した元FDLRを、M23は動員と後援していること
これを読んで、?と疑問に思った人もいることでしょう。ルワンダ政府から支援を受けているM23が、ルワンダ政府の敵であるFDLRと同盟関係?と。実は、ルワンダ政府とFDLRがそのような関係にあることは、以前から噂で流れています。私の著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』にも書いていますように、コンゴ紛争は「舞台劇」であり、コンゴ人いわく「喜劇」なのです。原発問題等に関してでもそうですが、メデイア・リタラシーが必要となります。
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大湖地域
2012-07-03T09:29:57+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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http://congonokongo.blog.shinobi.jp/%E6%8F%B4%E5%8A%A9/%E3%80%8C%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8D%94%E5%8A%9B%E3%80%8D%E3%81%AF%E7%B5%90%E5%B1%80%E3%80%8C%E4%BB%96%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E3%80%8D%EF%BC%9F%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%84%E3%80%8C%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AF%E9%9D%A2%E7%99%BD%E3%81%84%E3%80%8D%E3%82%92%E8%81%9E%E3%81%84%E3%81%A6%E3%80%81%E8%87%AA%E5%88%86%E3%82%82%E5%8F%8D%E7%9C%81
「国際協力」は結局「他人事」?ビル・ケーツ「マラリア対策は面白い」を聞いて、自分も反省
今朝(7月2日)のBS「おはよう世界」で、ビル・ゲーツのインタビューがあり、「あなたは自分で成功していると思っているか」と聞かれ、「そう思っている。(中略)マラリア対策のように面白い(interesting)プロジェクトにも取り組んでいるし」と答え、唖然としてしまいました。
世界で何百万人の人...
世界で何百万人の人がマラリアによって苦しみ、亡くなっているのに、それを「面白い」と表現するでしょうか?私もマラリアに5回かかったことがあり、最初の2回は1週間ほど寝込んでしまいましたが、それを現地の人たちは繰り返し経験しているのです。我々の風邪と同じ感覚です。彼らは生と死と闘っているのですから、せめてビルケーツには、「重要な」(critical, crucial)と言ってほしかったですね。
これを聞いて再確認しましたが、国際協力(援助や人道支援)って言葉はいいのですが、やはり「他人事」なんですね。特に外国でそれを行う場合。私もアフリカやアジアの現場で15年間働き、若いころは「現場で働くことは面白い、楽しい」という思いがあったので、自分自身への反省も含めて、そのように書いています。
現場はいろんな人間(難民、市民団体、地方行政、人道支援機関、ドナー国等)と触れ合い、また次から次へといろんなハプニングが起きます。場所によっては、テント生活をし、夜空を楽しみながらシャワーを浴び、ジャングルの中を歩き回って難民を助けに行くこともあります。非日常化した生活でさまざまなことを学び、経験したという意味では「面白かった」のですが、今振り返ると、難民に対してなんと失礼なことだったのでしょう。難民の解決法を探るのに必死であった一方、私はある一種の「冒険」を楽しんでいたわけですから。
もちろん、何事も面白くないと、ベストを尽くすことはできないので、「面白い」「楽しい」や「冒険」には問題はないという人もいるかもしれません。しかし外国人(他人)にとってそれでよくても、当事者にとっては生死の問題であるんですね。そもそもこの開発や貧困という問題は過去50年以上国際社会で問題視され、かなりの資金等が費やされているにもかかわらず、地域によっては状況が後退しています。これにはいろんな要因がありますが、その一つに、「他人事」(=無関心、真剣に解決していない)という問題が挙げられます。自分の問題として受け止めて、行動する必要性がありますね。
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援助
2012-07-02T09:26:59+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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アジア女性資料センターの情報誌に、ルワンダの女性の参画について寄稿。なぜ女性の野党党首が投獄されているか?虐殺とコンゴ戦争、そして政治的空間の不在と関係あり
アジア女性資料センターの最新号の情報誌『女たちの21世紀』に、「ルワンダは女性の参画のサクセスストーリーか?」を寄稿しました。
http://ajwrc.org/jp/modules/myalbum/photo.php?lid=156&cid=4
ルワンダの女性議員のクオーター制...
http://ajwrc.org/jp/modules/myalbum/photo.php?lid=156&cid=4
ルワンダの女性議員のクオーター制が2010年に56.3%と世界第一位になりましたが、現在ある女性の野党党首がルワンダ政権から脅迫を受け、この1年半投獄されています。その理由は、ルワンダのジェノサイドとコンゴ戦争の不都合な真実や政治的空間の存在と関係しており、それについて本稿は解説しています。
上記の女性の野党党首について書かれた日本語の記事や原稿はおそらくないと思いますので、貴重な原稿だと思います。著作権がないため、本ブログに載せることはできないのですが、関心がありましたら、ぜひ読んでください。ルワンダの違った一面が見えることは間違いなしです。
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ルワンダ
2012-06-30T21:43:10+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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ルワンダにとってまた恥ずかしいニュースが:ルワンダ政府がコンゴの新反乱軍を支援(国連報告書)と、1994年の旧大統領機の墜落の真相について
今週は忙しくしていました。宇都宮大学の研究室の片づけ(5月で退職したため。でも書類が多すぎるために来週も続けなくては!)、20日の世界難民の日のイベント(ビルマ難民の日本における定住がテーマだったが、アフリカ諸国から来た難民・亡命者が「なぜいつもビルマなの?アフリカのことも取り上げて!」と怒っていた...
それはそうと、今週はルワンダがかなり国際ニュースで取り上げられましたね。特に2と3に関しては、ルワンダにとって大変恥ずかしいるニュースです(1990年代から、このようなembarrassingな報道は何度もあったのだが)。全部フォローしてはいないのですが、簡単にまとめてみましょう。
1.ローカルなjusticeというか、裁判所であるガチャチャが18日(月)に終了しました。しかし、公平に加害者を裁くことができたのか?という大きな疑問が残っています。関心がある人は武内進一さん、そしてヒューマンライツウォッチの論文とレポートをご参照ください。
http://jica-ri.jica.go.jp/publication/assets/JICA-RI_WP_No.32_2011.pdf
http://www.hrw.org/news/2011/05/31/rwanda-mixed-legacy-community-based-genocide-courts
2.数週間前から騒がれているニュース、「ルワンダ政府がコンゴの新反乱軍を支援していると書かれた国連報告書案」についてですが、アメリカ政府がその報告書の公表を防いでいることをコンゴの国連大使が話しました。4月以降、この新反乱軍やICCの戦争犯罪人のンタガンダを巡って、コンゴとルワンダ間では新たな緊張関係が生まれています。ルワンダ政府は国連PKO(MONUSCO)@コンゴに対して、「MONUSCOはもしかしてFDLR(1994年の虐殺の首謀者が中心に築かれたルワンダ反政府勢力)を支援しているのでは?」といつものごとくバッシングをしています。
http://uk.reuters.com/article/2012/06/20/uk-congo-democratic-rwanda-idUKBRE85J1IM20120620
3.2010年に南アに亡命中のカユンバ(カガメ大統領の元側近)が暗殺未遂にあった事件で、カユンバが裁判所で、カガメは1994年の虐殺の引き金となった旧大統領の飛行機墜落を計画し実施したことを話しました。またカユンバは自分が暗殺されることをある電話の会話で知ったとも言っています。これは決して新しい情報ではなく、他の元側近も同じことを証言しているのですが、日本のメデイアは全然報道しませんね。反応が遅すぎる!
http://www.timeslive.co.za/news/2012/06/22/kagame-wants-me-dead
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ルワンダ
2012-06-23T21:39:07+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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アメリカ軍がアフリカに展開、また「アメリカによるサブサハラアフリカの戦略」を公表:その狙いは?
昨日からどんよりとした、イヤーな気分が続いています。話題となったワシントンポストの記事に、アメリカ軍がアフリカに展開すると書いてあったからです。これは決して新しいことではなく、2008年にブッシュ政権によりAfrican Command が設置されましたし、昨年10月にはアメリカ軍兵士100人が反政...
この記事と同時に、オバマ大統領が「サブサハラアフリカへの新しい戦略」というペーパーを公表しました。内容は、民主化の支援、安全保障、経済成長、ビジネス機会の増大で、特に新しくものではありません。結局、アメリカが考える戦略は、テロ戦争のために、アメリカ軍を中東からアフリカに移転させ、天然資源を確保することなのでは?実際に、ウガンダでも、反政府勢力を倒すことより、結局石油の確保が目的だとされています。軍の介入で犠牲になるのが、いつものごとく一般市民。国連が重視している(はずの)市民の保護とは、矛盾した行為です。日本政府の外交柱である「人間の安全保障」(human security)どころか、human insecurityが生じることになります。来年TICAD(東京アフリカ開発会議)を開催する日本の外務省は、「アフリカは紛争が減り、ビジネスの機会が増え、希望がある」とPRしていますが、これからアメリカ軍によるhuman insecurityが起きることを予期しているのでしょうか。アメリカと同盟国ならば、アメリカ軍の展開を止めるように日本政府はアメリカ政府と交渉することもできると思うのですが!それが真の「トモダチ」ですよね?
上記に関する記事は↓
Washington Post: “U.S. expands secret intelligence operations in Africa” June 14
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-expands-secret-intelligence-operations-in-africa/2012/06/13/gJQAHyvAbV_story.html
Jeuneafrique: Barack Obama, "L'Afrique est plus importante que jamais"
http://www.jeuneafrique.com/Article/ARTJAWEB20120615110234/#.T9szkkMAYMk.twitter
“U.S. Fights Its 'War on Terror' in Africa” June 15
http://allafrica.com/view/group/main/main/id/00017422.html
“Africa: Continent and the War On Terror” June 15
http://allafrica.com/stories/201206150818.html
Kenya: Has Kenya's Golden Boy Still Got Game? June 14
http://allafrica.com/stories/201206141132.html
BBC: US President Barack Obama unveils US Africa strategy, June 14
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-18448612
U.S Strategy toward Sub-Saharan Africa
http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/docs/africa_strategy_2.pdf
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アメリカ
2012-06-16T10:39:15+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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コンゴ政府の情報大臣が、コンゴ東部の不安定な政情に関わっているルワンダ政府を批判。国連PKO、国際人権団体に次ぐ。コンゴ東部の紛争の行方は?
今朝ニュースを聞いてびっくりしました。コンゴ政府の情報大臣が昨日(6月9日)、コンゴ東部の不安定である問題としてルワンダ政府を批判したのです!これまでコンゴ政府は4月以降東部で起きている反乱・人道危機に関して特に声明を出さず、どちらかというと黙認してきたので、このような発言は大変珍しいこと(1990...
5月下旬以降、ルワンダ政府は批判されっぱなしです。コンゴ東部で5月上旬にM23という新しい武装勢力が築かれ、その勢力が反乱を起こしたために、50万人の難民や避難民が発生し、数百人の民間人が殺害されていますが、その武装勢力がルワンダ政府によって支援されたことを在コンゴの国連PKOがBBCを通して発言。具体的に、ルワンダ政府軍は軍に入るという口実で新兵を訓練したのですが、国境を越えてコンゴにいるM23に派遣したとのことです。6月4日には、国際人権団体のヒューマンライツウォッチ(HRW)が同様の内容のプレスリリースを発信し、M23のためにルワンダ人の子供も徴兵され、また武器もルワンダ政府が提供していることを確認しました。ルワンダ政府はいつものごとく、「我々はコンゴの問題に無関係」「国連PKOは予算の割には役に立っていない、無責任なことを言うな」「HRWは自分たちの資金集めのために、ルワンダを使っている」と反発。1996年以降、ルワンダ政府はコンゴ東部に何度か侵入・侵略し、資源の搾取や「ジェノサイド罪」行為(国連報告書)に関わり国際社会から批判されてきたのですが、その度に「1994年の虐殺の際に国連は我々を見捨てた。その国連からとやかく言われる筋合いはない」と常に反抗的な態度をとってきました。
コンゴの国会でも、激論がありました。4月から5月にかけて、ルワンダとコンゴ政府間でコンゴ東部の政情に関する会議が4回ほどあったのですが、その会議の詳細がコンゴの国会で公開されませんでした。ある国会議員がそれについて深く追求したところ、閉鎖された会合でしか話せないという返事が返ってきて、その議員は国会から退席しました。従順なコンゴ人にとって、このような行動は稀なこと。とにかく何もかも機密です。
まさしくコンゴ東部の地上だけでなく、国際社会においてもコンフリクトが起きています。今後のコンゴがどうなるか、大変心配です。。。
追伸:それにしても、日本のメデイアはなぜコンゴ東部やICCの報道をしないのか。先日のNHKの「おはよう世界」で、マドンナとレデイーガガの比較が取り上げられていましたが、そんなことより、人間の生命にかかわることが重視されるはずなのでは?このようなメデイアだから、日本人は平和ボケになってしまい、危機感がないのですね(それが東日本大震災への対応に悪影響している)。。。エンタメを取り上げるなとは言いませんが、ニュースの優先順位を再検討すべきです。同じ日本人として、また伝える・啓蒙する人間として大変恥ずかしい限りです。
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大湖地域
2012-06-10T09:44:13+09:00
米川正子
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米川正子
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コンゴ人の人道活動家の死から2年:ImpunityについてTEDカンファレンスで話します(6月3日)
どこの国でも歴史に残るのは、戦争、政権交代や著名な政治家の死が中心ですが、キング牧師のような人権や市民活動家の死にもっともっと注意すべきではないかと思います。彼らは武装せず、特に保護されることなく、リスクの中で弱い立場の人たちのために闘ったからです。
 
2年前の今日6月2日、フロリベ...
2年前の今日6月2日、フロリベー・チェベヤ(Floribert Chebeya)という著名なコンゴ人の人権活動家が殺害されました。人権活動家、ジャーナリストや野党がどんどんコンゴ国外に亡命する中、彼はコンゴに居残り、政治的にセンシテイブな情報を収集したために殺されてしまったのです。大変勇敢で正義に満ちた彼の死は、人権に携わっていないコンゴ人や外国人にとっても、ショッキングな事件でした。
明日6月3日、早稲田大学のTEDカンファレンスで、”Does aid REALLY help refugees?” というタイトルでスピーチをするのですが、チェベヤ氏などといった犠牲者を減らすためにもImpunityについて触れます。考えてみると、特に意識しているわけではないのですが、私の講演の内容は必ずImpunityになってしまうのですよね。。。世界最悪の紛争地・コンゴ東部にいた時、毎日この問題に直面していたので、その深刻さを知っていること、そして日本でimpunityの問題が深く議論されていないから(戦後日本のことはされているが、現在のアフリカについてはほとんどなし)、特に若者に知らせる必要があると痛感しているためです。人道支援や紛争地の現実の理解に、少しでも役に立てれば嬉しいです。
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コンゴ
2012-06-03T00:33:13+09:00
米川正子
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米川正子
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退役軍人が戦争のメダルを、NATOサミット会議場に向かって投げ捨てた。「戦争は意味がない」(Democracy Now!)
昨日(5月21日)のDemocracy now!は素晴らしかった!NATOサミットがあるシカゴで、イラクやアフガン等での退役軍人がデモに参加した後に、スピーチをし、戦争メダルをNATOサミットの会議場の方に投げ捨てました。
皆のスピーチの内容が興味深かったです。「このメダルは、正義、民主主義、...
皆のスピーチの内容が興味深かったです。「このメダルは、正義、民主主義、希望の印として軍務の後にもらったが、実際はNATOリーダーの失敗を意味する」「我々の敵は、7000マイル離れたところにいない。我々の周辺にいる、政治家、CEO、銀行などである。」「アメリカ軍がアフガンなどで害を与えてしまって、本当に申し訳ない」「戦争はイラクの人々を解放するためと言われたが、結局解放されたのはoil field」皆それぞれ、戦争を始めた政府が許せないという気持ちで怒りに満ちていました。彼らは、現地の市民同様、戦争の恐ろしさや意味がないことを一番よく知っています。
一般のメデイアでは観ることができないので、ぜひ観てください。
http://www.democracynow.org/ (9:04~)
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アメリカ
2012-05-22T15:04:15+09:00
米川正子
NINJA BLOG
米川正子
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コンゴ東部にてUNHCR職員が銃弾で亡くなる:市民や人道支援者の犠牲者をださないためにも、人道支援を現地にharmさせない方法について真剣に考えよう
今朝、ショッキングなニュースが届きました。私が4年前までいたコンゴ東部(州都ゴマの北70キロに位置するルチュル)において、UNHCR職員が19日に銃弾で亡くなったとのことです。
 
2009年3月にコンゴ政府軍に統合した(元)反政府勢力CNDPのメンバーがM23という暴動者・抵抗者(m...
2009年3月にコンゴ政府軍に統合した(元)反政府勢力CNDPのメンバーがM23という暴動者・抵抗者(mutineer)をつくり、このルチュル周辺でM23とコンゴ政府軍の間で戦闘が数週間にわたって起きています。この戦闘は、2006年にICCから逮捕状をもらいながらコンゴ政府から守られ、優雅な生活を送ってきた、ボスコ・ンタガンダ氏とも関連しています。彼はコンゴ政府軍と反政府勢力CNDPの将軍なのですが、国際社会からコンゴ政府に対してICCへの引き渡しの声が上がり、ンタガンダ氏は現在逃亡中(?あるいはコンゴ政府に保護されている?)、そこへこのM23が5月上旬に生まれました。戦闘によって何万人の難民と避難民が発生しました。どのような理由でUNHCR職員が殺害されたのかわかりませんが、この戦闘や避難民への保護と関係しているのかもしれません。
コンゴ東部で勤務してから(正確にその前からだが)、私は人道支援の在り方に強く疑問を持つようになりました。2000年―2010年に起きた世界の紛争の90%が紛争の再燃であるというデータがあるように(世銀、2011年)、我々がよいと思って行っている人道支援は難民のためになっていないことがよくあり、紛争と難民の発生が長年繰り返されています。人道支援はそもそも緊急事態のために必要で、それが長年必要とすること自身、異常なことです(コンゴ東部では過去18年間も!)。今回の事件の殺害者を単に非難するのではなく、人道支援が現地にharmをもたらせない、またどのように持続的な平和をもたらせることができるよう、もっと考えなくてはなりません。これ以上、市民や現場で働く人道支援者が犠牲にならないためにも!
その人道支援に関して、6月3日、早稲田大学におけるTEDカンファレンスでお話しします。18分という短時間なので、深く突っ込むことはできませんが、人道支援の課題について少しでも理解してもらえれば嬉しいです。
最後に、亡くなったUNHCR職員との面識はないのですが、お悔やみを申し上げます。
http://www.unhcr.org/4fba0f5c9.html
GENEVA, May 21 (UNHCR) – UN High Commissioner for Refugees Antonio Guterres on Monday deplored the killing of a UNHCR staff member in Goma, eastern Democratic Republic of the Congo. Rocky Makabuza died on Saturday in the North Kivu provincial capital after sustaining gunshot wounds to his stomach in an attack at his home by unknown assailants on Friday night.
Rocky, who was aged 38, was a field safety assistant for UNHCR at its office in Rutshuru, north of Goma. He was taken to hospital after the shooting, but died of his wounds. Neither the identity of his assailants nor the motives for the attack have been established.
"I deplore the shooting of a colleague and offer my sincere condolences to his family. We do not know who is responsible for Rocky's death or why they attacked him. I hope that the authorities will do their best to investigate the incident and bring those responsible to justice," said Guterres.
Rocky had been working for UNHCR since 2009. He is survived by his wife and three children.
His death comes at a volatile time in North Kivu, where fighting in recent weeks between government forces and renegade troops has forced large numbers of people to flee their homes, with thousands seeking shelter in neighbouring Rwanda and Uganda.
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コンゴ
2012-05-22T08:26:58+09:00
米川正子
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米川正子
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1997年5月17日、コンゴがモブツ独裁政権から「解放」された日。しかし現在のコンゴは生活が改善されたのか
15年前(1997年)の昨日5月17日は、コンゴの武装勢力AFDL(表向きそうだが、実はルワンダ政府軍がリードをとっていた)がモブツ政権を倒し、32年間の独裁政権から市民を「解放」した日として祝福されました。「解放」という言葉、確かに聞こえはいいのですが、その後のカビラ父大統領(1997-2001年...
モブツ政権時代と比較するのは難しいかもしれませんが、以前は「オープン」に行われていた人権侵害が、現在は隠れたところでひっそりと行われているという意味では、より悪化しています。例えば2010年6月に殺害された著名なコンゴ人の人権活動家をはじめ他のジャーナリスト等は、モブツ時代よく逮捕されたものの、殺害されることはめったにありませんでした。学問において、現在はモブツ時代より研究費の予算が減り、研究者がひまにしています。教員が研究できないということは、大学では最新の機械(コンピューター)で新しい知識を学生に教えることができず、学ぶモチベーションが失う、そうすると自然に社会も活気が失われます。役所でもパソコンがあればいい方で、まだタイプライターを使っているところも(ところで、今の若者はタイプライターを見たことありますか??)。そして、昨年は国連の人間開発度でコンゴが初めて最下位にランクされました。この人間開発度は1990年代に始まったので、モブツ時代の1970代や1980年代と比較できませんが、その頃のコンゴは、現在のルワンダのようなアフリカのリーダー的存在でした。今の40代以上のコンゴ人は昔の黄金時代と現在の衰えたコンゴを知っているために、大半がコンゴ人の誇りを失っています。
「解放」といえば、ルワンダも1994年7月4日、現政権のRPFが100日間の虐殺を終えたということで、解放の日として祝福されています。しかし前政権に比較して、生活は本当に改善したのでしょうか。一般的によくなったというイメージですが、そうであれば、なぜ今でも亡命するルワンダ人(しかも現政権の高官までが)がいるのか考えてみましょう。
5月8日に、ある売り子が売っていたピーナッツを地元のDefence Forceにとられ、反抗するために焼身したとあるフリー・ジャーナリストが報道していました(政府系のメデイアは報道せず)。その売り子は病院で運ばれたものの保険に入っていなかったので、治療ができなかったとのことです。ルワンダでは焼身事件は初耳です。そのジャーナリストによると、毎月200FW (50円以下)の寄付を現政権にしない人はムチで打たれ、刑務所行きになるなど、権威主義のルワンダでは現政権による脅迫がよく起き、市民はフラストレーションがたまっているとか。前政権時代もさまざまな重大な人権侵害がありましたが、それが現在も続いており、決して生活が改善されたとは言えないかと思います。
解放と祝ったり、また前政権を非難することは簡単ですが、さまざまな視点から持続的な積極的平和が実現したのか、もしそうでなければ、どのような課題が残っているのかを検証する必要があります(これは沖縄「返還」40周年を祝うのと同じことです)
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大湖地域
2012-05-18T15:18:02+09:00
米川正子
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