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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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今日は大学で卒業式があり、とても華やかです。しかしそれとは裏腹に私の心はどんよりしており、かつ怒りに満ちています。なぜなら、先週以降、コンゴ東部からいやーなニュースが入ってきているからです。

現在コンゴ東部では、コンゴ政府軍が対FDLR(ルワンダ反政府勢力ー1994年のルワンダ虐殺の首謀者が中心につくった組織)掃討作戦を新たに行なっているのですが、これがどうもFDLRではなく、市民をターゲットしているようです。下記の記事を参照してください(フランス語)。

http://www.lepotentiel.com/afficher_article.php?id_edition=&id_article=121727



市民を追い出すのは、軍人による天然資源へのアクセスのためでしょうか。先日twitterでも流したある記事によると、コンゴ東部・北キブ州にあるビルンガ国立公園には石油があるようで、イギリスの企業がその調査をすることになりました。もし石油の存在が確認されたら、ますますこの地域は無人・無動物(マウンテン・ゴリラも含む)になるかもしれません。

この掃討作戦は2009年1月に本格的に始まりました。ルワンダ政府にとって脅威の存在ではないFDLRを、なぜルワンダ政府軍がこの時点でわざわざ越境して、国交関係がなかったコンゴ政府軍と組んで対FDLR掃討作戦をする必要があったのか。著書『世界最悪の紛争「コンゴ」』には、政治的、そして経済的理由(=ルワンダ政府による、コンゴの天然資源のアクセス)と書きましたが、実は他にも理由があったことに先週気が付きました。

1996-7年のコンゴ戦争の際に、ルワンダ政府軍やコンゴ反政府勢力(ルワンダやウガンダが支援)が市民や難民に対して「虐殺」に値する行為を行ったという内容の国連報告書Mapping Reportが、2010年10月に公表されました。この報告書は「虐殺」という単語を使用したために、世界(日本を除く。。何とも情けない。。)で大きな話題になりました。ルワンダ虐殺以降、急スピードで復興・開発に力を入れ、ルワンダは「アフリカのサクセス・ストーリー」と称賛されるようになったのですが、この報告書はそのイメージに打撃を打ったことになります。

この調査チームは2008後半から2009年前半にコンゴ全国に滞在したのですが、1996年の「虐殺行為」の目撃者、あるいは国連チームに既に証言をした人を消す必要があったらしく、2009年1月に始まった表向き対FDLR掃討作戦は、実は証人を殺害するためだったらしいのです。市民が「軍人対象の掃討作戦にまぎれて」、犠牲になっていたのではなく、最初からターゲットにされていたのです。

そして恐ろしいことに、その市民殺害の掃討作戦を、国連「平和」維持活動隊(PKO)が裏で支援していたのです。2009年から今まで。当然その国連「平和」維持活動には我々の税金も使われています。ですから、我々も間接的にその市民殺害にかかわっていることになりそうです。

上記を聞いて、気が狂うのは私だけでないはずです。いったい何のための国連PKOなのか。「平和」構築とは何なのか。今コンゴ東部の元同僚や知人と連絡し、何とかそれを止めようとしています。日本や他の地域にいる皆さんも、知恵をぜひ貸して下さい。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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