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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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今朝ニュースを聞いてびっくりしました。コンゴ政府の情報大臣が昨日(6月9日)、コンゴ東部の不安定である問題としてルワンダ政府を批判したのです!これまでコンゴ政府は4月以降東部で起きている反乱・人道危機に関して特に声明を出さず、どちらかというと黙認してきたので、このような発言は大変珍しいこと(1990年後半以降に起きた戦争に関してもそう。そもそもコンゴの武装勢力、外国軍、外国の武装勢力だけでなく、コンゴ政府も戦争に関与してきたために当然批判できなかった)。2009年にコンゴ・ルワンダの国交関係が正常化されましたが、この発言でまた崩れるのではないかと心配する声があります。
 
5月下旬以降、ルワンダ政府は批判されっぱなしです。コンゴ東部で5月上旬にM23という新しい武装勢力が築かれ、その勢力が反乱を起こしたために、50万人の難民や避難民が発生し、数百人の民間人が殺害されていますが、その武装勢力がルワンダ政府によって支援されたことを在コンゴの国連PKOがBBCを通して発言。具体的に、ルワンダ政府軍は軍に入るという口実で新兵を訓練したのですが、国境を越えてコンゴにいるM23に派遣したとのことです。6月4日には、国際人権団体のヒューマンライツウォッチ(HRW)が同様の内容のプレスリリースを発信し、M23のためにルワンダ人の子供も徴兵され、また武器もルワンダ政府が提供していることを確認しました。ルワンダ政府はいつものごとく、「我々はコンゴの問題に無関係」「国連PKOは予算の割には役に立っていない、無責任なことを言うな」「HRWは自分たちの資金集めのために、ルワンダを使っている」と反発。1996年以降、ルワンダ政府はコンゴ東部に何度か侵入・侵略し、資源の搾取や「ジェノサイド罪」行為(国連報告書)に関わり国際社会から批判されてきたのですが、その度に「1994年の虐殺の際に国連は我々を見捨てた。その国連からとやかく言われる筋合いはない」と常に反抗的な態度をとってきました。
 
コンゴの国会でも、激論がありました。4月から5月にかけて、ルワンダとコンゴ政府間でコンゴ東部の政情に関する会議が4回ほどあったのですが、その会議の詳細がコンゴの国会で公開されませんでした。ある国会議員がそれについて深く追求したところ、閉鎖された会合でしか話せないという返事が返ってきて、その議員は国会から退席しました。従順なコンゴ人にとって、このような行動は稀なこと。とにかく何もかも機密です。
 
まさしくコンゴ東部の地上だけでなく、国際社会においてもコンフリクトが起きています。今後のコンゴがどうなるか、大変心配です。。。
 
追伸:それにしても、日本のメデイアはなぜコンゴ東部やICCの報道をしないのか。先日のNHKの「おはよう世界」で、マドンナとレデイーガガの比較が取り上げられていましたが、そんなことより、人間の生命にかかわることが重視されるはずなのでは?このようなメデイアだから、日本人は平和ボケになってしまい、危機感がないのですね(それが東日本大震災への対応に悪影響している)。。。エンタメを取り上げるなとは言いませんが、ニュースの優先順位を再検討すべきです。同じ日本人として、また伝える・啓蒙する人間として大変恥ずかしい限りです。
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無題
いつも興味深くブログを拝見させて頂いています野村@ルワンダです。
現在、ちょうどコンゴ難民の登録関係でギセニに来ていますが、彼らと接することで改めて現地の状況の悲惨さを痛感しています。
また、それと同時にコンゴとルワンダの複雑な関係性や歴史など、考えさせられることが多いのも事実です。
本当に、このようなニュースが日本でも多く報道されてほしいとつくづく思いました。まだまだ新しい武装勢力が増えそうな気がしています。
Nomura 2012/06/12(Tue)03:32:16 編集
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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