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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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遅くなりましたが、6月20日は世界難民の日でした。その難民に関して、今考えていることを3点書きたいと思います。
    日本では難民と聞くと「かわいそう」だが、「でも希望を失わずに前向きに頑張っている」という励ましというか、ポシティブなイメージを作る傾向が強いと思います。私自身も現場で難民の強さから学んだことはありますが、場合によって難民に対して、「希望を持って、頑張ってね」と軽々と言えないこともありました。生まれた時から生涯難民として生き続け、学校に行けなくても行けない、将来の夢を聞かれても答えられない難民青年に(そもそも難民キャンプの生活しか知らない)そのような他人事のような言葉はかけられません。単なるリップサービスとしてとらえられるからです。今の福島県民に「がんばってね」「放射能があっても強く生きててすごい」と言っても、彼らは果たして喜ぶでしょうか。「他に行くところがないから、ここにいるしかないんだ!」と激怒するでしょうし、難民も選択肢がなく、生きていくために「がんばる」しかないのです。難民と福島県民の一番の願いはそれぞれ母国と福島に安心して帰還できることで、問題解決(難民であればその国の安定化、福島であれば原発に頼らない自然エネルギーの導入や経済システム)をしないまま、「がんばろう」の言葉は不要です。我々はもっと言葉に気をつけなくてはなりません。
    難民として認定されていないが、難民のような状況にいる人たちが世界数多くいることを心に留めなくてはなりません。もっと豊かな生活を求めて国外に脱出する、いわゆる経済難民だけではありません。海外の留学先で現地の人と結婚したり就職したものの、母国が紛争や不安定な状況にあるために、帰国できない人々は大勢います。フリーダムハウスによると、世界の自由度は過去5年連続で低下しているのですが、難民や避難民の数が減らないのもわかります。①に書いたように、我々は難民という「人」に焦点を当てるだけでなく、難民の背景(国の政治状況)をもっと知り、何ができるかを考えなくてはなりません。
    「紛争後の平和構築」(post-conflict peacebuilding)のフェースに入った国の難民の地位は、自動的に終止されるわけではありません。例えばルワンダは紛争後(=1994年の虐殺後)の平和構築のフェースをとっくに過ぎたと考えている(=勘違い)人が政治界、開発界やメデイアなどにいるのですが、まだ恐怖心があって帰還できない難民は大勢います。そういう難民にとっては、ルワンダはまだ紛争中なのです。なのに今年末に、ルワンダでは難民の終止条項(cessation clause)が適用されるのです。つまり、「ルワンダは平和だから国外にいるルワンダ難民は帰還できる。帰還しない人は来年以降、難民として認定しない」ということです。現在、ルワンダ政府から迫害を受けて、ルワンダの国外に亡命している人もいるのに、なぜこのような条項をUNHCRは適用するのでしょうか?どのように決定されたかわかりませんが、納得いきません。再検討してもらいたいものです。
 
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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