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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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先週末国際開発学会に参加したのですが、その中でも「東日本大震災と国際協力:大震災が国際協力・国際開発研究に突きつけたもの」というパネルディスカッションでショックを受けました。
 
1つ目は、原爆や放射能がこれだけ深刻な問題になっているのに、それについてパネリストが一切触れなかったこと。3月下旬に東日本大震災支援ネットワークという集会に参加した際も、福島について何の議論がありませんでした。あれから2か月たっても全然進展がない!今回パネリストが福島で活動をしていないこともあるのですが、それならなぜそのような人を招聘しなかったのでしょうか。「臭いものには蓋」では、結局自己満足、あるいは実績を残すための企画となります。
 
2つ目は、被災民の視点や問題がほとんど語られていなかったこと。話の中心は団体の活動報告、団体間の調整、情報発信(それも「(放射能の危険さなど)正確な」情報に関する議論ならまだしも、単に情報量の話)の問題です。当然のごとく、大震災は現在進行形で今も続いており、被災民は本当に苦しんでいます。彼らが一日でも早く、安全で人間らしい生活ができるように助けるのが我々の優先なのではないでしょうか。私は以前、難民や国内避難民への支援や保護といった人道・緊急支援に従事していたこともあり、この「のんびりとした」(失礼)議論についていけず、イライラしてしまいました。
 
パネルデイスカッション後、主催者にそのように述べると、「時間があれば被災民の話も話すことができた」という返答でした。いや、時間不足ではなく、(限られた)時間をどう活用するかという問題ではありませんか。まず議論のプライオリティは何かを決め、時間があれば、優先順位の高くないものも話すこともできたはずです。
 
結局、国際協力と開発の現実もこんなものです。ご多忙な「エリート」は現場を見ずに(行ったとしても、アクセスがいいところだけ行き、時間がかかったり、交通不便のところには行かない)、下(弱者)の視点をほとんど政策に反映しない。そのため過去50年間、形だけの「国際協力」をしても、貧困や紛争はまだまだ残っているだけでなく、地域によっては悪化しています。東日本大震災を機会に、国外への協力や開発の政策を真剣に、かつ厳しく見直すべきでしょう。
 

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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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