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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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どの国際メデイアも昨日から今日にかけて、国連の漏れた報告書(leak report)の話題で一杯であったのに、日本のは相変わらず何の記事もなし。大事なニュースなのにアー情けない!日本のメデイア、しっかり~!(これは非難でなく、エールです)
 
この報告書は、1990年代にコンゴで起きた残虐行為は「虐殺」ではないかと主張しており、その加害者は当時のコンゴ武装勢力AFDLとルワンダの政府軍であります。これは決して新しい話ではなく、1997年に中断された国連調査団が同じ内容の報告書をだしました。ルワンダのカガメ大統領もコンゴのカビラ現大統領もそれに関与していたので、この報告書が公表されると、両国にとって名誉を傷つかれるわけです。特にルワンダは西洋諸国から「優等生」と呼ばれており、カガメ大統領はクリントン前大統領やブレイア元首相、ゲーツ氏など世界の大物と親密な関係にいるので、余計にダメージは大きいのです。
 
そのルワンダ政府が、フランス紙のLe Mondeによると、「この報告書が公表されたら、ルワンダ軍はスーダン・ダルフールから撤退するぞ」と国連事務総長を脅しているとのことです。紛争が続くダルフールにはアフリカ連合軍が入っており、それにルワンダ軍2,500人を派遣。ルワンダは世界6番目に国連平和維持活動軍を派兵していることになります。ルワンダは四国ぐらいの面積の小国なのに、かなり軍事力があることがわかりますよね。
 
ルワンダの言い分は「この報告書がでると、この地域に再び不安定をもたらす」ということですが、本当にそうでしょうか。反対に、もし真相が隠され続けてきたら、被害者の不満はますます増し、それが突然爆発することもあるのです。報告書が間違っているのなら、証言や証拠を並べて訴えればいいことですし、自分たちが正しいと信じるのなら、正々堂々と報告書と向き合えることができるはずです。
 
このルワンダ政府の子供っぽい反応に本当に呆れてしまいます。いつも感情的になり復讐をするんですよね。2006年の時もそうでした。フランスの判事が1994年のルワンダ虐殺の引き金となった飛行機墜落事故に関する報告書をだしたときも、ルワンダ政府はフランスとの国家関係を即時停止しました。その他に、ルワンダ政府がコンゴの武装勢力CNDPを支援しているとか、コンゴの天然資源を不法搾取したといった不都合の悪い国連報告書が出る度に、激怒し報告書の内容を否定しました。
 
残念ながら日本はいいモデルではありませんが、歴史の教科書問題など現在も続いている課題や、真実と誠実に向き合う教訓を各国に伝え、一緒に負の歴史を乗り越えるといった協力ができると思います。単にカネをばらまくのが協力でなく、また「技術」協力は農業保健やITCだけでなく、歴史の教訓といったことも含まれてもいいのではないでしょうか。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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