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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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先週の20日【金】から今日24日(火)まで、広島で平和構築のワークショップに参加し、朝から晩まで豊富なプログラムがあったために、ブログを書く時間もエネルギーもありませんでした。このワークショップは、「平和的手段による紛争転換NGO-トランセンド研究会」が企画し、そのメンバーである奥本京子さん(私の大学の後輩)から声をかけられ参加しました。学んだことはたくさんあるのですが、トランセンドの創設者である、平和学者のヨハン・ガルトゥング博士による講義がワークショップ中何回かあった中で特に興味深かったことを3点つづりたいと思います。

1.ガルトゥング博士が広島の原爆投下のことを「虐殺」だと呼んだこと。ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺後の1948年にジェノサイド条約が定められたのですが、それによると、ジェノサイドは一つの人種・民族・国家・宗教などの構成員に対する抹消行為をさしています。しかし女性や子供を無差別に殺戮した時点で、生殖の強制的な制限を含んでいる(将来の子孫がつくれない)ために、ガルトゥング博士は定義を拡大して虐殺だと呼んでいるのです。(これに関しては近いうちに本が出版される予定) 。なるほど~!ルワンダ虐殺の研究はしていますが、広島・長崎のことを虐殺と呼ぶことがないので、大変新鮮であり、考えさせるきっかけとなりました。

2.人権や民主主義の保障が必ずしも平和をもたらさないこと。その例が、アメリカ、イギリス、イスラエルとオスマン帝国だとか。これらの国々の共通点は「自分が常に正しく、他は間違っている」という信念があり、これらがある限り平和は来ないというのです。自分の国が中心に世界がまわっていると信じ、何か不都合なことがあると他の国々のせいにし、自分たちの行為を反省しないのです。もっと謙虚になり、かつ聞き耳を持たなければなりません。

3.ピース・アクテイビスト等は単に「反戦」「反XX」と唱えるのではなく、反戦の後何をしたいのかを考えた上でいろんな方法で問題解決に向けて提言をしなくてはならないこと。我々は今だけを見過ぎて、将来図、ビジョンや夢を描くことはなく、あまりにも創造生に欠けています。学者は理論的すぎて実用的でない論文を発表して自己満足で終わるのではなく、豊富な知識を活用して紛争解決などに貢献していただきたいですね。

ガルトゥング博士は「アメリカ帝国は滅びる」という題名の本を出版したリ、「米軍基地の撤退が主張できないようでは、日本は独立国家ではなく、侵略されている国家だ」と発言し、過激派だと取る人もいるかもしれませんが、このような意見は社会改革のために必要だと思います。ガルトゥング博士は著書やメデイアを通じてメッセージを発信するだけでなく、演劇(脚本)もつくる予定だとか。今年で80歳になるのに心身ともに若く、刺激を受けました。今回のワークショップに呼んでくれた京子さんに感謝!本当にありがとうございました!
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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