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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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1年前の今日(10月1日)、国連人権高等弁務官事務所はコンゴの人権侵害事件を調査した報告書(Mapping Report)を公表しました。報告書はコンゴ全国で1993年から2003年まで発生した617件の暴力事件を記録し、事件の責任を負っているコンゴ、ルワンダ、ウガンダ、ブルンジ、アンゴラの政府軍や武装勢力が関与した犯罪について詳述したものです。
 
2010年8月下旬、同報告書が報道機関にリークされてから注目されたのですが(もちろん日本の新聞には大きな記事にならず。。。情けない!)、それはルワンダ政府軍が1996-7年コンゴ東部における「虐殺」に関与していたと同報告書が非難したからです。それに対してルワンダ政府は怒りをあらわにし、報告書を公表するならばスーダン・ダルフール地方から国連平和維持活動軍(PKO)の自国の要員を撤退させると脅しました。その後、国連事務総長がルワンダに飛び、報告書が公表されても司法的な行為をとらないという「交換条件」をルワンダ政府と結んだと言われています。
 
それが本当かどうかわかりますが、一つ確かなことは、1年経った今でも何の進展がないことです。同報告書は混成司法機関の設立を提言したのですが、国連で議論されることは一回もありませんでした。人権団体も最初は国連報告書に大きな期待を抱き、「これは歴史的な報告書以上のものである」「過去において法の裁きが為されなかった事件に光を当てていること、そして現在のコンゴの状況に関連していることで、今回の報告書は重要である」(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)と述べたのですが、それ以降ほとんど取り上げていません。その間コンゴ東部の人々は、相変わらず人権侵害の犠牲になり続けています。
 
同報告書、そしてコンゴにおける人権侵害と司法の問題について、皆さんと深く議論をするために、10月14日の平和学会・秋季研究集会で発表する予定です。平和「学会」といっても、活動家も大勢参加するために、固い集会となりませんので、ぜひ気楽に参加してください。
 
10月30日14:40~17:10@広島修道大学 5号館・6号館
【住所】〒731-3195広島市安佐南区大塚東1-1-1
 
自由論題部会:「アフリカ大湖地域の移行期正義」
報告:クロス京子(神戸大学大学院生)
「移行期正義の新潮流――ローカル正義採用における和解の実践とその課題」
報告:佐々木和之(Protestant Institute of Arts and Social Sciences)
「ルワンダ大虐殺後の移行期正義――地域共同体裁判『ガチャチャ』は和解の促進に貢献したのか?」
報告:米川正子(宇都宮大学)
「コンゴにおける重大な人権侵害――アフリカ大湖地域における不処罰文化への対処と司法機関の設立」
討論:武内進一(JICA研究所)
司会:清水奈名子(宇都宮大学)
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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