コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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昨日、韓国挺身隊問題対策協議会が計画を推進している「戦争と女性の人権博物館」建設を日本で支援している、戦争と女性の人権博物館(WHR)日本建設委員会 http://www.whrmuseum-jp.org が主催した連続学習会にコンゴの現状の話をさせていただき、大変勉強になりました。WHRは、今回の連続学習会は、「慰安婦」問題を知らせるだけでなく戦時下で今も続く性暴力の根絶を訴えて行く博物館の趣旨に則っていたこともあり、さすがに不処罰に高い関心がある参加者が多く、中には「(過去の)慰安婦だけだと思っていたが、現在でもその不処罰の問題が残っているなんて」と言った参加者も。内容の濃い意見交換で印象に残ったことを簡単にまとめたいと思います。
- l国連やヒューマン・ライツ・ウォッチなどの報告書には、コンゴにおける不処罰の慣習を「不処罰文化(Culture of impunity)」と呼んでおり、私も講義中にそれを数回述べたのですが、文化と呼ぶのはおかしいという指摘がありました。紛争を経験した国ではどこでも不処罰という問題が残っており、それをコンゴ独特の文化として呼ぶことはできなく、単なる西洋諸国の概念なのではないかと。確かにそうですね、貴重な指摘をありがとうございました。
- コンゴ東部における性的暴力の被害者の年齢層が3歳から85歳までということに関して、あるシニアの女性が「私は若い時に比べて、今強姦された方が屈辱を感じる」とコメントをされていました。自分自身シニアではないため、そんなことを今まで考えたことがなかったのですが、確かにそうかも。。。(ちなみにコンゴ東部における性的暴力の目的は、性的欲求を満たすためではなく、コミュ二テイーを弱体化するためです。だからこそシニアの女性には効果的)
- 不処罰は重要であるが、戦争犯罪人を全員処罰することはほとんど不可能です。戦争をとりあえず終えるために、その取引きとして、戦争犯罪人にamnestyを与えた方がいいのではという意見がありました。もしかして小規模の紛争ならこの方法で済むかもしれませんが、他の紛争より一層複雑で、戦争犯罪人がより多いコンゴ紛争では、それが果たして現実的なのか。戦争犯罪人が戦争経済で金もうけをし、そして処罰もされないとなると、ますますやりたい放題になるのでは?現在ンタガンダという戦争犯罪人がコンゴ政府からICCに引き渡されていませんが、だからといって状況は良くなっておらず、彼が昇進して掃討作戦を担当するようになってから反対に人権状況は悪化しています。現在進行形で進んでいるコンゴ紛争に関しては、答えはでないかもしれませんが、もっと処罰やamnestyについて研究をしなくてはなりませんね!
今まで私が行ってきた講演に来られた参加者は、アフリカや国際協力には関心があるが、不処罰には特に関心がない(あるいはimpunityという単語も初めて聞いたという人も)人が圧倒的に多くいました。しかし今回の学習会には、いわゆるアフリカに関心がある参加者人はいなかったものの、コンゴ(他のアフリカ諸国)とアジアに共通する不処罰、性的暴力の問題に関して深く話ができ、また共感できる仲間ができて嬉しかったです。日本政府による人権外交の促進に関しても、こういう仲間とやった方がより効果的かも!WHR日本建設委員会の方々ありがとうございました!
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プロフィール
HN:
米川正子
HP:
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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