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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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大震災における人権の状況を把握し政策提言をするために,GW中,仙台と石巻で人権調査をしました。避難所を視察し,女性,高齢者や身体障がい者など弱者を支援する団体と面談したのですが,一番ショックだったのが,宮城県(あるいは東北?誰か教えてください)における「男性の権力文化」です。東日本大震災と阪神大震災との比較の際に,よく災害の面積の違いや原発・津波の有無が挙げられますが,この権力文化の有無も大きな要素だと思います。阪神の女性は少なくとも男性に言いたいことは言えます!(阪神出身の私もそうです!)このような「権力のしがみつき」は災害後,家族,財産,家や仕事を失った男性の多くに見られるのですが,それは男性が自身のアイデンテイテイやプライドを保つためだと考えられます。
 
避難所のほとんどが自治体や校長先生などの男性によって運営されているのですが,そこで女性は反論できず,ずっと耐えています。授乳の場所も女性の更衣室もないところで,若い女性は我慢しており,布団の中で着替えているとか。仕切りが提供されても使わないのは,男性によると「一体感がなくなるから,みんなとコミュニケーションがとれないから」。仕切り,更衣室,女性専門の部屋,化粧品等の女性の要請は,単なる「わがまま」として男性に受けとめられています。情報まで管理され,避難所によってはチラシ配布までが禁止・制限されているのです。
 
確かに現場のニーズを聞くことは,人道・緊急支援や開発において重要ですが,ここで指す現場とは男性を意味しており,意味がありません。一層のこと,現場のニーズを聞かずに。仕切りを強固につくる仕組み,あるいは「命令する」仕組みをつくった方がいいのではないでしょうか。
 
留意しなければならない点は,大震災当初の被災者のニーズは食料,毛布やガソリン等でしたが,2カ月経った現在は,春物の服,化粧品,洗濯機,雇用,お弁当や炊き出しでない食事(ステーキなど)と変わっていることです。行政やNGONPOはその変化に合わせて,早急に対処すべきでしょう。確かに大震災直後食事がまともに取れないときに,「化粧品が欲しい」と女性が言えば,「何を贅沢な!」と周囲から怒られたでしょうが,2か月経った現在,仕事や子どもの入学式など外出する際に,少しでも化粧をしてきれいになりたいと思うものです。そのような女心を男性に分かってもらいたいですね。
 
女性の視点で災害マネージメントを強化しないと,女性の犠牲者(DVなど身体的なものだけでなく,PTSDなど)はどんどん増えるでしょう。皆さんもこれに関して何ができるのか,いろいろ考えてください。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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