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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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もともと12月6日に大統領選挙の結果が発表される予定になっていたのですが、それが延び延びになり、やっと9日に発表されました。選挙委員会によると、カビラ現大統領が48.95%大統領選挙で再選され、有力野党党首のチセケディ氏(78歳)は32.33%であったと。しかしチセケデイ氏は、選挙監視委員会の発表は「コンゴ人に対する挑発的言動」だとし、各地の開票所でオブサーブした同党の支持者によると、自分が54%の票で勝ち取り、カビラ現大統領は26%だけだと主張しています。1年前の大統領選挙でコートジボワールでは、当時のバグボ大統領が選挙の敗北を認めないまま、「1か国、2人の大統領」という異常状態が数か月続いていたのですが、同様なことがコンゴで生まれるのでしょうか。
 
そのコートジボワールの選挙が、コンゴの大統領選挙に悪影響を与えてしまいました。憲法によると、過半数をしめる候補者が出なかった場合、上位2名の候補者で決選投票をしなくてはなりません。このような2回投票はlegitimacyのためであり、前回(2006年)のコンゴ選挙でも、またフランスでも行われています。今年1月にカビラ政権は国会で特に議論しないまま、「予算不足のため」に決選投票の廃止を決定したのですが、本音はチセケディ氏という有力候補者、かつ市民の人気者が出馬し、カビラ大統領が自分の地位を守るためだったという見解が強いのです。
 
コンゴで最初に博士号(法学)をとり、モブツ大統領と長年闘い(繰り返し逮捕されたことも)、コンゴ人の政治家の中でまだ「クリーン」と言われているチセケデイ氏は、政治家では珍しく一夫一婦を保ち、コンゴで51年続く独裁主義の問題と非暴力でもって解決しようとしています。身体は元気なようですが、年配なので、選挙に出馬するのは今回が最後になるかもしれません。78年間の人生の内、3分の2はコンゴの腐った政治と闘ってきたかと思うと、本当に脱帽したい想いです。彼に次ぐいいリーダーが登場するのでしょうか。また登場したとしても、国をいい方向に変えることができるのでしょうか。残念ですが、これはコンゴ人というより、大国の政治的意思によるかと思います。
 
(11日)今朝の時点で、首都キンシャサはゴーストタウンになり、選挙の結果に不満を持つ野党支持者による暴動で、4-6人亡くなったとのことです。野党支持者は「カビラはルワンダ人、我々はコンゴ人のリーダーが欲しいのだ!」と叫んでいます。今後のコンゴはdemoCRAZYが続くかと思うと、自分の無力感も含めて腹が立ちます。
 
日本のメデイアがコンゴの選挙についてほとんど報道しないので、また選挙情報をお送りします。
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ありがとうございます
先日なぜ今回コンゴで決選投票がおこなわれないのか質問させて頂いた者です。お忙しい中質問に答えてくださりどうもありがとうございました!コンゴの選挙候補者の位置づけや背景などについて、今回のコンゴ大統領選挙を折に、毎日ニュースを追いながら学んでいる最中ですが、さまざまな立場から書かれているため混乱しそうです。また、刻一刻と進んでいる状況について、記事の背後に隠れている、記事だけでは見ることができない、コンゴの現状に、終始落ち着かない思いです。
mabo1116 2011/12/18(Sun)23:43:52 編集
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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