コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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昨日私が「ベンダビリリ」のコンサートで楽しく踊っている時に、地球の反対のパリでルワンダ反政府勢力(FDLR)のリーダーであるカリクスト・ムバシュマナ氏がフランス警察によって逮捕されました。数日内に国際刑事裁判所(ICC)があるハーグに転移される予定です。
このFDLRの背景について簡単に説明すると、もともと1994年のルワンダ虐殺後にコンゴ東部に逃げた虐殺の首謀者が中心になって、ルワンダの現政権を攻撃するためにつくられました(現在はコンゴ人も多く含んでいる)。FDLRの大半はコンゴ東部にいるのですが、文民部門のリーダー格はヨーロッパにおり、そこからコンゴ東部にいる部下に指揮してきたと言われています。2009年12月公表された国連報告書によると、FDLRの資金源はスペインのチャリテイ-団体から北朝鮮の軍隊などです。
そのFDLRが何の罪で逮捕されたのか。2009年1月~12月に、コンゴ政府軍とルワンダ政府軍によるFDLRに対する掃討作戦があり(ルワンダ軍は「正式に」2月に撤退したが、その後コンゴ軍に「統合」し掃討作戦を続けた)、その際にFDLRは少なくとも市民1400人を殺害し[1月~9月]、また同時期に7500件以上の性的暴力を犯したと報告されました[この件数は2008年に起こったものの2倍]。
この逮捕は歓迎すべきいいニュースですが、気になるのはFDLRだけでなく、コンゴ軍やルワンダ軍も残虐行為に相当関与していたのに、後者は今のところ何の行為がとられていないことです。また、この掃討作戦は国連PKO軍が支援していたので、彼らもある程度の責任があるのでしょうか。こういった視点はないように思われます。
ところで、ICCは独自の警察がないため、戦争犯罪人や人道に対する罪を犯した人を告訴しても、彼らを直接逮捕できず、したがって彼らが在住している国の警察の協力が不可欠となります。逆にいえば、各国の警察の協力がなければ犯罪人が逮捕されることなく、犯罪人は普通の市民と同様に何の恐怖心もなく生活ができるということです。残念ながら政治的などの理由で、戦争犯罪人をなかなかICCに引き渡さないことが多く、その例としてコンゴ人のボスコ・ンタガンダ氏が挙げられます。(「世界最悪の紛争『コンゴ』」211ページを参照)
このように戦争犯罪人がICCに引き渡さないのは、コンゴのような「腐った国家」だけでなく、「まともな国家」があるヨーロッパでも起きています。ムバシュマナ氏は2003年からフランスに住んでいるのにもかかわらず、7年後にやっと逮捕されました。また、昨年の11月17日、FDLRの代表のイグナス・ムルワナシカ氏と副代表のストラトン・ムソニ氏は、テロリストグル―プに入っていること、そして戦争犯罪とコミュニティーへの罪を犯したことで、長年居住していたドイツで逮捕されました。ドイツで現在調査が続いており、年度末には公文書ができあがるとのことです。
上記のFDLRのケースを見てもわかるように、時間がたつにつれてローカルな団体であったFDLRの関係者が倍増しました。これがグローバル時代の怖さです!だから小さな紛争が起きても、すぐに犯罪人を処罰するなど迅速的に行為をとらないと、犠牲者が増えるだけでなく、どこから手をつけていいかわからないほど問題が大きく膨れ上がり、解決が難関になります。理論ではわかっているけど、現実にはそういかないのですよね。。。ハー(溜息)でも希望を捨ててはいけない!
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プロフィール
HN:
米川正子
HP:
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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