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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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将来のキャリアで悩んでいる学生と昨日話をしました。この夏宇都宮大学などが主催した国際キャリアの合宿セミナーで講師から現場の生の話を聞き、また私の本「世界最悪の紛争『コンゴ』」を読んで理想と現実のギャップを感じ、「この複雑な世の中で自分は一体何ができるのだろうか」といろいろ考えているとのこと。
 
私の本の内容はあまりにも難解だと言われており(というかそもそもコンゴ紛争の背景が複雑なのだが)、1回読むだけでも忍術力が要るそうなのですが、その学生は2回も読んでくれて感激しました。しかもコンゴどころかアフリカにまだ行ったことのない人で、本を読んで「『平和以外に何でもある国』だなんてショック!」「コンゴ、どうなるのだろう!」と本気で心配していました。国外で起きていることを他人事でなく自分のこととして感じとってもらえるなんて、涙、涙。。。
 
と同時に、自分の本やブログに国際関係の裏(現実)をありのまま率直に書きすぎて、もしかして学生の夢を壊してしまっているのではと多少罪悪感がありました。まるで、サンタの存在を信じている子供に、大人が「そんなのいないよ」と否定しているようなものでしょうか。
 
もちろん私は学生の夢を壊す意図はなく、学生に現実を知ってもらった上で、考える、批判(批評)する、疑問を持つ、分析する、そして問題を解決するという力を培ってもらいと願っています。これらの力を身につけるのは、もしかして学生時代が最後のチャンスかもしれません。社会人になると残業などで社会どころか自分のことを考える余裕がなくなり、ひたすら上司に従って仕事を淡々とする「ワーキング・マシン」になってしまうからです。特に大きな組織では、そういう人たちを大勢見てきました。転職・留学などをする人は、多少その箱から脱出できるかもしれませんが。。。
 
思考力がない、あるいは、某首相のように新聞は読まずマンガしか読まない社会人が増えると大変危険です。(注:私は小学生のころ、「はだしのゲン」を読んで、原爆や平和のことを勉強させられたので、マンガが悪いと言っているわけではありません。ただそれだけを読むのでなく、新聞や小説なども読んで創造力や思考力を養う必要があると思っています)。紛争解決や平和構築の場を例にとると、紛争の原因や背景を追求せずに、反射的に「金と国連平和維持活動(PKO)さえ送ればいいや」といった単純な発想を持って、物事を片づけてしまいがちだからです。そして残念なことに、実務者の中にはそのような人はかなりいます。
 
学生の皆さん、確かに落ち込むこともありますが、夢は持ち続けてください!それは大事なことです。黒人差別がひどかった時代に、将来黒人系のアメリカ大統領が誕生し、また黒人奴隷の子孫がファーストレデイーになるとは誰も夢に思っていませんでした。このように不可能と思っていたことが将来実現することがあるのです。私もコンゴやルワンダに真の平和と安定が来る夢を持ち続けて、研究やアドボカシーを続けます。
 
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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