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最近のコンゴとルワンダの現状についてまとめたいと思います。
5日後の10月1日に例の国連報告書(草案には、ルワンダによる「虐殺の疑い」が書かれている)公表される予定なのですが、果たしてその報告書が「虐殺」という単語を残すのか、それとも削除するのか。どちらにしても、大湖地域に大混乱状態が起きそうです。
「虐殺」が残れば、ルワンダ政府はスーダンのダルフールにPKO軍として派遣しているルワンダ軍を即撤退すると国連に「脅迫」しており、不安定なダルフールにおける市民の保護に大きなダメージを与えます(ちなみに、ルワンダ軍はリベリア、チャドとハイチにも軍隊を派遣しており、規律正しいと評判が高い)。そのルワンダ軍はダルフールから撤退しないという噂も入っています。確か先週、ダルフールではルワンダ軍のメンバーの交代があり、もし本当に撤退するのであればこの時期に交代しないはず。ということは報告書から「虐殺」は削除された、ということでしょうか??
報告書にはルワンダ政府以外に、コンゴ、ブルンジ、ウガンダ、アンゴラもコンゴでの「虐殺」に関与していたと書かれているため、これらの国々も国連に反抗しています。
それとは裏腹に、「国連、よくぞよくやった!ルワンダ政府の圧力に負けず「虐殺」をそのまま残して!」というエールもFDLR(ルワンダ反政府勢力)やコンゴ人のダイアスポラからあります。それに加えて、この数年(特に今年)カガメ大統領からウガンダや南アに亡命した元RPF(現政権)の幹部4人が9月6日に(カガメ大統領の就任式の日)60ページのレポートを公表し、それには「今のルワンダ政権は独裁主義、カガメ大統領は拠出国からの援助金を私的に使用した。今必要なのは政権のチェンジ」など現政権を厳しく批判しています。そして、その元幹部らはルワンダへの攻撃を準備しているらしいとのこと。彼らは20年間カガメ大統領と共にゲリラ作戦や諜報などに関わってき、カガメ大統領のことは何でも把握しているので、本当に起きうるのではないかと恐ろしくなります!特にその幹部たちが、ルワンダ外にいるFDLRやその仲間(人口的に多い)と共同で攻撃する可能性もあるので、そうなるとこの地域は再び紛争状態に戻ります。
私が悲観的すぎでしょうか。しかし、1994年の虐殺がコンゴに飛び火した後も大湖地域の紛争の原因は解決されておらず、虐殺の首謀者などで構成されているFDLRは現在もコンゴ東部で活動しています(カガメ大統領は、「テロリスト」であるFDLRとは和解はしたくないと主張)。2009年の国連報告書によると、このFDLRはスペインから北朝鮮までのネットワークがあるとのこと。ルワンダの華やかな経済的成長の陰に隠されていたh人々の感情(真実が明らかにされていない、被害者への補償がないなど)が、紛争のサインや警告として現在出始めています。アフリカの紛争はいきなり始まることが多いため、要注意はすべきでしょう。
アー私に政治的権力があれば、カガメ大統領やFDLRのリーダーなどの関係者に話し、真実と直面し、和解活動に促すのに!もちろん言うは易し、行うは難しなんですけどね。
追伸:ルワンダ軍によるコンゴにおける「虐殺」に関しては、著書『世界最悪の紛争「コンゴ」~平和以外に何でもある国』をお読みください。ルワンダにおける虐殺は既知の事実ですが、コンゴにおけるものは「虐殺」として未知であり、日本語で書かれたものはおそらく私の著書だけです。
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過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。