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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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216日から19日までの34日間、全国の約70名の学生が参加した「国際キャリア合宿セミナー」が栃木県で開催されました(宇都宮大学などが主催)。20109月に行われた前回の合宿セミナーと比べると、学生のプレゼン力、質問力、議論力、人のまとめ力が急速に高まり、この半年ぶりの成長に感動しました。また招聘された10人の講師は、ジェンダー、平和学、環境、エイズのキャンペーン、開発援助、安全管理などの専門家で、若者育成に熱心な方ばかりであったことも、セミナーが成功したカギでありました。

「最近の若者は内向きで。。。」という悲観的な見方が一般的にありますが、この合宿の参加者は皆輝いて、将来の夢について真剣に話し合っていました。家族、教員や周辺の人からのあたたかい励ましなどによって、学生自身は自信がつき、前向きになるなど随分変わるものです。
 
私も講師として「援助と人権保障」という分科会をもち、以下のようなことを話しました。
 
1.      援助は実際に役に立つこともあるが、その反面、援助は権力国のビジネス、貧困の増加、依存の促進、軍事化の促進など悪用されることもある
2.      国益とは
3.      なぜ人権が重要なのか
4.      人道支援 vs 人権の保障
5.      アフリカ諸国は本当に民主化を果たしたのか
6.      開発 vs 民主化
7.      人権外交はなぜ難しく、なぜ嫌がれるのか
 
援助関係者にとっても難しい課題なのに、学部生にはさらに複雑で難解であったと思います。しかも上記に付け加えて、「日本政府は東京アフリカ開発会議(TICAD)で、独裁者であるアフリカ諸国の大統領を招聘している(我々の税金の無駄!)」「日本や国際社会の援助が、インドネシアのスハルト政権やルワンダのカガメ現政権による、「ダブル虐殺」に貢献した」(前者はインドネシア国内と東ティモールの併合中、後者は1994年ルワンダでの虐殺と1996年コンゴに侵入した際に)「日本がインドネシアの人権侵害を知りつつ、援助し続けたのは石油が目当てであったから」といったショッキングな事実も話したので、分科会の間に学生の表情が徐々に暗くなったことも。

それにもかかわらず、学生は「戦争犯罪人にアムネステイをあげて、戦争は終わらせるケースがあるが、それでいいのだろうか」などと積極的に議論しあい、
7時間の分科会の最後まで辛抱強く付き合ってくれました。本当に感謝、感謝です!
 
私がこの重いテーマを選んだのは、「援助する人ってかっこいい」「援助はいいことをしている」という純粋なイメージを学生に持って欲しくなかったからです。学生が社会に出る前に理想と現実のギャップを少しでも知ってもらい、早くからこのような問題に敏感になることによって、援助の在り方を真剣に考えてほしかった。
 
このテーマは自分の現場経験に基づいた問題意識からきており、この機会に学生と共有できて本当に嬉しかったです。私自身まだまだ学ばなくてはならない点があるのですが、これをきっかけに学生や周囲の人が援助と人権の関連性をもっと身近に感じ、学び続け、改善に結びつくことを願っています。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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