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大津司郎さん(ジャーナリスト)と私の著書の記念(大津さんのは「アフリカン・ブラッド・レアメタル」(無双舎)、そして30日のコンゴの独立50周年記念を機に、6月22日に東京都内で、「コンゴの過去を振りかえ、コンゴの今と今後について考える会」を開催しました。大津さんと私が主催、ヒューマンライツウォッチ(HRW)が協力して下さいました。
日本を代表するコンゴやアフリカ関係者(といってもそんなにいないのですが。。。。人道支援者、開発援助者、ジャーナリスト、人権活動家、研究者(学生)など)を中心に30人来られたのですが(在日コンゴ人4人も含む)、中には大阪(Virgil Hawkinさん)や名古屋(久野武志さん)からも来てくださって、つくづくコンゴ関係者という日本では非常にマイノリテイーなグループの団結力は固い!と嬉しく思いました。そのおかげで、集まりは大変熱いものとなりました。
実は私と大津さんは1996年からの知り合いです。その頃、私は当時のザイールやタンザニアから(選択肢なく半強制的に)帰還する難民をルワンダで受け入れていました。そこへ、取材のために大津さんはやってきて、それ以降も、コンゴ、ケニア、日本で時々会い、アフリカ・大湖地域の現状に関して意見交換していました。
今回、大津さんが4月に、そして私が5月に著書を出版したのは全くの偶然です。本の内容も、彼のは1994年ー1996年のルワンダーザイールが中心で、私のは2007-2009年で、2冊読めばちょうど補足しあっています。ちなみに、アマゾンや今月発売の雑誌Days Japanには著書2冊が一緒に紹介されています。
anyway, コンゴの集まりですが、、、
大津さんは「アフリカは戦争、援助、ビジネスなどのfrontline。その背景を追いかけると、元気のない、policyのない日本に戻ってくる」という話をしました。
私はコンゴの人権やimpunityという重~いテーマについて話しました。このimpunity,日本ではなじみのない言葉ですが、コンゴ東部では日常的言葉です。「処罰が受けられない状態」という意味で、人権侵害を犯しても処罰がない、そしてそれが普通になっているため、culture of impunityという文化にもなっています。人権侵害者(戦争犯罪者、人道を反する罪を犯した人も含める)が裁かれないだけでなく、そのまま政府や軍隊の幹部などに昇進して国家を統治するのです。
これを恐ろしいと思いませんか?
もし皆さんの周りにこのような人権侵害者がうろうろしていたら、どのように感じますか?もちろん恐怖心で一杯ですよね。コンゴ東部の市民は下手すると一生そのような環境で生きているのです。そして、その現実(豊かな資源の存在が紛争の長期化の要因のひとつになっている)と日本は無関係ではないのです!そしてこのimpunityがある限り、我々外部者がどんなに質のいい協力・援助をしたとしても、それは無駄になるのです。何しろ、援助などが紛争の資金に簡単に変形するわけですから。
HRW東京デイレクターの土井香苗さんは、世界の中でもコンゴの人権侵害のひどさ、真実を知りたいという被害者の切望、したがって裁くことの重要さなどを話しました。
そのあと、「今回の集まりのキーワードはimpunityなのでは?」と思うほど、次から次へとフロアからimpunityの問題について熱心な議論がありました。かわいそうなこと(難民、貧困など)はOKだが、impunityは記事にならない(しかし小さな記事でも政治家は読んでいて、影響力はあるので、書いてくださいとエールが)、現地で人権侵害が起こっても、人道支援団体はなかなかそれが口に出せない、impunityには経済制裁より政治的圧力の方が効果的、ボスニアとコンゴの処罰の度合いの違いなど。
最後に、大津さん、土井さんと私から、参加者への提言を共有しました。日本政府はアフリカ政治を(裏を含めて)正しく理解し人権外交をめざす、人道支援・開発援助機関は現地の人権を尊重するように、日本政府に働きかける、メデイアや研究者はもっとアフリカの人権問題について取り上げるべき、人権団体はアフリカに関する声明などを速やかに和訳する、民間企業は社会的責任をまっとうするなどなど。いろんな方から同意、あるいはコミットメントがありました。
これからも時折このようなコンゴの有志の会を開催することにしました。次回の集まりはぜひとも国家議員や外務省の方も呼びたいものです。(今回招待したのですが、タイミングがよくありませんでした)
参加者からは「impunityという単語を初めて聞いた」(ジャーナリスト)、「人権を研究したいと思うようになった」(学生)、「コンゴの真の問題を話してくれてありがとう」(在日コンゴ人)といったコメントが。大変実のある会だったと思います。
これが開催できたのも、ロジ・モデレーターを担当してくれた舩田クラーセンさやかちゃん、そして彼女の学生たちです。本当に本当にありがとうございます!そして忙しい中来てくださった土井さんや参加者にも感謝!
この集まりの様子がわかるように、写真を載せたいのですが、なぜかうまくいかない。。。次回まで待ってくださいね。
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過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。