コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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人権団体のヒューマン・ライツ・ナウ(Human Rights Now)というNGOをご存じですか?人権侵害に苦しむ地域に駆けつけて、現地NGOと協力して事実調査を行い、世界に向けて報告し、人権状況の改善を訴えています。私はHRNの集まりで昨年コンゴの人権状況について話したり、HRNが企画するセミナーに参加しています。
今年2-3月に私はJICAのアフリカ仏語圏平和構築研修にかかわったのですが、その研修にHRNの理事である伊藤真氏(弁護士)が 「平和憲法と戦後民主主義」」という講義をし、研修生の間で大評判でした。その時の様子を、伊藤氏はHRNニュース7月号に下記のように書いています。
「(研修で)印象的だったのは、日本が60年以上も憲法を書いていないという話になったときに、それをうらやましがれたことです。あるアフリカから来た官僚は自分の国では大統領が変わるたびに憲法も変わってしまい、国の機関も入れ替わってしまう。つまりごく一部のインテリ権力者の私利私欲のために憲法が変えられてしまうというのです。一度決めた憲法を容易に変えさせないようにするにはどうしたらいいのかという議論になりました。つまり人の支配でなく法の支配にするにはどうしたらよいかという根本的な問題的です。」
そして下記のように伊藤氏は提案しています。
「権力者にとっても法の支配が自分の利益にもなると思わせることが必要だ。そのためには、憲法や人権を守った政治をすれば外国から一定の利益を得られるというようなガイドラインを作ってその達成度によって日本が経済援助をするような制度はどうだろうか、つまり外圧を利用する、と提案してみました。すると、ぜひ日本にそうした目安となるガイドラインを作ってほしいと言い出したのです。立法・行政・司法が憲法に従って行われているかを分野ごとに評価して、達成度に応じて経済援助を受けられるという具合に努力目標があると、利権によって潤う権力者も憲法を大切にするだろうというのです」
もちろん外圧(条件付けの援助)を使って権力者に人権尊重を理解させ、それを実行させるのはいろいろ問題がでてくるでしょう。何しろ、いくつかのドナー国や経済界も、そもそも相手国の貧困削減等に関して真剣に考えておらず(何人かの外交官がそのようにはっきり言っていたのを聞いたことがあります)、援助=ビジネスとして見ています。だからこそ、相手国が「腐った国家」であっても、「TICADで援助を倍増することを約束したから」という理由で援助し続けているのです。また、援助を受ける政治家の問題意識が低くければ、人権尊重のことをわからないまま、単に外圧を避けるためにガイドラインを守るかもしれません。
しかしガイドラインをきっかけに、政治家が人権問題に意識する可能性もあります。人権団体や弁護士団などが外務省やJICAと共に、人権の目安を重視する新しい形の国際協力をつくっていきたいものです。
今年2-3月に私はJICAのアフリカ仏語圏平和構築研修にかかわったのですが、その研修にHRNの理事である伊藤真氏(弁護士)が 「平和憲法と戦後民主主義」」という講義をし、研修生の間で大評判でした。その時の様子を、伊藤氏はHRNニュース7月号に下記のように書いています。
「(研修で)印象的だったのは、日本が60年以上も憲法を書いていないという話になったときに、それをうらやましがれたことです。あるアフリカから来た官僚は自分の国では大統領が変わるたびに憲法も変わってしまい、国の機関も入れ替わってしまう。つまりごく一部のインテリ権力者の私利私欲のために憲法が変えられてしまうというのです。一度決めた憲法を容易に変えさせないようにするにはどうしたらいいのかという議論になりました。つまり人の支配でなく法の支配にするにはどうしたらよいかという根本的な問題的です。」
そして下記のように伊藤氏は提案しています。
「権力者にとっても法の支配が自分の利益にもなると思わせることが必要だ。そのためには、憲法や人権を守った政治をすれば外国から一定の利益を得られるというようなガイドラインを作ってその達成度によって日本が経済援助をするような制度はどうだろうか、つまり外圧を利用する、と提案してみました。すると、ぜひ日本にそうした目安となるガイドラインを作ってほしいと言い出したのです。立法・行政・司法が憲法に従って行われているかを分野ごとに評価して、達成度に応じて経済援助を受けられるという具合に努力目標があると、利権によって潤う権力者も憲法を大切にするだろうというのです」
もちろん外圧(条件付けの援助)を使って権力者に人権尊重を理解させ、それを実行させるのはいろいろ問題がでてくるでしょう。何しろ、いくつかのドナー国や経済界も、そもそも相手国の貧困削減等に関して真剣に考えておらず(何人かの外交官がそのようにはっきり言っていたのを聞いたことがあります)、援助=ビジネスとして見ています。だからこそ、相手国が「腐った国家」であっても、「TICADで援助を倍増することを約束したから」という理由で援助し続けているのです。また、援助を受ける政治家の問題意識が低くければ、人権尊重のことをわからないまま、単に外圧を避けるためにガイドラインを守るかもしれません。
しかしガイドラインをきっかけに、政治家が人権問題に意識する可能性もあります。人権団体や弁護士団などが外務省やJICAと共に、人権の目安を重視する新しい形の国際協力をつくっていきたいものです。
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プロフィール
HN:
米川正子
HP:
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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