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なぜ二人とも1月に暗殺されたのか?1月中旬というのはアメリカ大統領の政権交代の時期で世界最強のパワーの「真空空間」にあたり、CIA等が「大事件」を実行するのに絶好だからなんですね。ルムンバが暗殺された1961年当時のアメリカ大統領は共和党のアイゼンハワーで、その3日後の20日にケネディー大統領(民主党)が就任されました。2001年には、民主党のクリントン大統領から共和党のブッシュ大統領に交代されています。
カビラ前大統領はさておき、ルムンバ大統領がなぜコンゴだけでなく、アフリカ、そして世界で有名かというと、彼は「アフリカ独立のヒーロー」であったからです。1960年6月30日のコンゴの独立日での演説で、彼は国の資源を国民のために使うと述べたために、西洋諸国の脅迫に合います。当時は東西冷戦中で、爆弾作りに欠かせないコバルトは世界でコンゴとソ連にしかないため、アメリカはコンゴに依存していました。それがルムンバ首相によって手に入らなくなると危機感を覚えたアメリカは彼を共産主義扱いし、ベルギーと共に翌年彼を暗殺したのです。
「彼は独立をあまりにも急ぎすぎた」「彼は外交も知らずに首相になり、理想だけを持っていた(郵便局事務員から政界に進出した)」とルムンバを批判する人はコンゴ人の間にもいるのですが、当時冷戦のピークで、アフリカ独立運動が盛んで、しかもルムンバ自身も若かったので、仕方がないという見方も。まあ、リーダーシップもヴィジョンもない某国の首相と比べると、はるかにいいと思うのですが。
それにしても、世界の革命家というのはなぜ30代で暗殺されているのでしょうか。ルムンバは35歳、ステイーブ・ビコ(南ア)は30歳、トーマス・サンカラ(ブルキナ・ファソ)は37歳、チェ・ゲバラは39歳、マーテイン・ルーサー・キング牧師は39歳。この人たちが生きていたら、この世の中どう変わっていたのだろうと思うことも。きっと天国から、地球に住んでいる我々のことを「歴史の教訓を学ばずに、同じ過ちを犯している」と馬鹿笑いしているでしょうね。何とも残念なことですが。。。
http://www.crisisgroup.org/en/regions/africa/central-africa/dr-congo/165-congo-pas-de-stabilite-au-kivu-malgre-le-rapprochement-avec-le-rwanda.aspx
そもそも掃討作戦は不十分に計画され、また昨年3月に武装勢力のコンゴ政府軍への軍統合が同意されたものの、武装勢力の中には戦争犯の疑惑の人がいたりと軍事的現状は無茶苦茶です。それによって人道状況は悪化し、過激的な暴力事件は増加しました。
ロシア政府も本人も罪を否定しているらしいのですが(本人の正式なサイトには単なる商人としか書いていないらしい)、彼はコンゴ、アンゴラ、リベリア、アフガンやボスニアの戦争で武器を提供してきました。
フランスのRFIによると、コンゴでは1996年の第1次コンゴ戦争の際に、彼は反政府勢力AFDL(ルワンダ政府等が支援)やその後できた反政府勢力MLC(ウガンダ政府が支援)に武器を提供し、AFDLの代理としてつくられた反政府勢力RCD-Goma(ルワンダ政府が支援)や、ルワンダ政府が「テロリスト」と呼ぶルワンダ反政府勢力のFDLR(ルワンダ虐殺の首謀者などがつくった)は、ブートゥ氏の主な得意客であったそうです。
またコンゴ東部では資源の密輸や国連機関の援助物資の運送にも関わり、東部にある地方都市ベニにあるホテルの共同オーナーでもありました。戦争経済も平和経済(人道支援を含め)もこういう人たちが関わっていて、彼らが金儲けできるようになっているのですね。私はベニに出張で数回行ったことがあるのですが、私が泊まっていたホテルがそうだったとしたら?またUNHCRの援助物資も彼の会社が運んでいたとしたら?そう思うと、ぞーと怖くなりました。
映画「ロード・オフ・ウオー」(Lord of War)は世界の紛争地で活躍する武器商人が主人公でしたが、まさしくその世界。恐ろしいですね。
*コンゴと鉱物資源と日本***
*「アフリカも世界の一部」第**18**号*
第2次世界大戦後、世界最大の紛争を抱えているコンゴ民主共和国<http://atlas.cdx.jp/nations/africa/congo-dr.htm>
(DRC)は不安定な状況が続く。紛争と様々な鉱物資源の採掘が密接につながっている。そして日本とも決して無関係ではない。
DRCの東部にあるコルタン(タンタルの原料)、スズ、タングステン、金などの鉱山の多くは国軍を含む武装勢力にコントロールされ、労働力は奴隷に近い状況が少なくない。南部にある銅、コバルトの鉱山は紛争地から離れているが、大手企業が利益を得ても、鉱山労働者が得られる収入は少なく、鉱山が環境にもたらしている悪影響は大きい。
電子回路の部品であるコンデンサに欠かせないタンタル。DRCには世界の埋蔵量の6~8
割があると考えられている。主に闇市場で動いているため、実際の生産量は測りにくいが、昨年、DRCのタンタルは世界の生産量の9割も占めたと推測されている。その多くは中国が輸入しており、そして日本の電子産業に使われているタンタルの多くは中国から輸入している。
今年7月、アメリカでDRCの紛争と鉱物資源に関する法律ができた。2011年4月からは、アメリカの企業が使用している鉱物資源がDRCの紛争と無関係であることを証明する義務を負う。実質的にDRCとその周辺国からのタンタル、スズ、タングステン、金などが使えなくなる。そのため、来年タンタルの値段は今年の4倍に跳ね上がると見込まれている。DRC東部では武装勢力と鉱業の関係が続いているため、カビラ大統領は一時的に東部の鉱山の活動禁止指令を発令した。しかし、鉱業を続行している鉱山もある。
また、環境に優しいと言われている電気自動車の生産が増えているため、リチウムイオン電池の需要も跳ね上がっている。日本の三洋電機は生産量を5年で10倍にする予定で、「加西グリーンエナジーパーク<http://journal.mycom.co.jp/news/2010/10/19/005/index.html>
」という新しい工場を完成したばかりである。世界のリチウムイオン電池に含まれるコバルトは極めて環境状況が悪い鉱山で採られている可能性が高い。世界のコバルト生産量の4割はDRCが占める。中国も韓国もコバルト、銅などを確保するためにDRCに大規模の投資を計画している。
また、日本の企業はDRCの石油の採掘に関わっている。国際石油開発帝石株式会社は1970年からコンゴ民主共和国沖合鉱区<http://www.inpex.co.jp/business/africa.html>
で石油の開発に参加しており、現在も採掘が継続されている。さらに今年から、同社はDRCの陸上油田<http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2010/20100825.pdf>
の開発にも参加しているが、今のところ石油は発見できていない。
日本のメディアは相変わらず、DRCの状況を無視している。読売新聞では紛争の状況や政治情勢を伝えるどころか、アメリカの紛争鉱物の法律と日本の電子産業への影響すら伝えていない。日本の経済成長に欠かせない電子産業、そして日本で高まる環境意識。
DRC情勢とその鉱物資源に目を向けるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。
*以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。*このリンク <https://app.yomiuri.co.jp/form/>*
から直接投稿してください。*
(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。
「コンゴ民主共和国の情勢と日本の電子産業との関連が深まっています。特にアメリカで紛争鉱物に関する法律ができたため、日本の電子産業に欠かせないタンタル、スズ、タングステンなどの市場が大きく動き始めています。しかし読売新聞はなぜかこの状況を伝えようとしません。他人事ではありません。コンゴ民主共和国の情勢に目を向けるべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」
英語になりますが、以下のサイトを参照に:
DRCの金の鉱山と国軍の関わりに関する記事 <http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-11722142>
価値が高まるタンタルに関する記事<http://af.reuters.com/article/drcNews/idAFLDE6A01N320101110>
DRCの銅・コバルトと中国 <http://www.atimes.com/atimes/China_Business/LC11Cb02.html>・韓国<http://www.reuters.com/article/idUSLDE69T08O20101030>
の投資
「アフリカも世界の一部」運動とは?このページ<http://stealthconflictsjp.wordpress.com/2010/07/18/africamosekainoichibu/>
をアクセス。
メールの配信を希望する方はこのアドレス <stealthconflictsforum@gmail.com>にメールを。
過去の記事はこのページ<http://stealthconflictsjp.wordpress.com/category/%e3%80%8c%e3%82%a2%e3%83%95%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%82%82%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e4%b8%80%e9%83%a8%e3%80%8d/>
からアクセス
「ステルス紛争」とは?このページ <http://stealthconflictsjp.wordpress.com/>をアクセス。
*
このメールは転送可です。「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!
***
後半のパネルディスカッションで「もっとメデイアがコンゴ紛争を取り上げるべき!」という話になったとき、メデイアによる国際紛争への反応を研究しているVirgilさんが口にしたコメント:
「10月14日の読売新聞(朝・夕)に掲載されたチリ鉱山落盤に関する記事の量は、今まで取り上げられたコンゴ紛争の記事の5年分に値する」
参加者はシーン。私も同日の朝日新聞を読みながら、なぜ一事件に対してこんなに詳細に取り上げられる必要があるの?と思っていたのですが、コンゴ紛争の5年分だったとは驚きでした。
別にチリ鉱山落盤を軽視していいと言っているわけではないのですが、もっと国際記事をバランスよく取り上げて欲しいですね。同様な問題がアフリカで起きていたら(実はかなりの頻度で起きている!)、どこまで報道されていたことやら。6月のワールド・カップ中だったら、ちょうどアフリカブームになっていたから多少は関心があったかもしれませんが。
ということで、メデイアの方々、国際版、特にアフリカのニュースをもっと取り上げてください!TICADやアフリカ・フェスタなどを年に数回の企画をするだけでは足りなく、アフリカのニュースが日常的に聞けるぐらい身近にしてもらいたいものです。
同じコンゴに関しては書きたいことがあるのですが、今日は興奮しすぎてそれどころではない。明日に回します。
10月22日(金)、23日(土)に大阪で開催されるイベント、CONGO WEEKをご紹介いたします。私のコンゴ仲間が企画し、去年私も講師として話をさせていただきました。お問い合わせ等は、下記の主催者までお願いいたします。
主催:Virgil HAWKINS大阪大学准教授×NGO Peace Village×日本ルワンダ学生会議
争が勃発し、第二次世界大戦以降最大規模の約540万人が命を落とています。紛
争の一因は携帯・パソコン・デジタルカメラに不可欠な鉱物資源であり、その消
費者である我々日本人も決して他人事とはいえません。
深める為にコーディネートしているキャンペーン週間で、今年度は10月17~23日
です。世界40カ国が参加するグローバルな運動で、大阪はアジアで唯一「重点都
市」に指定され、その活動が期待されています。
Congo Week紹介動画:http://www.youtube.com/watch?v=q-W82R5FPyM
教授による講演会を企画し、学生同士ディスカッションする時間も設けます。講演
会後のカフェもお気軽にお立ち寄り下さい。講演会又はカフェ、どちらか一方の参
加も大歓迎です。
体験演劇を上演し、演劇の感想を皆で共有するワークショップを取り入れたチャリ
ティイベントを開催します。NPO Friends of the Congoを通じて、コンゴで紛争被
害にあった人々に募金致します。
「コンゴ民主共和国の紛争を知る、考える、語る」
10月22日(金)16:20~17:50
場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・2階セミナー室1
(阪急石橋駅徒歩15分)
講師:ヴァージル・ホーキンス(大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)准教授)
アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3
「コンゴともよろしく」
10月22日(金)18:10~19:40
場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・1階食堂カルチエ
(阪急石橋駅徒歩15分)
※コンゴ民主共和国とテレビ電話をつなぐ予定
アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3
予約:氏名をご記入のうえpeacevillage8@gmail.comまでご連絡下さい
「コンゴ ―君に届け―」チャリティイベント
10月23日(土)18:00~20:00(17:40開演)
場所:吹田市 豊一市民センター
(地下鉄北大阪急行江坂駅徒歩10分、阪急豊津駅徒歩15分)
アクセス:http://www.sutv.zaq.ne.jp/shisetsu/institution/center_toyoiti.html
Virgil HAWKINS大阪大学准教授(ブログ:http://stealthconflictsjp.wordpress.com/)
NGO Peace Village(団体HP:http://peace-village.jimdo.com/)
日本ルワンダ学生会議(団体HP:http://jp-rw.jimdo.com/)
報告書の分析に関しては次回書きたいと思います。
http://www.ohchr.org/EN/Countries/AfricaRegion/Pages/RDCProjetMapping.aspx
イブ氏のインタビューで印象に残ったことは「私のガンはコンゴの女性の悲惨さに比べるとまだまし。なにしろ、私には周辺から「早く治って」という励ましや関心があり、それが最大の治療薬になっているから。コンゴの女性は世界から忘れられている。ボスニアの女性も以前同じ目にあったが、世界からの関心があったので1年半で解決された。コンゴではその意思がないため、13年も女性が苦しみ続けている」と目を少々赤くしながら、話していたことでした。
関心の問題に関しては同感です!7月30日から8月3日までコンゴ東部のある村で約150-200人の女性が集団レイプされた事件で、コンゴの国連平和維持軍(PKO)の信頼はなくなっただけでなく、市民への無関心さが再び浮き彫りにされました。その村の近くにPKO軍の基地があり、その村がコンゴとルワンダの武装勢力(=性的暴力の加害者)に支配されているとわかってながらも、PKO軍は3週間も何の行為をとらなかったそうです。それは「住民がレイプのことをPKO軍に教えてあげなかったから(言わない方が悪いんだ)」だとか。そしてこの対策として、PKO軍はパトロールを強化すると国連事務総長代表は話していました。
今日は映画「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の試写会を観て、エキサイトしてしまいました。私は2001‐3年にこの映画舞台であるコンゴの首都キンシャサにUNHCRで赴任され、また1999-2000年にコンゴ西部、そして2007-8年にコンゴ東部に赴任されたとき、時折キンシャサに行き来していたので、なつかしく思いました。でもそれだけでなく、ベンダ・ビリリというバンドの音楽が大変パワフルで、元気と勇気を与えてくれます。皆さんにもぜひ観賞をお勧めます。
このコンサートに関しては
http://bendabilili.jp/concert.html
そして9月から上映される映画に関しては
http://bendabilili.jp/movie/
キンシャサについていろいろ話したいことがあるのですが、ここでは一つだけ書きたいと思います。キンシャサに赴任中、私は両親を招待したことがあり、キンシャサ市内と郊外、そしてコンゴ西部にある難民キャンプに案内をしました。これを周りの人に言うと、相手がコンゴ人でも日本人・外国人でも(またUNHCR職員でも)かなりびっくりされるのですが、自分の勤務地、そして自分がオープニングに関わった難民キャンプを見せることは、一種の「親孝行」としてフツ―にとらえていました。それを言うと、ますますびっくりされるのですが。。。
といってもキンシャサには美術館も博物館といった観光らしいところがないので、どこに連れて行こうか正直迷いました。ボノボの孤児院に行ったり、服の仕立て屋さんでコンゴ風の服をオーダーしたリ、「ドロボー市場」と言われるお土産さんの市場でコンゴの素晴らしい民芸品を買ったり、コンゴ川を見ながら新鮮な魚料理を食べたり、活気溢れる下町の屋台で揚げた虫を食べたり(そのせいか、その数日後、母は寝込んでしまいました。。。。)といった日々を過ごしました。
キンシャサから西200kmにある難民キャンプに行った時は、難民が両親を大歓迎してくださいました。「あなたの両親ということは、我々の両親でもある」と言うのです。なんて素晴らしい言葉!あなたのものは我々のものという、アフリカ人の共有する心は大好きです!そのキャンプには、私の名にちなんで「レストラン・ママ・マサコ」があったのですが、そこのオーナーが両親のために昼食を用意してくれ、また難民らは両親に民芸品のプレゼントまでくれました。今思い出すだけでも涙が出てきそうなぐらい暖かく迎えてくれ、大変感謝しています。
そう、そのコンゴ人のホスピタリテイ-やサバイバル力も「スタッフ・ベンダ・ビリリ」から伝わります。ぜひご鑑賞を!
ところで、6月30日にコンゴの独立50周年を記念に、大通りや記念式が行われた通りには電灯がつき、今はカップルのデート場所にもなっているとか。また人々の表情が明るくなっているらしく、それは「中国が入って助けてくれる」と期待しているからだそうです。
中国は2007年にコンゴ政府との間に総額90億ドル(その後60億ドルに下がる)の契約を結び、これはアフリカにおける1つの投資として最大級のもので、中国がコンゴ国内のインフラ整備をも請け負うのと引き換えに、天然資源を入手することになっています。
この「中国が入るので、コンゴの将来は大丈夫だ」と楽観的な声は以前からよくコンゴ人から聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
自分たちで国づくりをするのでなく、外部者が国づくりをする。どんなに外部者がいい援助をしたとしても、長続きしないのは目に見えています。何事も自分が主人公にならないと、友人の早川千晶さんの言葉通り「外からの援助では、現地人は愛着が湧かなく」、したがってどこかでつまづいた時自分たちで解決するのでなく、「また中国人に頼ろう」と依存してしまうからです。(ちなみに私は援助が必ずマイナス要因をもたらすと言っているのではありません。現地の状況によっては援助が必要となる時もありますが、現地のニーズを把握し彼らが決定権をもたすことが大事です)
学ぶこともそうで、カンニングやコピペを通して試験やレポートでいい点を一時的にとっても、そのようなやり方だと一生頭に残らないのは最初からわかっていることです。反対に、苦難を通して(時間がかかったとしても)知識を自分のものにした時の喜びは大きく、また大きな自信となります。私もまだまだ勉強不足ですが、コンゴやルワンダに関する研究で新しいことを学んだ時、そしてそれを人と共有するときは大変エキサイトし、それが「もっと学びたい!」という感情を高ぶるのです。
コンゴ人のことは好きですが、いつまでもこのような依存心を持っていると、残念ながら彼らの将来は明るくないでしょう。自分ら国や人生のシナリオを描いてもらいたいものです。
しかし昨日学食で学生たちと昼食を食べていたら、一人が「先生のブログを読んでいます!いろいろ勉強になっています!」という励ましの言葉をもらい大変感動したので(涙。。)、これからできる限り毎日書こうと思っていま~す!
さてなぜこの数日私がプログに従事できなかったかと言うと。。。(単なる言い訳にしか聞こえないが)
昨夜六本木でPecha Kucha Nightに行き、『コンゴ~「アフリカの奪い合い」の中心地』(Congo: The Center of "Scramble for Africa")という題名でプレゼンをしました。このPecha Kucha Nightは、もともと建築家やデザイナーたちが出会って、自分たちの作品を発表しあう場として2003年に東京にできたのですが、それが今は世界80市に広がりました。六本木という場所もあり、外国人もたくさん集まります。私は友人の紹介で5月に初めて来て、今回来るのが2回目です。
www.pecha-kucha.org
このプレゼンの面白いところは、20スライドをそれぞれ20秒で発表することです。自分でパソコンの操作はできなく、だらだらと話をしていると、次々と自動的にスライドが変わってしまう仕組みになっています。20秒で大体のことは話せますが、私は欲張りなので、ついついあれもこれも話したいと思ってリハーサルしていると、時間がオーバーし、テキストやスライドの写真を何回も変えました。簡潔に説明することの大事さ・難しさを改めて学び、そういう意味でいい勉強になりました。
話はそれますが、私がまだUNHCRにいた時、(元)軍人と働くことが多かったのですが、彼らは文民と違っていつも要点だけを話すので、(元)軍人が司会する会議は必ず短く終わって助かりました。反対に文民が司会する会議(残念ながらこの方がずっと多いのですが)はまるで時間が永遠にあるかのように何時間も続き、参加者が皆参ったものです。時間管理やスピーチ管理に関してこの教訓から私もなるべく簡潔に話すようにしています。
Pecha Kucha Nightでは、おかげさまで私のプレゼンは一応うまくいったのですが、プレゼン後の司会者の言葉にびっくりしてしまいました。
「あなたは遠慮なくずけずけと話しましたね」(you are quite outspoken)
まあ確かにデザインや自分の趣味っぽいプレゼンが多いPecha Kucha Nightで、私のような国際政治が絡んだことを話す人は珍しい(あるいは初めて?)かもしれません。しかも、ルムンバ首相がCIAやベルギー政府によって暗殺されたことや、コンゴの戦争経済で儲けた者としてルワンダや多国籍企業などを挙げたので、あまりにもデリケートだと思われたかもしれません。しかし、これらは私の作り話でもなく、陰謀説でもありません。ですから、私は司会者に「でもこれらは事実で、我々は知る必要があります」と答えました。
人の悪口をずけずけと話すのはよくありませんが、コンゴや他の国での悲劇、しかも我々の日常生活と無関係でない悲劇に関して、誰かが知らさなければ、この世の中はどうなるでしょうか。ファッションやグルメ等の話だけで盛り上がっていいのでしょうか。しかも私は日本という安全な場で遠慮なく(まあ多少遠慮していますが)話せますが、社会を変えようと命がけで腐敗や人道侵害などを伝えている現地人のジャーナリストや人権活動家がいます。その中には命を落としている人もいます。彼らに対して、「あなたはよくそんなことをずけずけと言えますね」と平気で言えますでしょうか。
これにも負けず(というか特に気にしていないが)、これからもずけずけと話そうと思いますので、ご付き合いください!
いろんな外国のメデイアがそれに関して報道しています。残念ながら日本のメデイアは全然取り上げていません。アー情けない。。。実は数日前にジャーナリストの知人にルワンダの現状に関する簡単な書類を送ったのですが、何の反応がありません。。。それはともかく、ルワンダに関する外国の報道を私のtwitterで定期的に紹介していますので、関心がある方は見てください。私のtwitterのアカウントはmasako1884です。(なぜ1884という数字を付けたかというと、1884-1885年に開催されたベルリン会議で、アフリカの植民地分割がされたことによって、アフリカの中でもコンゴの悲劇の歴史が始まったからです。)
今日は久々にコンゴの話題を話したいと思います。毎年10月に「コンゴウィーク」という、世界最悪の紛争国であるコンゴの悲惨さに関する啓蒙活動が世界中で行われます。昨年私も大阪大学での企画で話をし、それがyoutubeに載せられたので、観てください(私のパワーポイントはちらっと出ていますが、私自身は出ていません)。
http://www.youtube.com/watch?v=jiDxvt3pveA
今年も阪大で、Virgil Hawkin先生が企画しようと計画しています。関心がある人はぜひVirgilさんのブログへ連絡してくださいね。
http://stealthconflicts.wordpress.com/
え?私は関東でコンゴウィークをやらないのかって?実は9月に宇都宮大学等が主催する「国際キャリア開発プログラム」で合宿を2回開催するので(私も人道支援と平和構築で英語で分科会をします)、10月には他の企画をする余裕がありませ~ん。また、今コンゴやルワンダの人権問題に関して研究しようかな~と思っているので、しばらく大きな企画には手を突っ込まない予定です。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/world/africa/10431994.stm
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過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。