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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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大震災以降,「がんばろう日本!」というスローガンがあちこちに見られ,それを疑問視する声が市民からあります。先日郡山に行った際も,現地の人々が「あれは東京発の声。放射能のせいで,我々が県外に行くと「バイ菌」扱いされているのに何をがんばれっと言うの?」と。まさにその通りで,原発などの問題の原因が解決されていないのに,がんばろうという声だけを独り歩きしています。
 
話はそれますが,「がんばろう日本」のスローガンの問題についてある在日外国人(アフリカ諸国)と話していたら,以下のようなコメントが返ってきました。
 
「私は日本政府を批判することはできない。何しろ,アフリカの多くの国では,戦争や性的暴力が起きようと,それを話題にしないだけでなく,その事実を認識しようともしないから。東電の清水社長が被災民にぺこぺこ謝っていたが,あんなことはアフリカではありえない。昨年アフリカのいくつかの国々が独立50周年記念の行事をし,そのような大きなイベントには各政府はエネルギーと金を費やしたが,肝心の問題に関しては議論もしない。もちろん完璧でないかもしれないが,日本政府の現在の対応を賞賛したい。」
 
うーん,アフリカ諸国の人からすると,日本政府の対応は評価できるんですね。まあアフリカで起きている上記のケースは最悪と思った方がいいので,あまり比較したくないのですが。
 
話は戻って,昨日ビンラディンが殺害されてから,オバマ大統領が「これで世界がより安全になる」と述べ,「Justice for all(皆に正義を)」とスローガンのように繰り返していますが,その単純さに驚くとともに呆れてしまいました。ビンラディンの殺害で,世界のテロの原因は本当に解決されたのでしょうか。彼の殺害をアメリカ人が喜ぶ姿を見て、新たなテロを引き起こす(タリバン)可能性もあるというのに。また「皆に正義を」と言う前に,自国アメリカが犯している戦争犯罪などを反省し,対処してほしいですよね。あと今のICC(国際刑事裁判所)の機能はどうなっているの?とも聞きたくなります。(ある学者がICCのことを,「西洋人によるアフリカ人のための裁判所」と述べていましたが,本当にその通りです。)
 
単なる標語と思われるかもしれませんが,それによって傷ついている人,怒りを感じた人も大勢いることを知る必要があると思います。このようなキャッチフレーズの意味づけや,誰の視点のものなのかなどについて,もう少し考える必要がありますね。
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プロフィール
HN:
米川正子
性別:
女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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