[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「ルワンダでは和解と許しがされた。ガチャチャ(草の根の裁判制度)でそのような行為があった」しかし真実がそもそも明らかになっていないのに(10月1日付けの国連報告書で真実が正式に明らかになったが、ルワンダ政府は否定した)、その次のステップの和解、そして許しは実現できるはずがありません。そのため現在も、ルワンダ人の野党や平和活動家などが現政権と闘っているのです。アムネステイ・インタナショナルもガチャチャの不公平さを指摘し、ルワンダ国際戦犯法廷(ICTR)も現政権の人は誰一人裁かれていないなど、不合理な点がたくさんあります。
「犠牲者の視点を大切にと言うが、犠牲者が同時に加害者である時もある」確かにルワンダ現政権は両方の面を持っていますが、コンゴ東部の市民に限っては100%ピュアな犠牲者です。
「完全にjusticeを解決することはできない。」(私がしつこくjusticeをもっと重視しないと言うと)もちろんそこまで求めていません。例えば2003年にコンゴで真実と和解委員会の話が持ち上げられ、1960年(独立時)から2003年までの犯罪に対して裁こうとし、結局失敗しました。40年以上のスパンで真実を求めるのは非現実です(そもそも多くの証言者が亡くなっている)。しかし最低、最近の主要な戦争犯罪人は裁くことはできるはず。これができない限り、同じ戦争犯罪人が残虐行為を続ける一方です。
「しかしあなた一人が頑張っても状況は良くならない」そう、確かに私一人には変革する権力はありません。しかし、最低状況が悪化するのを止めたいと思っています。私や周りの関係者がコンゴ東部でできることは、これくらいの「平和構築」しかないかもしれません。「生命を救う」と同じレベルで、目標は高くないのですがこれが現実です。何とも悲しいことですが。。。
その方は私の本「世界最悪の紛争『コンゴ』」を読んでくださったのですが、「内容がかなり悲観的、本当にコンゴとルワンダには希望がないのか」と早速聞いてきました。「コアな問題である、不処罰(impunity)や司法の問題を多少解決したら、希望は多少見えるだろう」と答えると、納得したようですが、その本人も私と同様に悲観的でありました。
私はコンゴ東部にいた時からこの不処罰の問題が大変気になり、いつも何とかできないものかと考えてきました。その方にも「日本は司法の協力ができないのか」と質問したのですが、「日本人には無理。」とあっさり答えました。「そもそも歴史や政治的背景を知らないまま、技術だけで協力をする。元戦闘員に職業訓練をしても、その元戦闘員がどの民族や背景の持ち主なのか答えられない」
そして続けてこう言いました。
「皆『平和構築』と簡単に言うけど、そんなきれいごとではない。ものすごく難しい。私も正直大湖地域の解決法はわからない」
これには同感しました。私は上記の本や講演などで、その実現の難しさを話してきたのですが、その一方で平和構築が簡単であるふうに語る人たちもおり、彼らは私の考えがネガテイブすぎると思っていたのではないでしょうか。しかし私は現実的(realistic)であるだけ。現場に行かないとわからない問題はたくさんあるのです。
(続きはまた明日)
http://en.rsf.org/spip.php?page=classement&id_rubrique=1034
そこで、”we see that economic development, institutional reform and respect for fundamental rights do not necessarily go hand in hand.”(経済成長、制度改革と人権の尊重とは必ずしも隣合わせではない)と話しています。よく国の背景として、人口の寿命、GDP、子どもの死亡率等等を基準とされ、報道の自由は注目されませんが、これは大事なポイントだと思っています。何しろ、「表現の自由」は国の発展に関連しているからです。
ここで言う「発展」は、決してインフラ等の外見的なものではなく、内面的な面です。政府の建設的な批評が出来る、また政府がそれをオープンに受け入れ、それを基に改善するところは、心身ともに市民も国も成長すると信じています。
開発の「優等生」と呼ばれているルワンダは、178カ国のうち169位にランクしました。昨年175カ国のうち157位だったのですが、大分落ちたことになります。外見だけに力を入れてきたことが証明されました。ちなみに今回のノーベル平和賞で中国の報道の自由が話題になっていますが、中国は今年171位にランクされ、あまりルワンダと変わりません。
ということで、もっともっと表現の自由に注目を!
「真」と書いたのは、8月の大統領選挙に出馬した野党は現政権派である「偽物」と言われ(つまり民主主義があると世界に証明するためにつくられたもの)、選挙に出馬できなかった「真」の野党3党のうち、2党のリーダーは逮捕され(一人は6月以降、2人目は4月に続き、今回が2回目)、もう一人は亡命中です。何という混乱状態!
10月7日の大臣の就任式に、カガメ大統領は憤慨した口調で「ルワンダにはもう野党との政治的空間(political space)はない、拠出国(ドナー国)からの教訓はない」と述べました。人権に関して辛口である拠出国を非難したのです。
「野党」がいるから、ルワンダは民主主義があると勘違いしている人がいますが、そのような外見上の形式でなく、政府の「中身」も見て、判断してもらいたいものです。もちろん、カガメ大統領の中身(行為、背景、考えなど)もそうです。
以前平和学者の生み親であるガルトゥング氏が、「民主主義や人権が尊重されていても、自分が正しく相手は間違っているという傲慢な態度があれば、その国は平和ではない」と言ったことがありました。ルワンダは残念ながら、民主主義も人権尊重も謙虚な態度もありません。これからどうなるのか、本当に本当に心配です。
ルワンダ政府にとって最大の恥であった国連報告書が公表されてから、カガメ大統領が西洋諸国の(元)政治家と面会するのは今回が初めてなのでは?普通ある人に「戦争犯」というレッテルが貼られたら、どんな親友でも、その人との面会を遠慮しがちです。スペインのサパテロ首相はカガメ大統領とMDGの共同議長なのですが、後者とは9月のニューヨークでの会議で避けていました、というか「公用で」さっさとスペインに帰国してしまいました。スペインでの市民団体の影響もあり、彼はルワンダの人権問題などに対する問題意識がかなり高いようです(まあ、ルワンダだけではないが。。。)。
反対にブレイア元首相はそんなことお構いなく、アドバイサー(実際に何のアドバイスをしているのかも疑わしい)としてカガメ大統領と会いました。二人ともイラク戦争、コンゴ戦争(またルワンダ内戦)に関与したので、「戦争の友」として仲がいいのでしょうか。
それにしてもこのAGIはどのような活動をしているのかしら??日本の政治家のように個人資産を国民に公開する透明性(transparency)や、大統領の任期を延長せず尊重することを勧めているのか。うーん怪しい!
後半のパネルディスカッションで「もっとメデイアがコンゴ紛争を取り上げるべき!」という話になったとき、メデイアによる国際紛争への反応を研究しているVirgilさんが口にしたコメント:
「10月14日の読売新聞(朝・夕)に掲載されたチリ鉱山落盤に関する記事の量は、今まで取り上げられたコンゴ紛争の記事の5年分に値する」
参加者はシーン。私も同日の朝日新聞を読みながら、なぜ一事件に対してこんなに詳細に取り上げられる必要があるの?と思っていたのですが、コンゴ紛争の5年分だったとは驚きでした。
別にチリ鉱山落盤を軽視していいと言っているわけではないのですが、もっと国際記事をバランスよく取り上げて欲しいですね。同様な問題がアフリカで起きていたら(実はかなりの頻度で起きている!)、どこまで報道されていたことやら。6月のワールド・カップ中だったら、ちょうどアフリカブームになっていたから多少は関心があったかもしれませんが。
ということで、メデイアの方々、国際版、特にアフリカのニュースをもっと取り上げてください!TICADやアフリカ・フェスタなどを年に数回の企画をするだけでは足りなく、アフリカのニュースが日常的に聞けるぐらい身近にしてもらいたいものです。
① ヒューマン・ライツ・ワオッチ東京事務所が
「コンゴ民主共和国:国連報告書が重大な犯罪を公表 ~法の裁きを保証するメカニズム創設に向け国際的な取り組みが必要」
の日本語版をHPに載せました。和訳、大変だっと思いますけど、お疲れ様でした!皆さん、見せてくださいね。
http://www.hrw.org/node/93634
② 昨日のブログで野党リーダーの逮捕について書きましたが、その理由は、彼女がコンゴ東部にいるルワンダ反政府勢力(FDLR)と関わっているためだそうです。人権団体や他の野党は、この理由づけに対して抗議をし、また何の根拠なしに逮捕されている他の野党の二人の解放も求めています。
*****
コンゴとルワンダのことを一緒に書いてしまいましたが[また今までのブログでもそうですが)、両国で同時進行でいろんなことが起きており、それらがほとんどお互いに関連しています。だから1か国だけをフォローしてもわからないことが、地域という全体図で見ると理解することがあります。
以前、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)で働いていたのですが、UNHCRのメリットは国境を越える難民を扱っているために、国単位でなく地域単位で状況を見ないと仕事ができなく、したがって全体図を見る目を養わせてくれました。このようなcross borderの特色がある団体はそんなにないでしょう。何しろ、、隣国にいる同僚とは頻繁に連絡を取り合っていたので親密な関係になっても、同じ国内で働く同僚を知らないといったことがよくあります。
この全体図を見る重要性は、今の研究などに役立っています。UNHCRに感謝!
今年8月の大統領選挙に出馬するために、16年いたオランダに夫と3人の子供を置いてルワンダに帰国したものの、「ツチだけでなく、フツの犠牲者も悼むべきだ」の発言によってルワンダ政府から目をつけられ、自宅軟禁をされパスポートをとられるなど、さまざまな形で脅迫を受けました。彼女の部下も同じような目にあっています。
表現の自由がないルワンダでただ一人、現政権に対して声をあげていた人なので、大変心配です(声を上げた人たちはほとんど全員国外に亡命した)。
情報が入り次第、このプログでも更新したいと思いますが、これからどうなるの~?
同じコンゴに関しては書きたいことがあるのですが、今日は興奮しすぎてそれどころではない。明日に回します。
劉暁波氏のノーベル平和賞受賞は、人権や平和推進活動をしている私にとって嬉しいニュースでした。本当におめでとうございます!昨年はオバマ大統領の受賞後アフガンへの戦争を始め、しかも授賞式で彼が「戦争は時折必要」と述べたこともあり、かなりがっかりしたのですが、劉氏はリスクを負いながらも非暴力で人権尊重を実現しようとしているので、喜ばしいものです。それにしても彼にはそのニュースが届いているのでしょうか。また彼の妻も行方不明になっていると聞き、大変心配です。
この受賞に対して中国政府は即反発し、ジャーナリストや人権活動家をシャットアウトし、またノルウェー大使を呼びつけて、中国とノルウェーとの関係が損なわれることになると警告。これってまるで最近のルワンダ政府の反応のよう!とついつい比較してしまいました。1週間前に公表されたコンゴの人権状況に関する国連報告書にルワンダの「虐殺」の関与の疑いが書かれていたのですが、それにルワンダは憤慨し、いろいろと国連に脅迫していました。過去にも、ルワンダ虐殺の開始直前に起きた飛行機墜落事件の責任者について書かれた報告書を巡って、ルワンダはフランスとの国交関係を停止したことがあります。失礼ながら、中国政府といい、ルワンダ政府といい、外部から見ていて醜い行動を起こしています。
人権といえば、昨日難民映画祭で「レポーター」というドキュメンタリーを観たことを思い出しました。この映画はいろいろと勉強になり、大変お勧めです!ニューヨークタイムズの記者、ニコラス・クリストフが2007年7月コンゴ東部への取材中、ンクンダという戦争犯で知られている反政府勢力の将軍に会ってインタビューをしたシーンがありました。(実は私も同時期にコンゴ東部で勤務していたので、なつかしい風景を見ながらセンチメンタルになってしまいました~。またンクンダとも2回会って話したことがあるのですが、詳細は著書「世界最悪の紛争『コンゴ』」の127ページをご参照ください)そこで、将軍が言った言葉に思わず笑いうなずいてしまいました。
「コンゴ(「アフリカ」の聞き間違いかもしれないが)には人権(human rights)は存在しない。強い者の権利(strong rights)しかないんだ」
確かにあっている!そしてこれってまさに中国やルワンダにも当てはまる言葉ですね!もちろん、日本を含む世界各地でも起きていることでもあります、悲しいことに。。。。弱い立場にいる者の権利(weak rights)を尊重する世界に変えていかなくては!劉氏を見習いましょう!
10月22日(金)、23日(土)に大阪で開催されるイベント、CONGO WEEKをご紹介いたします。私のコンゴ仲間が企画し、去年私も講師として話をさせていただきました。お問い合わせ等は、下記の主催者までお願いいたします。
主催:Virgil HAWKINS大阪大学准教授×NGO Peace Village×日本ルワンダ学生会議
争が勃発し、第二次世界大戦以降最大規模の約540万人が命を落とています。紛
争の一因は携帯・パソコン・デジタルカメラに不可欠な鉱物資源であり、その消
費者である我々日本人も決して他人事とはいえません。
深める為にコーディネートしているキャンペーン週間で、今年度は10月17~23日
です。世界40カ国が参加するグローバルな運動で、大阪はアジアで唯一「重点都
市」に指定され、その活動が期待されています。
Congo Week紹介動画:http://www.youtube.com/watch?v=q-W82R5FPyM
教授による講演会を企画し、学生同士ディスカッションする時間も設けます。講演
会後のカフェもお気軽にお立ち寄り下さい。講演会又はカフェ、どちらか一方の参
加も大歓迎です。
体験演劇を上演し、演劇の感想を皆で共有するワークショップを取り入れたチャリ
ティイベントを開催します。NPO Friends of the Congoを通じて、コンゴで紛争被
害にあった人々に募金致します。
「コンゴ民主共和国の紛争を知る、考える、語る」
10月22日(金)16:20~17:50
場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・2階セミナー室1
(阪急石橋駅徒歩15分)
講師:ヴァージル・ホーキンス(大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)准教授)
アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3
「コンゴともよろしく」
10月22日(金)18:10~19:40
場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・1階食堂カルチエ
(阪急石橋駅徒歩15分)
※コンゴ民主共和国とテレビ電話をつなぐ予定
アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3
予約:氏名をご記入のうえpeacevillage8@gmail.comまでご連絡下さい
「コンゴ ―君に届け―」チャリティイベント
10月23日(土)18:00~20:00(17:40開演)
場所:吹田市 豊一市民センター
(地下鉄北大阪急行江坂駅徒歩10分、阪急豊津駅徒歩15分)
アクセス:http://www.sutv.zaq.ne.jp/shisetsu/institution/center_toyoiti.html
Virgil HAWKINS大阪大学准教授(ブログ:http://stealthconflictsjp.wordpress.com/)
NGO Peace Village(団体HP:http://peace-village.jimdo.com/)
日本ルワンダ学生会議(団体HP:http://jp-rw.jimdo.com/)
学生の皆さん、確かに落ち込むこともありますが、夢は持ち続けてください!それは大事なことです。黒人差別がひどかった時代に、将来黒人系のアメリカ大統領が誕生し、また黒人奴隷の子孫がファーストレデイーになるとは誰も夢に思っていませんでした。このように不可能と思っていたことが将来実現することがあるのです。私もコンゴやルワンダに真の平和と安定が来る夢を持ち続けて、研究やアドボカシーを続けます。
報告書の分析に関しては次回書きたいと思います。
http://www.ohchr.org/EN/Countries/AfricaRegion/Pages/RDCProjetMapping.aspx
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。