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コンゴとアフリカの過去を振りかえ、それらの現状と今後を考えた上で、次の行動へのきっかけになることを願っています。
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今日1月17日は阪神大震災の16周年、またコンゴではパトリス・ルムンバ初代首相がベルギーとアメリカのCIAによって暗殺されて今年で50周年を迎えます。ちなみに、1月16日はローラン・カビラ前大統領(現大統領の父と言われる)が暗殺されて10周年を迎えたのですが、この事件もアメリカが関与していたという噂があります。

なぜ二人とも1月に暗殺されたのか?1月中旬というのはアメリカ大統領の政権交代の時期で世界最強のパワーの「真空空間」にあたり、CIA等が「大事件」を実行するのに絶好だからなんですね。ルムンバが暗殺された1961年当時のアメリカ大統領は共和党のアイゼンハワーで、その3日後の20日にケネディー大統領(民主党)が就任されました。2001年には、民主党のクリントン大統領から共和党のブッシュ大統領に交代されています。

カビラ前大統領はさておき、ルムンバ大統領がなぜコンゴだけでなく、アフリカ、そして世界で有名かというと、彼は「アフリカ独立のヒーロー」であったからです。1960年6月30日のコンゴの独立日での演説で、彼は国の資源を国民のために使うと述べたために、西洋諸国の脅迫に合います。当時は東西冷戦中で、爆弾作りに欠かせないコバルトは世界でコンゴとソ連にしかないため、アメリカはコンゴに依存していました。それがルムンバ首相によって手に入らなくなると危機感を覚えたアメリカは彼を共産主義扱いし、ベルギーと共に翌年彼を暗殺したのです。

 「彼は独立をあまりにも急ぎすぎた」「彼は外交も知らずに首相になり、理想だけを持っていた(郵便局事務員から政界に進出した)」とルムンバを批判する人はコンゴ人の間にもいるのですが、当時冷戦のピークで、アフリカ独立運動が盛んで、しかもルムンバ自身も若かったので、仕方がないという見方も。まあ、リーダーシップもヴィジョンもない某国の首相と比べると、はるかにいいと思うのですが。

それにしても、世界の革命家というのはなぜ30代で暗殺されているのでしょうか。ルムンバは35歳、ステイーブ・ビコ(南ア)は30歳、トーマス・サンカラ(ブルキナ・ファソ)は37歳、チェ・ゲバラは39歳、マーテイン・ルーサー・キング牧師は39歳。この人たちが生きていたら、この世の中どう変わっていたのだろうと思うことも。きっと天国から、地球に住んでいる我々のことを「歴史の教訓を学ばずに、同じ過ちを犯している」と馬鹿笑いしているでしょうね。何とも残念なことですが。。。

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少し遅れましたが、アメリカが世界の核の原料を支配していることが、(改めて)ウィキリークスによって分かりました。コンゴにある核の研究所が機能していなく、そこの警備体制が緩やかで盗難が絶えないこと、そしてコンゴ東部にあるウランがタンザニアのダルエサラーム港を経由してイラン(や北朝鮮)に売られている可能性があることも書かれています。

CNN “WikiLeaks: From Congo to the Caucasus -- chasing loose nuke material”
DAILY NEWS TanzaniaPolice probe Wikileaks claims on uranium
http://dailynews.co.tz/home/?n=15715&cat=home
 
そのコンゴとアメリカが、21日核と放射能の原料の密売防止に関する合意を署名しました。同様な合意をアメリカはウクライナ、カザフスタン、ジョ-ジア、キルギスタン、アルメニアとも合意を結んでいます。
コンゴでは南部のシンコロブウェという所に、ウランがあります。ここは1960年ベルギーによって閉鎖されたのですが、広島・長崎に投下された原爆をつくるために、そこにあるウランがベルギーからアメリカに1943年売られました。11月下旬に公表された国連報告書によると、コンゴ東部にいるルワンダ反政府勢力(FDLR)が、べルギーの植民地時代(~1960年)に発見されたウランのコンテナ6船分を売ろうとしていたそうです。フランスの核会社Arevaとコンゴは、ウランの開発に関する合意を昨年3月に結んでいます。
 
核兵器の話題というと、よく保有国のことについて報道されますが、コンゴのような原産国と大国間の政治に関する情報はほとんど日本には入ってきません。広島の平和資料館のような所でさえも、そのような展示はありません。ヒロシマとナガサキが将来繰り返されないためにも、現在の動きについてもっと注目すべきではないでしょうか。
先日久々にある新聞記者に会い、大湖地域に関する記事を書けないのかと私が話すと、「ルワンダは大統領選挙が今年8月に終わり、その前は南アのW杯で忙しくて、ルワンダどころではなかった。次回の選挙は来年11月に行われるコンゴだから、その前に現地入りして書くだろう」と。
 
確かに選挙前になると、どの国でも熱くなるため、「記事にしやすい」ネタなのでしょうが(今のコートジボワールがまさしくそう)、我々の生活は選挙を中心に回っているわけではないので、それ以外のことも書いていただきたいと思っています。特にアフリカでは、選挙、貧困、紛争、また事故(飛行機墜落や自然災害など)がないと記事にならないようですが(それに加えて、最近ではレアメタルや中国の進出に関する記事もあり)、もっと他のニュースを取り上げてもいいのではないでしょうか。
 
例えば、今のコンゴでホットな話題は天然資源の搾取(まあ、100年以上にわたって続いている問題なので、新たに話題になっていると言った方が適切かも)。2001年以降毎年のように公表されている国連報告書によると(最新のものは1129日に公表)、コンゴにある天然資源が紛争の要因となっており、コンゴ・ルワンダ・ウガンダ政府軍、国内外の武装勢力や多国籍企業が関与してきました。さまざまな人権団体やNGOが、天然資源の売買に関してtransparencyaccountabilityを求め続け、この911日に、コンゴ政府はコンゴ東部における天然資源の採掘の禁止令をだしました。採掘が「マフィア」によって行われているせいで、治安が悪化しているからだと言う理由なのですが、現在は政府軍や武装勢力は相変わらず採掘を続けており、コンゴのカビラ大統領が単に資源の独占のために、禁止令をだしたのではないかと言われています。(ちなみに彼は政治家より、ビジネスマンに向いていると言われている。)
 
天然資源の管理に関して大変無責任なコンゴが、何と来年からキンバリープロセス(Kimberly Process紛争ダイヤモンドの取引きを防ぐための国際認定制度)の議長をイスラエルから引き受けることになっているのです! http://www.un.org/News/Press/docs/2010/ga11039.doc.htm
KPの成果が悪化するのではと懸念してしまいます。
 
また、天然資源の搾取の関与者は軍人(武器商人も含む)や多国籍企業だけに限らず、国連PKO軍も含まれていることもあるのです!これもあまり知られていないのですが、私がコンゴ東部にいた23年前現地で密かに話題になっていましたし、BBCも以下のような記事を書いています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/6685045.stm
 
これに関しては、関心があれば下記の記事を参照ください。PKOを利用して、コンゴと天然資源の取引きを結びたいインド政府の隠れた経済的なアジェンダが分かります。“Why South Asia Loves Peacekeeping” (The Diplomat, December 16, 2010)
 
ということで、ジャーナリストの皆さん、選挙以外に書くネタはたくさんありますので、積極的に書いてくださいね!応援しています。
11月16日付のICG(International Crisis Group)というシンクタンクによると、昨年から続いているコンゴ政府軍とルワンダ政府軍によるルワンダ武装勢力への掃討作戦にもかかわらず、コンゴ東部はまだ不安定です(実際はウガンダ政府軍もウガンダ武装勢力のLRAへの掃討作戦を行っているが、ここではあくまでもルワンダのみ触れている)。
http://www.crisisgroup.org/en/regions/africa/central-africa/dr-congo/165-congo-pas-de-stabilite-au-kivu-malgre-le-rapprochement-avec-le-rwanda.aspx

そもそも掃討作戦は不十分に計画され、また昨年3月に武装勢力のコンゴ政府軍への軍統合が同意されたものの、武装勢力の中には戦争犯の疑惑の人がいたりと軍事的現状は無茶苦茶です。それによって人道状況は悪化し、過激的な暴力事件は増加しました。
 
実はこの無謀な掃討作戦は国連PKOによって支援され、我々の税金(日本はアメリカに次いで、PKOの第2の拠出国)も平和維持どころか、その反対の目的のために使われているのです!大変矛盾しているのですが、国連PKOのマンデートは(掃討作戦を行っている)コンゴ政府軍を支援することであり、また市民保護でもあります。この筋の通らないPKOのマンデートに関しては、私がコンゴ東部にいた2-3年前、いつも人道支援機関(国連機関やNGO)の間で憤慨していました。PKOの言い分はいつも「国連安保理が決めたことだから仕方がない」でした。それがまだ続いているようです。。。
 
さて話はICGのレポートに戻りますが、最後にコンゴ政府や国連PKOへの提言として
 
「国際的にーアメリカ、中国、ベルギー、南アとアンゴラー訓練された軍の派遣される間に、コンゴ政府軍による攻撃的な掃討作戦を延期する」
 
と書いていたのには呆れました。(と言っても今回のレポートが初めてではなく、今までも「十分に計画した掃討作戦」を勧めていたのですが。。。ちなみに私は昨年ICGのコンゴ担当者に会ったとき、これに関して議論したのですが、よく理解できない答えが返ってきました。)掃討作戦を延期でなく、即止めるべきです。
 
戦争経済で金儲けをしている武器商人や権力者以外は、掃討作戦は何の利益ももたらせないこと、また掃討作戦によって一般市民、特に女性、子供、シニアの方がいつも犠牲になっているとわかっていながら、なぜ掃討作戦を勧めるのでしょうか。そして紛争解決のために紛争の原因を政治的に(非暴力的な対話など)対処することが重要だと繰り返し言われているのにもかかわらず、なぜそれができないのでしょうか。本当に腹立たしい!戦争と人道危機はNever ending storyになってしまっています。
ロシア人の武器商人であるビクターブートゥ(Viktor Bout)氏が2年前に逮捕されたタイからアメリカに身柄が引き渡されました。

ロシア政府も本人も罪を否定しているらしいのですが(本人の正式なサイトには単なる商人としか書いていないらしい)、彼はコンゴ、アンゴラ、リベリア、アフガンやボスニアの戦争で武器を提供してきました。

フランスのRFIによると、コンゴでは1996年の第1次コンゴ戦争の際に、彼は反政府勢力AFDL(ルワンダ政府等が支援)やその後できた反政府勢力MLC(ウガンダ政府が支援)に武器を提供し、AFDLの代理としてつくられた反政府勢力RCD-Goma(ルワンダ政府が支援)や、ルワンダ政府が「テロリスト」と呼ぶルワンダ反政府勢力のFDLR(ルワンダ虐殺の首謀者などがつくった)は、ブートゥ氏の主な得意客であったそうです。

またコンゴ東部では資源の密輸や国連機関の援助物資の運送にも関わり、東部にある地方都市ベニにあるホテルの共同オーナーでもありました。戦争経済も平和経済(人道支援を含め)もこういう人たちが関わっていて、彼らが金儲けできるようになっているのですね。私はベニに出張で数回行ったことがあるのですが、私が泊まっていたホテルがそうだったとしたら?またUNHCRの援助物資も彼の会社が運んでいたとしたら?そう思うと、ぞーと怖くなりました。

映画「ロード・オフ・ウオー」(Lord of War)は世界の紛争地で活躍する武器商人が主人公でしたが、まさしくその世界。恐ろしいですね。
私のコンゴ仲間のVirgil Hawkinsさんが「アフリカも世界の一部」というキャンペーンをしているのですが、今週はコンゴの鉱物資源の特集で興味深いので、ぜひ読んでください。

*コンゴと鉱物資源と日本***

*「アフリカも世界の一部」第**18**号*

第2次世界大戦後、世界最大の紛争を抱えているコンゴ民主共和国<
http://atlas.cdx.jp/nations/africa/congo-dr.htm>
(DRC)は不安定な状況が続く。紛争と様々な鉱物資源の採掘が密接につながっている。そして日本とも決して無関係ではない。

DRCの東部にあるコルタン(タンタルの原料)、スズ、タングステン、金などの鉱山の多くは国軍を含む武装勢力にコントロールされ、労働力は奴隷に近い状況が少なくない。南部にある銅、コバルトの鉱山は紛争地から離れているが、大手企業が利益を得ても、鉱山労働者が得られる収入は少なく、鉱山が環境にもたらしている悪影響は大きい。

電子回路の部品であるコンデンサに欠かせないタンタル。DRCには世界の埋蔵量の6~8
割があると考えられている。主に闇市場で動いているため、実際の生産量は測りにくいが、昨年、DRCのタンタルは世界の生産量の9割も占めたと推測されている。その多くは中国が輸入しており、そして日本の電子産業に使われているタンタルの多くは中国から輸入している。

今年7月、アメリカでDRCの紛争と鉱物資源に関する法律ができた。2011年4月からは、アメリカの企業が使用している鉱物資源がDRCの紛争と無関係であることを証明する義務を負う。実質的にDRCとその周辺国からのタンタル、スズ、タングステン、金などが使えなくなる。そのため、来年タンタルの値段は今年の4倍に跳ね上がると見込まれている。DRC東部では武装勢力と鉱業の関係が続いているため、カビラ大統領は一時的に東部の鉱山の活動禁止指令を発令した。しかし、鉱業を続行している鉱山もある。

また、環境に優しいと言われている電気自動車の生産が増えているため、リチウムイオン電池の需要も跳ね上がっている。日本の三洋電機は生産量を5年で10倍にする予定で、「加西グリーンエナジーパーク<
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/10/19/005/index.html>
」という新しい工場を完成したばかりである。世界のリチウムイオン電池に含まれるコバルトは極めて環境状況が悪い鉱山で採られている可能性が高い。世界のコバルト生産量の4割はDRCが占める。中国も韓国もコバルト、銅などを確保するためにDRCに大規模の投資を計画している。

また、日本の企業はDRCの石油の採掘に関わっている。国際石油開発帝石株式会社は1970年からコンゴ民主共和国沖合鉱区<
http://www.inpex.co.jp/business/africa.html>
で石油の開発に参加しており、現在も採掘が継続されている。さらに今年から、同社はDRCの陸上油田<
http://www.inpex.co.jp/news/pdf/2010/20100825.pdf>
の開発にも参加しているが、今のところ石油は発見できていない。

日本のメディアは相変わらず、DRCの状況を無視している。読売新聞では紛争の状況や政治情勢を伝えるどころか、アメリカの紛争鉱物の法律と日本の電子産業への影響すら伝えていない。日本の経済成長に欠かせない電子産業、そして日本で高まる環境意識。
DRC情勢とその鉱物資源に目を向けるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

*以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。*このリンク <
https://app.yomiuri.co.jp/form/>*
から直接投稿してください。*

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「コンゴ民主共和国の情勢と日本の電子産業との関連が深まっています。特にアメリカで紛争鉱物に関する法律ができたため、日本の電子産業に欠かせないタンタル、スズ、タングステンなどの市場が大きく動き始めています。しかし読売新聞はなぜかこの状況を伝えようとしません。他人事ではありません。コンゴ民主共和国の情勢に目を向けるべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

DRCの金の鉱山と国軍の関わりに関する記事 <
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-11722142>

価値が高まるタンタルに関する記事<
http://af.reuters.com/article/drcNews/idAFLDE6A01N320101110>

DRCの銅・コバルトと中国 <
http://www.atimes.com/atimes/China_Business/LC11Cb02.html>・韓国<http://www.reuters.com/article/idUSLDE69T08O20101030>
の投資

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページ<
http://stealthconflictsjp.wordpress.com/2010/07/18/africamosekainoichibu/>
をアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレス <
stealthconflictsforum@gmail.com>にメールを。

過去の記事はこのページ<
http://stealthconflictsjp.wordpress.com/category/%e3%80%8c%e3%82%a2%e3%83%95%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%82%82%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e4%b8%80%e9%83%a8%e3%80%8d/>
からアクセス

「ステルス紛争」とは?このページ <
http://stealthconflictsjp.wordpress.com/>をアクセス。

*
このメールは転送可です。「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!
***

今週10月17日―23日はコンゴ・ウィーク。アメリカNPO Friends of the Congoがコーディネートするこのキャンペーン週間は、世界最悪のコンゴ紛争を知ってもらうためのものです。日本では、大阪大学のVirgil Hawkins先生が中心になって大阪で企画が行われ、コンゴ・ウィークの開始日である今日、NGO「SESCO」が主催したコンゴセミナーに私が講師として講演をさせていただきました。

後半のパネルディスカッションで「もっとメデイアがコンゴ紛争を取り上げるべき!」という話になったとき、メデイアによる国際紛争への反応を研究しているVirgilさんが口にしたコメント:

「10月14日の読売新聞(朝・夕)に掲載されたチリ鉱山落盤に関する記事の量は、今まで取り上げられたコンゴ紛争の記事の5年分に値する」

参加者はシーン。私も同日の朝日新聞を読みながら、なぜ一事件に対してこんなに詳細に取り上げられる必要があるの?と思っていたのですが、コンゴ紛争の5年分だったとは驚きでした。

別にチリ鉱山落盤を軽視していいと言っているわけではないのですが、もっと国際記事をバランスよく取り上げて欲しいですね。同様な問題がアフリカで起きていたら(実はかなりの頻度で起きている!)、どこまで報道されていたことやら。6月のワールド・カップ中だったら、ちょうどアフリカブームになっていたから多少は関心があったかもしれませんが。

ということで、メデイアの方々、国際版、特にアフリカのニュースをもっと取り上げてください!TICADやアフリカ・フェスタなどを年に数回の企画をするだけでは足りなく、アフリカのニュースが日常的に聞けるぐらい身近にしてもらいたいものです。
8月のブログに「ベンダ・ビリリ」のドキュメンタリー映画を紹介しましたが、今日はそのコンサートに行ってきて、思いっきり踊って騒ぎました。本当に力強い!今夜(10月11日)9pmのNHKのニュースに出ていたので、見た人もいたのでは?今年の6月のワールドカップ以来、アフリカの熱気が下がったのですが、このコンサートでまた一気に上がった?と思うほど観客が入っていました。ただあるウォッチャーは、昔ほどのパワーはなくなったのではないかと。それってもしかしてベンダビリリがスター気分になったからなのか。もしそうであれば、悲しいですね。

同じコンゴに関しては書きたいことがあるのですが、今日は興奮しすぎてそれどころではない。明日に回します。

1022日(金)、23日(土)に大阪で開催されるイベント、CONGO WEEKをご紹介いたします。私のコンゴ仲間が企画し、去年私も講師として話をさせていただきました。お問い合わせ等は、下記の主催者までお願いいたします。

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 CONGO WEEK「コンゴ民主共和国、無視され続ける世界最大の紛争」

 10/22()講演会・カフェ、10/23()チャリティイベント

主催:Virgil HAWKINS大阪大学准教授×NGO Peace Village×日本ルワンダ学生会議

  アフリカ中央部・コンゴ民主共和国(以下コンゴ)を知っていますか?この国では紛

争が勃発し、第二次世界大戦以降最大規模の約540万人が命を落とています。紛

争の一因は携帯・パソコン・デジタルカメラに不可欠な鉱物資源であり、その消

費者である我々日本人も決して他人事とはいえません。

 Congo WeekとはアメリカのNPO Friends of the Congoが、コンゴ紛争への認知を

深める為にコーディネートしているキャンペーン週間で、今年度は101723

です。世界40カ国が参加するグローバルな運動で、大阪はアジアで唯一「重点都

市」に指定され、その活動が期待されています。

 Congo Week HPhttp://www.congoweek.org/ 

Congo Week紹介動画:http://www.youtube.com/watch?v=q-W82R5FPyM 

 10/22は学生団体・日本ルワンダ学生会議が、ヴァージル・ホーキンス大阪大学准

教授による講演会を企画し、学生同士ディスカッションする時間も設けます。講演

会後のカフェもお気軽にお立ち寄り下さい。講演会又はカフェ、どちらか一方の参

加も大歓迎です。

 10/23NGO Peace Villageが、コンゴの鉱物資源や少女兵をテーマにした世界疑似

体験演劇を上演し、演劇の感想を皆で共有するワークショップを取り入れたチャリ

ティイベントを開催します。NPO Friends of the Congoを通じて、コンゴで紛争被

害にあった人々に募金致します。

 コンゴの未来について、あなたもいっしょに考えてみませんか?

 ◆◆講演会(予約不要・無料・日本語講演)◆◆

「コンゴ民主共和国の紛争を知る、考える、語る」

1022()16201750

場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・2階セミナー室1

(阪急石橋駅徒歩15)

講師:ヴァージル・ホーキンス(大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)准教授)

アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3 

 ◆◆カフェ(予約不要・300)◆◆

「コンゴともよろしく」

1022()18101940

場所:大阪大学豊中キャンパス教育実践センターⅠ・1階食堂カルチエ

(阪急石橋駅徒歩15)

※コンゴ民主共和国とテレビ電話をつなぐ予定

アクセス:http://www.cep.osaka-u.ac.jp/about_center/30a230af30bb30b930de30c3 

 ◆◆演劇鑑賞+ワークショップ(要予約・300)◆◆

予約:氏名をご記入のうえpeacevillage8@gmail.comまでご連絡下さい

「コンゴ ―君に届け―」チャリティイベント

1023()18002000(1740開演)

場所:吹田市 豊一市民センター

(地下鉄北大阪急行江坂駅徒歩10分、阪急豊津駅徒歩15)

アクセス:http://www.sutv.zaq.ne.jp/shisetsu/institution/center_toyoiti.html 

 お問合わせ:japan.rwanda@gmail.com 

 主催:

Virgil HAWKINS大阪大学准教授(ブログ:http://stealthconflictsjp.wordpress.com/) 

NGO Peace Village(団体HPhttp://peace-village.jimdo.com/) 

日本ルワンダ学生会議(団体HPhttp://jp-rw.jimdo.com/) 

 

 

 

待ちに待った、1993-03年にコンゴで起きた人権侵害に関する国連報告書が今夜(日本時間)公表されました。「虐殺」の可能性があると書かれていますが、草案よりトーンがソフトになってしまいました。「虐殺」の加害者もぼんやりと書かれている感じ。。。国連人権高等弁務官事務所がルワンダなど関係国との妥協の結果でしょうか。まあ、一時は「虐殺」という単語が報告書から削除されるかもという心配があったから、残っただけでもましと言えるのかな。

報告書の分析に関しては次回書きたいと思います。

ルワンダ軍によるコンゴでの「虐殺の疑い」があったと書かれた国連報告書草案の最終版が明日、いよいよ公表されます。カガメ大統領と潘国連事務総長との間に「虐殺」の単語を削除することが同意されたという話もあれば、「虐殺の単語をそのまま残した」とピレー国連人権高等弁務官がコメントしたとも言われます。後者は南アのアパルトヘイトで闘ってきた人ですので、アメリカや国連の重圧で報告書の内容を変更するタイプではないと願いたいのですが。。。
 
本当のところはどうなのでしょうか。気になります!
 
日本ではこの報告書に関してほとんど報道されていないのが残念ですが、国際的には大変重要な意味を持っています。もし「虐殺」の単語が報告書に残されているなら、歴史を変えないといけなく、ルワンダの軍事的・政治的支援をしてきたアメリカ等の信用度は低下するでしょう(既にしていますが)。コンゴでは不処罰(impunity)が長年問題になってきましたが、この機をきっかけに処罰する方向性に動くかもしれません。
 
ということで明日が楽しみなような、怖いような!(この辺でそろそろおやすみします。。。)
この2週間ほど、ラジオ・オカピ(コンゴにある国連PKO軍のラジオ局で、アフリカ最大級)を聞いていて、腹が立ったと同時に胸が痛みました。9月の新学期を前に、学費や制服が高くなって払えないとか、避難民が学校を占領しているので学校が再開できないとか、コンゴ人の親たちがインタビューに答えていたのです。
 
コンゴ政府は6月30日の50周年独立記念式でベルギー国王などVIPを招待し、彼らにお土産を渡すなど莫大の費用を費やしたのに、それに比べてずっと少額である生徒の学費(場所によっては毎月一人一ドル)も支援できないなんて、一体どういう神経をしているのでしょう?どこの政府も予算はタイトかもしれませんが(特に現在の経済危機の中)、教育、特に小学校という義務教育に親に負担をかけるとは許されることではありません。コンゴ政府の5つの優先事項に教育も入っているのですが、いつものごとくリップサービスで終わっている。。。コンゴ人の政治家の子供たちは皆ヨーロッパなど外国で教育を受けているので、国内の教育事情に関心がないのでしょう。
 
沖縄での戦後復興でも教育が重視されていたように、教育は国造りの基礎の基礎です。しかしそれを怠けているようですと、いつまでも独立(自立)はできません。コンゴでは独立50周年を迎えましたが、完全に外国からの援助に依存し、本質的には失礼ながら0周年(あるいはマイナス0)と言った方がふさわしいのでは?独立とは単に植民地でなくなることを意味するのか(と言っても現実にはまだ続いているのですが)、また何をもって独立(自立)なのか、その定義をはっきりしないとはいけませんね。
730日から83日まで起きたコンゴ東部での大規模レイプ事件での被害数は最初200人以下と報道されていたのですが、それが今は500件以上に増えました。この事件を受けて、国連のアトゥール・カーレ事務総長補佐(平和維持活動担当-PKO)が現地調査を実施し、国連安全保障理事会に提出する報告書で述べた言葉は、
 
「住民保護の任務に『失敗』した」
 
でした。
 
ちなみに彼の声明は次の通り。
“While the primary responsibility for protection of civilians lies with the State, its national army and police force, clearly we have also failed. Our actions were not adequate, resulting in unacceptable brutalisation of the population of the population of the villages in the area. We must do better.”
 
もちろん、住民を守る第一の責任者は国家(軍隊や警察など)で、国連はあくまでもその手助けをしているだけです。しかしこの事件が起きた村からあまり離れていないところにPKO軍基地があり、この事件が経って2週間何も介入しなかったということで、安保理も呆れ顔。仕方なく国連も自分たちのミスを認めたのでしょう。
 
この「失敗」という言葉を言うには大変勇気がいったのではないでしょうか。誰でも自分のミスを人前で認めたくないものです。今まで国連はいろんな失敗をしてきましたが、それをきちんと「失敗」と認めず、「我々にはそれだけのカパがない。人が不足している。。。」等と言い訳をしてきたような気がします。94年のルワンダでの虐殺でも、スーダンのダルフール紛争でも。そういう意味では、今回の「失敗」のスピーチに敬意を払いたいと思います。
 
あールワンダのカガメ大統領にもそのような謙虚さがあれば!と思うのは私だけでしょうか?
 
それにしてもたまたまなのか、レイプ事件、虐殺の疑いと、コンゴとルワンダでは現在同時に国連関係の大事件が起きており、国連本部や現地事務所では大慌てしながら皆24時間体制で働いていることでしょう。もちろんルワンダ政府側もそうです。コンゴ政府だけが特にレイプ事件に関して何の声明をださず、相変わらず無関心でマイペース。この態度では国が前進するはずがないですよね。

26日の”Democracy Now!”で、アメリカ人の脚本家でフェミニストのイブ・エンスラー氏がインタビューされました。知らなかったけど、彼女はあの有名な芝居の『ヴァギナ・モノローグス』(原題:The Vagina Monologues)の脚本家なんですね。様々な女性たちが自らの女性器について語った内容(性的暴力も含む)の芝居で、一度南アで観たことがあるのですが、大変パワフルでかつリアルで、特に男性に観賞をお勧めします。日本では2004年と2005年上演されたのですが、またやってほしいものです。
 
イブ氏はがんと闘っていながらも、コンゴの性的暴力について熱く語っていました。「世界のレイプの中心地」(rape capital of the world)であるコンゴで、その解決のためにミシェル・オバマ夫人に関与してもらおうとイブ氏は働きかけたのですが、ミシェル夫人は「女性拡張運動は私のブランドでないから」と断ったそうです。政治的な理由(資源が豊富なコンゴに権力国や多国籍企業が関与)があるのでしょうが、同じ女性が数多く犠牲になっているのですから[2009年だけで8000人いたが、これは報告されている数だけであり、現実にはもっといると言われている]ぜひ取り上げていただきたいと思います。
 
イブ氏のインタビューで印象に残ったことは「私のガンはコンゴの女性の悲惨さに比べるとまだまし。なにしろ、私には周辺から「早く治って」という励ましや関心があり、それが最大の治療薬になっているから。コンゴの女性は世界から忘れられている。ボスニアの女性も以前同じ目にあったが、世界からの関心があったので1年半で解決された。コンゴではその意思がないため、13年も女性が苦しみ続けている」と目を少々赤くしながら、話していたことでした。

関心の問題に関しては同感です!
730日から83日までコンゴ東部のある村で約150200人の女性が集団レイプされた事件で、コンゴの国連平和維持軍(PKO)の信頼はなくなっただけでなく、市民への無関心さが再び浮き彫りにされました。その村の近くにPKO軍の基地があり、その村がコンゴとルワンダの武装勢力(=性的暴力の加害者)に支配されているとわかってながらも、PKO軍は3週間も何の行為をとらなかったそうです。それは「住民がレイプのことをPKO軍に教えてあげなかったから(言わない方が悪いんだ)」だとか。そしてこの対策として、PKO軍はパトロールを強化すると国連事務総長代表は話していました。
 
この答えのひどさに怒りがムラムラ!私はコンゴ東部でPKO軍(インド軍が主要)と一緒に働き、またレイプの被害者に会ったことがあるので以下の3点について言えるのですが、①誰もレイプのようなプライベシーについて赤の他人(特に外国人)に最初から語らない。相手を信用して初めて話せる。②ほとんどのインド軍は公用語のフランス語だけでなく英語もできず、地元の人々と全然コミュニケーションがとれない(せめて挨拶の言葉だけでもして覚えてほしかったが、それもしなかった)。コンゴ人の通訳がいても全員男性なので、被害者側にとって大変話しにくい。私がコンゴ東部にいた時にインド軍に女性の派遣を何回もお願いしたが、治安の理由で送れないとのことだった(ちなみに、リベリアの首都モンロビアには女性のインド軍が多数いる)。③パトロールといってもPKO軍は主要な道路しか通らず、地元の人が通る小道はほとんど通らないことが多いため、あまり効果がない。
 
コンゴに限らず、世界における性的暴力について、日本においてももっと真剣に取り組む必要があります。UNIFEM(国連人口基金)東京事務所は母子保健に関してキャンペーンを実施していますが、同様に性的暴力もやってほしいものです。そしてユニセフにも!今日、コンゴに関心があるジャーナリストに会い、「ぜひ性的暴力の特集を!」と頼んだろころ。皆様もご協力をお願いいたします。
 
コンゴで腹正しいことが続いていたので、久々にコンゴの話題を語りたいと思います。
 
2週間前の8月13日に、選挙委員会から来年度の大統領選挙の発表がありました。投票日は11月27日、そして選挙費用は7億ドルで、そのうちの60%が国費、残りは拠出国でまかなうとか。ちなみに2006年の選挙費用は5億ドルであったので(そのうちの4億7000万ドルの援助が欧州連合を中心とする国際社会から誓約された)、今回は2億ドルアップになったのです。
 
毎回選挙になると、このように莫大な費用が簡単にでてくるのは、いつもびっくりさせられます。この経済危機にもかかわらずです!しかも選挙だけでなく、今年6月30日の独立50周年記念式のような行事にも6000万ドルを費やし、この中にはベルギー王へのお土産も含まれていたのです!その一方で、コンゴには国内避難民がまだ100万人近くいて、コンゴ政府は「金がないために(というか政治的意思が欠けている)」国連やNGOが支援をしています。無料であるはずの小学校において、文部省は毎月1ドルの学費を親に払わせており、しかも、その学費を払えない親も大勢いるという現実があります。また7月30日に、ルワンダとコンゴの武装勢力による女性や少年150人の集団レイプ事件がコンゴ東部で起きたのですが、それに関して国連事務総長は激怒の声明をだしたのに、コンゴ政府はいつものことながら犠牲者への同情や励ましの言葉もありませんでした。[まあ例え声明をだしたとしても、単なるリップサービスなので、それなら最初から言わない方がいいかもしれませんけど]
 
このようにコンゴの政治家は選挙やイメージアップの関心は高く、国民のニーズには全く無関心です。さらに呆れることに、今までベルギー元外相を除いて、権力国(主要な拠出国)はコンゴ政府に何の批判をせず、何もなかったかのように援助を続けていることです。もちろん利権が絡んでいるという大きな理由があります。悲報に対する国連事務総長の声明をよく注意して聞くと、必ず、後悔している(I regret)、ショックである(I am shocked), 心配している(I am concerned)で始まり、決して非難はしていません。
 
こんなコンゴ政府に本当に援助をする必要はあるのかしら??日本政府やJICAはODAの在り方を改めて検証しなくてはならないと思います。
本当はルワンダの大統領選挙について書きたいのですが、それは明日にします。結論を言うと、90%以上の投票率でカガメ大統領が圧勝しました。まあ、他の「真の」野党は出馬できなかったので、当たり前と言えばあたりまえですが。。。

今日は映画「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の試写会を観て、エキサイトしてしまいました。私は2001‐3年にこの映画舞台であるコンゴの首都キンシャサにUNHCRで赴任され、また1999-2000年にコンゴ西部、そして2007-8年にコンゴ東部に赴任されたとき、時折キンシャサに行き来していたので、なつかしく思いました。でもそれだけでなく、ベンダ・ビリリというバンドの音楽が大変パワフルで、元気と勇気を与えてくれます。皆さんにもぜひ観賞をお勧めます。

スタッフ・ベンダ・ビリリ 特別公演 10月11日(祝・月)東京・日比谷野外大音楽堂

このコンサートに関しては
http://bendabilili.jp/concert.html

そして9月から上映される映画に関しては
http://bendabilili.jp/movie/

キンシャサについていろいろ話したいことがあるのですが、ここでは一つだけ書きたいと思います。キンシャサに赴任中、私は両親を招待したことがあり、キンシャサ市内と郊外、そしてコンゴ西部にある難民キャンプに案内をしました。これを周りの人に言うと、相手がコンゴ人でも日本人・外国人でも(またUNHCR職員でも)かなりびっくりされるのですが、自分の勤務地、そして自分がオープニングに関わった難民キャンプを見せることは、一種の「親孝行」としてフツ―にとらえていました。それを言うと、ますますびっくりされるのですが。。。

といってもキンシャサには美術館も博物館といった観光らしいところがないので、どこに連れて行こうか正直迷いました。ボノボの孤児院に行ったり、服の仕立て屋さんでコンゴ風の服をオーダーしたリ、「ドロボー市場」と言われるお土産さんの市場でコンゴの素晴らしい民芸品を買ったり、コンゴ川を見ながら新鮮な魚料理を食べたり、活気溢れる下町の屋台で揚げた虫を食べたり(そのせいか、その数日後、母は寝込んでしまいました。。。。)といった日々を過ごしました。

キンシャサから西200kmにある難民キャンプに行った時は、難民が両親を大歓迎してくださいました。「あなたの両親ということは、我々の両親でもある」と言うのです。なんて素晴らしい言葉!あなたのものは我々のものという、アフリカ人の共有する心は大好きです!そのキャンプには、私の名にちなんで「レストラン・ママ・マサコ」があったのですが、そこのオーナーが両親のために昼食を用意してくれ、また難民らは両親に民芸品のプレゼントまでくれました。今思い出すだけでも涙が出てきそうなぐらい暖かく迎えてくれ、大変感謝しています。

そう、そのコンゴ人のホスピタリテイ-やサバイバル力も「スタッフ・ベンダ・ビリリ」から伝わります。ぜひご鑑賞を!
おとつい「毎日ブログを書きます」とか言って、昨日は書けなかった。。。。昨日1日中出かけていて、コンゴでJICAの案件で職業訓練所で働いていた友人が帰国したので、夜久々に会い、「カウンターパートのモブツ大臣(そう、かつて独裁者であったモブツ大統領の6番目の息子が今労働大臣なのです!)から、『太巻きをごちそうせずにもう日本に帰るのか』と言われた」などコンゴの話で盛り上がりました。モブツ大臣はよくヨーロッパに行って、好物である日本食を食べているそうです。モブツ大統領が過去にスイスやフランスで購入した別荘(城)に、子供たちは時折行っているのでしょうか。

ところで、6月30日にコンゴの独立50周年を記念に、大通りや記念式が行われた通りには電灯がつき、今はカップルのデート場所にもなっているとか。また人々の表情が明るくなっているらしく、それは「中国が入って助けてくれる」と期待しているからだそうです。

中国は2007年にコンゴ政府との間に総額90億ドル(その後60億ドルに下がる)の契約を結び、これはアフリカにおける1つの投資として最大級のもので、中国がコンゴ国内のインフラ整備をも請け負うのと引き換えに、天然資源を入手することになっています。

この「中国が入るので、コンゴの将来は大丈夫だ」と楽観的な声は以前からよくコンゴ人から聞きますが、本当にそうなのでしょうか。

自分たちで国づくりをするのでなく、外部者が国づくりをする。どんなに外部者がいい援助をしたとしても、長続きしないのは目に見えています。何事も自分が主人公にならないと、友人の早川千晶さんの言葉通り「外からの援助では、現地人は愛着が湧かなく」、したがってどこかでつまづいた時自分たちで解決するのでなく、「また中国人に頼ろう」と依存してしまうからです。(ちなみに私は援助が必ずマイナス要因をもたらすと言っているのではありません。現地の状況によっては援助が必要となる時もありますが、現地のニーズを把握し彼らが決定権をもたすことが大事です)

学ぶこともそうで、カンニングやコピペを通して試験やレポートでいい点を一時的にとっても、そのようなやり方だと一生頭に残らないのは最初からわかっていることです。反対に、苦難を通して(時間がかかったとしても)知識を自分のものにした時の喜びは大きく、また大きな自信となります。私もまだまだ勉強不足ですが、コンゴやルワンダに関する研究で新しいことを学んだ時、そしてそれを人と共有するときは大変エキサイトし、それが「もっと学びたい!」という感情を高ぶるのです。

コンゴ人のことは好きですが、いつまでもこのような依存心を持っていると、残念ながら彼らの将来は明るくないでしょう。自分ら国や人生のシナリオを描いてもらいたいものです。


最近ブログをさぼっていました。。。ブログを立ち上げた時毎日書こうと思っていたのですが、それがなかなか実現できない。。。ちなみに私は小学生の時からまめに日記を毎日のように書いているので、書くのは苦痛ではないのですが、ブログは日記と違って人が見ているため、さすがに何でも書けるわけでもなく、今日は何書こうかと考えていながら仕事などをやっていると、時間が経ってしまうんですね。

しかし昨日学食で学生たちと昼食を食べていたら、一人が「先生のブログを読んでいます!いろいろ勉強になっています!」という励ましの言葉をもらい大変感動したので(涙。。)、これからできる限り毎日書こうと思っていま~す!

さてなぜこの数日私がプログに従事できなかったかと言うと。。。(単なる言い訳にしか聞こえないが)

昨夜六本木でPecha Kucha Nightに行き、『コンゴ~「アフリカの奪い合い」の中心地』(Congo: The Center of "Scramble for Africa")という題名でプレゼンをしました。このPecha Kucha Nightは、もともと建築家やデザイナーたちが出会って、自分たちの作品を発表しあう場として2003年に東京にできたのですが、それが今は世界80市に広がりました。六本木という場所もあり、外国人もたくさん集まります。私は友人の紹介で5月に初めて来て、今回来るのが2回目です。

www.pecha-kucha.org

このプレゼンの面白いところは、20スライドをそれぞれ20秒で発表することです。自分でパソコンの操作はできなく、だらだらと話をしていると、次々と自動的にスライドが変わってしまう仕組みになっています。20秒で大体のことは話せますが、私は欲張りなので、ついついあれもこれも話したいと思ってリハーサルしていると、時間がオーバーし、テキストやスライドの写真を何回も変えました。簡潔に説明することの大事さ・難しさを改めて学び、そういう意味でいい勉強になりました。

話はそれますが、私がまだUNHCRにいた時、(元)軍人と働くことが多かったのですが、彼らは文民と違っていつも要点だけを話すので、(元)軍人が司会する会議は必ず短く終わって助かりました。反対に文民が司会する会議(残念ながらこの方がずっと多いのですが)はまるで時間が永遠にあるかのように何時間も続き、参加者が皆参ったものです。時間管理やスピーチ管理に関してこの教訓から私もなるべく簡潔に話すようにしています。

Pecha Kucha Nightでは、おかげさまで私のプレゼンは一応うまくいったのですが、プレゼン後の司会者の言葉にびっくりしてしまいました。

「あなたは遠慮なくずけずけと話しましたね」(you are quite outspoken)

まあ確かにデザインや自分の趣味っぽいプレゼンが多いPecha Kucha Nightで、私のような国際政治が絡んだことを話す人は珍しい(あるいは初めて?)かもしれません。しかも、ルムンバ首相がCIAやベルギー政府によって暗殺されたことや、コンゴの戦争経済で儲けた者としてルワンダや多国籍企業などを挙げたので、あまりにもデリケートだと思われたかもしれません。しかし、これらは私の作り話でもなく、陰謀説でもありません。ですから、私は司会者に「でもこれらは事実で、我々は知る必要があります」と答えました。

人の悪口をずけずけと話すのはよくありませんが、コンゴや他の国での悲劇、しかも我々の日常生活と無関係でない悲劇に関して、誰かが知らさなければ、この世の中はどうなるでしょうか。ファッションやグルメ等の話だけで盛り上がっていいのでしょうか。しかも私は日本という安全な場で遠慮なく(まあ多少遠慮していますが)話せますが、社会を変えようと命がけで腐敗や人道侵害などを伝えている現地人のジャーナリストや人権活動家がいます。その中には命を落としている人もいます。彼らに対して、「あなたはよくそんなことをずけずけと言えますね」と平気で言えますでしょうか。

これにも負けず(というか特に気にしていないが)、これからもずけずけと話そうと思いますので、ご付き合いください!
ここんところ、ルワンダの話題が多かったですね。何しろ、8月9日に大統領の投票日があり、今月20日に大統領選挙キャンペーンが始まったのですが、野党3党は選挙できないままなのです。政党として登録できなかったか、あるいは登録できたが大統領の候補者は逮されたために出馬できないでいます。ルワンダ政府は「野党はもちろん批判することが仕事であるが、それがあまりにも行きすぎると虐殺が再燃する可能性がある。だからコントロールする必要あり」と野党の逮捕や自宅軟禁を正当化していますが、国連や人権団体等はかなり批判しています。ルワンダ政府の支持者である、アメリカ政府とイギリス政府は依然沈黙し続けています。もちろん日本政府も。。。

いろんな外国のメデイアがそれに関して報道しています。残念ながら日本のメデイアは全然取り上げていません。アー情けない。。。実は数日前にジャーナリストの知人にルワンダの現状に関する簡単な書類を送ったのですが、何の反応がありません。。。それはともかく、ルワンダに関する外国の報道を私のtwitterで定期的に紹介していますので、関心がある方は見てください。私のtwitterのアカウントはmasako1884です。(なぜ1884という数字を付けたかというと、1884-1885年に開催されたベルリン会議で、アフリカの植民地分割がされたことによって、アフリカの中でもコンゴの悲劇の歴史が始まったからです。)

今日は久々にコンゴの話題を話したいと思います。毎年10月に「コンゴウィーク」という、世界最悪の紛争国であるコンゴの悲惨さに関する啓蒙活動が世界中で行われます。昨年私も大阪大学での企画で話をし、それがyoutubeに載せられたので、観てください(私のパワーポイントはちらっと出ていますが、私自身は出ていません)。

http://www.youtube.com/watch?v=jiDxvt3pveA


今年も阪大で、Virgil Hawkin先生が企画しようと計画しています。関心がある人はぜひVirgilさんのブログへ連絡してくださいね。

http://stealthconflicts.wordpress.com/

え?私は関東でコンゴウィークをやらないのかって?実は9月に宇都宮大学等が主催する「国際キャリア開発プログラム」で合宿を2回開催するので(私も人道支援と平和構築で英語で分科会をします)、10月には他の企画をする余裕がありませ~ん。また、今コンゴやルワンダの人権問題に関して研究しようかな~と思っているので、しばらく大きな企画には手を突っ込まない予定です。
コンゴは50年前に独立した時に希望があったのですが、その後市民は戦争、汚職と貧困で苦しんできました。BBCは、市民の肖像写真と彼らの過去と現状のメッセージを流しています。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/world/africa/10431994.stm
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米川正子
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女性
職業:
大学教員
趣味:
旅行、ジョギング、テコンドー、映画鑑賞、読書
自己紹介:
コンゴ民主共和国(コンゴ)やルワンダといったアフリカ大湖地域を中心に、アフリカでの人道支援や紛争・平和構築を専門としています。
過去にリベリア、南ア、ソマリア、タンザニア、ルワンダ、コンゴなどで国連ボランテイアや国連難民高等弁務官事務所職員(UNHCR)として活動。南アの大学院でコンゴ紛争について研究し、2007年―2008年には、コンゴ東部でUNHCRの所長として勤務したこともあり、その経験を活かして現在アドバカシ―に力を入れています。
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